通常レシピのほうで“鳥”肉シリーズが続いているので、薬膳のレシピも“鳥”肉にちなんだものを紹介したいと思います。本日の薬膳料理は『銀耳鵪鶉蛋│キクラゲとウズラ卵のスープ』という清朝の王宮で皇后らに飲まれていたスープです。
キクラゲは人工栽培方法が確立されるまでは非常に高価な食材で、特に高級品とされた白キクラゲは古くは不老長寿の薬とされ、王朝時代の中国では金持ちと宮廷中の人くらいしか食べることができませんでした。
白キクラゲは中国語で「銀耳」、「白木耳」、「雪耳」などと呼び、どれもその白さを強調した名前となっております。特にその美しさを称えて「最上の菌」などと呼ばれることも。免疫機能の増強効果があり、放射線療法や化学療法などの治療中の患者に副作用低減のための食事療法のメニューとしても供されることがあります。
他にも動脈硬化、高血圧、慢性腎炎などにも効果があるとされるます。薬用効果は高いのですがこれらの疾病には効果が出るには時間がかかるため、続けてとる必要があるそうです。
ウズラの卵もその手軽さと栄養価値の高さから薬膳料理に常用される食材の一つで、特にキクラゲと組み合わせて各種の老年病に使われます。中国医学では出産後に胎盤が降りてこない時などにウズラの卵と高麗人参を組み合わせて使ったりします。
この『銀耳鵪鶉蛋』は手軽に作れて見た目も美しい薬膳料理です。日本のスーパーにある食材だけで手軽に作れるので、ぜひお試しください。
[材料]
乾燥白キクラゲ ……… 30g
ウズラの卵 ……… 20g
枸杞 ………20g
[調味料]
砂糖 ……… 25g
[効能]
清肺熱、益脾胃、美容顔。肺熱咳嗽、動脈硬化、高血圧、皮膚乾燥など
[作り方]
1.乾燥白キクラゲを水に2時間ほどつけて戻しておき、石づきを取っておく。
2.ウズラの卵を茹でて茹で卵を作り、殻をむいておく。
3.鍋に水を2000cc沸騰させ、作り方1の水で戻した白キクラゲを入れて弱火で45分煮込む。続いて枸杞、砂糖を加え更に5分ほど煮込んだら、器に入れウズラの卵を加えて完成。
Point!
ウズラの卵と枸杞の実を使わず、白キクラゲと氷砂糖だけで作ると『銀耳氷砂糖湯』という薬膳料理になります。高血圧に効果があるとされ、こちらも簡単に作れますのでお試しください。
肺陰虚の咳には蓮子や淫羊藿を、疲労による咳には粳米を、動悸があれば太子参などを配合して用います。
基本は暖かいまま飲むスープですが、夏場は冷やして飲んでもよいでしょう。ラップをかけて器ごと冷蔵庫で保存します。
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