知る人ぞ知る珍しい台湾料理『三項湯│三項スープ』のレシピを紹介します。薬膳料理みたいな名前ですが、ちゃんとした台湾料理の一つ(のはず)です。日本で紹介されたことはないのではないでしょうか?というわけでレシピは本邦初公開(のはず)です。
大台北地区でも筆者の知る限り新店にしかこの『三項湯』を出す店がなく、普通は自分で作らないと食べられません。しかも自炊する人がほとんどいない台湾の都市部、特に台北では、この料理自体を知らないという人が大部分でしょう。かくいう筆者も最近になるまでこの料理の存在を知りませんでした。台湾南部の知人数人に聞いてみましたが、聞いたことがないということなので、北部か東部の料理なのでしょう。いつ、誰が、何処で作ったのか、どうやって伝わったのか、まったく不明の謎の多い料理です。これはちょっと調べてみたくなりますね(笑)。
料理名にある「三項」とは材料で使う豚モツ、豚レバー、牛バラ肉の三種の肉類を指し、これを牛ガラで取ったスープと醤油で煮込んで作ります。清燉と紅焼の中間のような牛肉麺のスープを濃くして豚モツなどを加えて煮込んだ感じといえば分かりやすいでしょうか。非常に滋味あふれる味です。
台湾で食べるより、日本で自作してしまった方が楽という不思議な台湾料理です。とてもおいしいのでぜひ再現してみましょう。
[材料]
牛サーロイン ……… 600g
牛ガラスープ ……… 2500cc
ネギ ……… 5本+適量
ショウガ ……… 30g
豚モツ ……… 300g
豚レバー ……… 120g
牛脂 ……… 70g
[調味料]
豆板醤 ……… 大さじ6
八角 ……… 2個
醤油 ……… 150cc
塩 ……… 小さじ1/2
砂糖 ……… 大さじ4
酒 ……… 大さじ
[作り方]
1.豚モツをよく洗い、適量の塩(分量外)で揉んでおく。豚モツの粘りが取れたら沸騰したお湯にくぐらせてアクを抜き、氷水に浸けておく。牛サーロインは食べやすい大きさに切り、沸騰したお湯でゆでてアクを抜いておく。ショウガは薄切りにしておく。ネギはぶつ切りにしておく。
2.炊飯器に豚モツと適量の水を入れ、スイッチを入れる。炊きあがったら豚モツを取り出し、数センチの長さに切り分けておく。
3.熱した鍋に牛脂を入れて溶かし、ネギとショウガを軽く焦げるまで炒めて香りを出す。続いて豆板醤と牛サーロインをいれ、表面の色が変わるまで炒める。牛ガラスープを加えて加熱して沸騰させたら、その他の調味料を全て加えて弱火で牛サーロインと豚モツに火が通り、柔らかくなるまで煮込む。
4.豚レバーをよく荒ってから薄切りにし、作り方3の鍋に入れて火が通るまで煮込んだら、最後にみじん切りにしたネギを適量振りかけて完成。
Point!
豚モツは『四神湯』のように炊飯器で調理していますが、普通の鍋で40分ほど煮込んでも柔らかくできます。
作り方3の時点で冷凍しておけば後は豚レバーを加えるだけでいつでも食べられます。
作り方3の煮込み時間はじっくりと2時間ほど見ておきましょう。結構大量に出来ますが、上の項目のようにレバーを入れる前の状態で冷凍しておけばいつでも食べられます。
蒸しパンや麺を浸けて食べるのが台湾風だそうです。
アレンジを加えるならスープ!当帰10gと川芎10gを入れると香りが良くなり、血流の改善効果が望めます。またトマトを加えて酸味を加えるのもよいでしょう。
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