本日は『桶子油雞│中華風鶏肉煮込み』という料理のレシピを紹介します。香辛料で煮込んだ中華「焼鶏」の一種で、とても柔らかく香り高いのが特徴の料理です。
この『桶子油雞』はもともと広東省潮州の地方料理で、「広州十名鶏」にも数えられる名品の一つ。
食の都広州では、古くから鶏肉料理が珍重され数多くの料理人がオリジナルの料理の開発に心血を注ぎました。
50年ほど前の広東省では各地のホテルがこぞって新作の鶏肉料理を披露し、この『桶子油雞』はそのときに開発されたものだと言います。当時の「広州名鶏」といわれる料理は、名前だけ見ていてもおいしそうなものばかりなので、列挙してみます。『桶子油雞』を筆頭に『桂花蝉雞』、『橘香雞』、『脆皮糯米雞』、『広州文昌雞(金華錦綉雞)』、『務長牛奶雞』、『江南百花雞』、『手撕雞』、『豆豉雞』、『龍涎香液雞』、『骨香雞』、『豉油皇雞』、『東江鹽焗雞』、『大爺雞』、『牡丹雞』、『口福雞(柱侯瓦罉焗雞)』、『鳳城蜜軟雞』と、どれもおいしそうな名前です。残念ながら料理人が退職したり、レストランが閉店したりしていくつかの料理のレシピは失われてしまいました。文化大革命の傷跡はこういうところにも残っています。
1980年代から、広東省では鶏肉料理の復古というか回復運動のようなものが起こりました。それで新たに策定されなおしたのが「広州十名鶏」というわけです。こちらも『桶子油雞』を筆頭に『清平雞』、『文昌雞』、『東江鹽焗雞』、『市師雞』、『脆皮雞』、『蜆蚧雞』、『路邊雞』、『百歲雞』、『太爺雞』と、おいしそうな料理が揃っています。いくつかの料理は中華料理ファンにはおなじみの名前かもしれません。レシピを見ただけで涎が出てくるようなものばかりですので、いつか紹介したいと思います。
『桶子油雞』、絶品です!
[材料]
鶏肉 ……… 1匹分(2kg)
ネギ ……… 適量
[調味料1]
紹興酒 ……… 大さじ3
塩 ……… 大さじ1
氷砂糖 ……… 120g
醤油 ……… 230cc
ごま油 ……… 適量
[調味料2]
花椒 ……… 30g
八角 ……… 30g
陳皮 ……… 30g
桂皮 ……… 30g
丁香 ……… 30g
草果 ……… 30g
甘草 ……… 30g
[作り方]
1.鶏肉は沸騰したお湯で表面の色が変わる位までサッと茹で、氷水に浸けて冷ましてから取り出し、水気を切っておく。
2.鶏肉が入るサイズの鍋を用意(Point参照)し、紹興酒、塩、氷砂糖、水800cc(分量外)(Point参照)を入れて沸騰させたら、醤油と調味料2を加え、弱火で15分ほどクツクツと沸騰させる。
3.作り方2の鍋に作り方1の鶏肉を入れ蓋をする。加熱して沸騰させたら中火で3分煮込み、火を止めて6分蒸らす。鶏肉をひっくり返し、火をつけてスープを沸騰させたら再び蓋をして中火で2分煮込み、火を止めて20分ほど蒸らす。
4.ハサミ等で鶏肉の身が厚い部分を切り、火が通っているのを確認する(Point参照)。火が通っていれば取り出して表面にごま油を塗る。切り分けて器に盛りつけたら少量のスープを上からかけて完成。
Point!
鶏肉丸々一匹分が入る大きさの鍋がないときは手羽、腿、胸などに切り分けて重ねて鍋に入れましょう。最後は切り分けて提供するのであまり違いはありません。
鍋に鶏肉を入れたとき、水の量が必ず鶏肉の上にくるように調節しましょう。足りない場合は水を足してください。
火が通っているかを確認するときは、モモ肉の太い部分に切れ目をいれればよいでしょう。加熱しすぎは味を落とします。火が通っていなければ、切り分けた後フライパンなどで軽く炙ってください。
本来は鶏肉丸ごと一匹を調理したものを客の目の前で捌いて提供します。が、家庭でそこまでする必要はありません。
使い終わったスープは同じ料理を作るのに使えます。香辛料を取り出して煮詰めておけば、その他の鶏肉料理の香り付けに使えます。カレーに少量加えるのもアリです。
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