単一の薬物だけを使った薬膳料理シリーズ、本日は『川軍飲│大黄ジュース』の紹介です。
名前にある川軍とは生薬「大黄」の別名で、他にも将軍、錦紋などの呼び名があります。将軍の名は“禍乱を除いて太平をもたらす”という強力な薬効から、川軍は四川省が主要な産地であることから、錦紋の名は断面に模様が浮かぶことから名付けられています。もちろん『将軍飲』や『錦紋飲』と呼んでもOKです。
「大黄」の名前を聞いたことのある多くの方の中では大黄=下剤というイメージだと思います。中医学でも瀉下薬の中でも特に攻下薬に分類され、下剤としての使い方も間違ってはいないのですが、その他に多くの作用を持つので簡単に説明しておきましょう。
中医学では「瀉下攻積」、「瀉火」、「清熱解毒」、「活血去瘀」、「利水」、「清化湿熱」というかなり多岐にわたる効能があります。おなかを押さえるのを嫌がるほどの腹部が張っている便秘にはもちろん、瀉火の作用で火邪が頭痛、眼の充血などを引き起こしたもの、吐血、喀血、鼻血などを引き起こしたものなどを治療します。また清熱解毒作用で通便を通して体内にこもった熱をとったり、活血作用を使って打撲に外用したり、湿熱の黄疸に使ったりもします。
他にもかなり広範囲にわたる抗菌作用や止血作用もあり、軟膏やシップに配合されたりもします。かなり応用範囲の広い薬物です。
体の中に熱が溜まっているなと感じる方は、この『川軍飲│大黄ジュース』を飲んでみてはいかがでしょうか?
[材料]
大黄 ……… 9g
水 ……… 600cc
[調味料]
砂糖 ……… 20g
[効能]
瀉熱毒、破積滞、行血、実熱便秘、裏急後重、暴眼赤痛、吐血、鼻血、浮腫、癰瘍腫毒、火傷など
[作り方]
1.鍋に水と大黄を入れ、弱火で25分ほど煎じる。
2.火を止めて滓を去り、砂糖を溶かして完成。
Point!
下痢や便に粘りがあるものには使いません。
砂糖は加えていますがかなり苦いので一気に飲むのがいいでしょう。
便秘に効果を発揮するには半日ほどかかりますので、寝る前に飲むのが効果的です。
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