派手な名前の鶏肉料理『覇王雞│客家風葱油鶏、覇王鶏』のレシピを紹介します。「覇王」とはなかなか大した名前ですが、作るのはとても簡単です。
レシピをみると四川料理の『口水鶏』や『葱油鶏』に良く似た料理ですが、こちらは広東や湖南の客家料理が由来になって居ます。
さて、料理名にある「覇王」の文字、もちろん強大な王を意味しているのですが、中国語で覇王といえば誰のことだか分かりますか?中国人が「覇王」と聞いて真っ先に思い浮かべるのが、「項羽と劉邦」でおなじみ西楚の項羽です。何の説明もなくただ「覇王」と言ったときは間違いなく「項羽」を指すので覚えておきましょう。「項羽」が西楚の前身である秦を滅ぼして以降、「西楚覇王」を自称したことと、その武勇が1000年並ぶものがないといわれたことから定着しました。
項羽の他に「覇王」を自称した人物は三人います。春秋時代末期越王の君主であった「勾践」、隋に反旗を翻した「薛挙」、そして唐代初期に反乱を起こした「康楚元」の三人です。どれも記録は残っていますが項羽に比べてあまりパッとしません。
客家の人々は非常に古くからの家系図を保存しており、それによると唐や宋王朝の生き残りがモンゴルの遊牧民族に追われて南に落ち延び、客家人となったとされています。いつか中原に返り咲くという覇王の夢を見ながらこの料理を作ったのかもしれませんね。
[材料]
鶏肉 ……… 半匹分
ゴマ ……… 適量
ネギ ……… 適量
[調味料]
塩 ……… 小さじ1/3
味の素 ……… 少々
ラー油 ……… 小さじ1
酒 ……… 10g
醤油 ……… 小さじ1/2
[作り方]
1.鶏肉をよく洗い、食べやすい大きさに切った後、耐熱の容器に並べる。ネギはみじん切りにしておく。
2.作り方1の鶏肉を器ごと蒸し器に入れ、強火で10分蒸して火を通し取り出しておく。器に溜まった汁は分けておく。
3.熱した鍋に調味料を混ぜたものを入れて香りが立つまで炒めたら、作り方2で取り出した汁を加えて混ぜ合わせ、作り方2の鶏肉の上にかける。ネギとゴマを散らして完成。
Point!
鶏肉は茹でても作れますが、加熱時間は限界まで減らして柔らかいまま仕上げましょう。
調味料を別にして『白斬鶏』のように盛り付けてもいいでしょう。
器の底に千切りにしたキクラゲを敷いて作ることがあります。お好みでどうぞ。
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