慣れると簡単なのですが、ちょっとした包丁の技が必要な『豆腐餃│豆腐餃子』という料理を紹介します。その名の通り豆腐を薄切りにして餃子の皮にするという料理で、包丁技術を高めるためにもぜひ挑戦していただきたいと思います。まぁ、いうほど難しい料理ではありません。
あるレシピ本には北京料理、またあるレシピ本では杭州料理、またまたあるレシピ本は客家料理のカテゴリーに紹介されており、どこが本家なのかよく分からない料理でもあります(笑)。いろんな料理人がいろんな場所でひらめいたのでしょう。
さて日本で餃子といえばほぼ間違いなく焼き餃子ですが、餃子オリジナルの中国では蒸す、茹でる、焼く、揚げるなど、各地域によって調理法がずいぶん異なります。主流は茹でるか蒸すかで、日本式の焼き餃子を中国で食べるのは実は簡単なことではありません。台湾でも水餃子が主流ですが、焼き餃子好きには嬉しいことに台湾では「鍋貼」という焼き餃子が食べられます。台湾で焼き餃子を食べたい人は看板に「鍋貼」と書いてあるお店に入りましょう。
様々な調理法のある餃子はそれぞれの調理法ごとにルーツが異なり、例えば水餃子は華北の満州族の料理がオリジナルで、清の時代に全国に広まったもの。蒸したものは華南地方、今で言う広東省の料理が由来になっています。それぞれを更に遡ると小麦粉の伝来や製粉技術の発達にまで言及しなければなりません。これはこれでなかなか面白い話題なのですが、またの機会にしておきましょう。
日本では一口に餃子と言いますが、中国では時代や地方によって呼び方がぜんぜん違います。台湾で食べられる餃子類似料理の表記をざっと抜き出してみても、「餛飩」、「燒賣」、「扁食」、「抄手」、「鍋貼」など様々です。それぞれ元になっている料理の地方が違うのですが、皆さんはお分かりですか?さらに中華圏の他の地方に行くと、「煮角」、「饅頭」、「箍紮」、「子孫餑餑」など、もはや知らなければ何を表しているのやさっぱりの呼び方もあります。ちなみにインドネシア・マレー語では「扁食」に由来する Pangsit、ベトナム語では「餛飩」に由来する Vằn thắn、または hoành thánh、韓国語では「饅頭」に由来する 만두(マンドゥー) と呼びます。インドネシアでは揚げ餃子やスープ餃子、ベトナムではスープ餃子、韓国の中華料理店では揚げ餃子が主流です。
地域によっては日本の米のように主食として食べられる餃子、今回紹介するレシピは皮を豆腐で作っているため主食にはなりませんが、いつもの餃子とは違う美しい特別な料理が出来ます。ぜひ挑戦してみてください。
[材料]
絹ごし豆腐 ……… 1丁
豚ひき肉 ……… 200g
ショウガ ……… 10g
ネギ ……… 10g
ニンニク ……… 10g
卵 ……… 半個
コーンスターチ ……… 大さじ1
中華スープ ……… 200cc
[調味料1]
塩 ……… 小さじ1/2
砂糖 ……… 小さじ1/4
[調味料2]
塩 ……… 小さじ1/4
味の素 ……… 小さじ1/4
片栗粉 ……… 小さじ1/2
ごま油 ……… 少々
[作り方]
1.豚ひき肉に調味料1の塩、砂糖を加えよく練り合わせた後、すりおろしたショウガ、ネギ、ニンニク、卵、コーンスターチを加えてよく混ぜる。
2.絹ごし豆腐の水気をよく切り、平たい面を包丁で厚さ3-5mmほどの薄さに切る。正方形に豆腐が切れたら、作り方1の肉餡を小さじ1取って中心に乗せ、対角線で三角形に折りたたみ耐熱の容器に並べておく。
3.作り方2の豆腐餃子を容器ごと蒸し器に入れ、強火で10分ほど蒸す。
4.鍋に中華スープを沸騰させ、調味料2の塩と味の素を加えて味を整える。火を止めてから少量の水で溶いた片栗粉を加えとろみを付け、作り方3の豆腐餃子の上からかけたら、最後にごま油を少量振りかけて完成。
Point!
豆腐の皮はそれほど薄さを追求する必要はありません。豆腐の硬さにもよりますが、肉を挟んで折っても割れない程度の厚さがあれば充分です。
普通の餃子のように焼けません。必ず蒸してください。
ソースは好みで野菜を入れたり、醤油ベースに変えたり色々アレンジしてください。
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