熱炒店の人気メニュー『炒蘆筍│台湾風アスパラ炒め』のレシピを紹介します。家庭料理としても定番のメニューです。簡単です。
熱炒店で通常『炒蘆筍』 といえば、シイタケと一緒に炒めたものか、このレシピのようにニンニクと一緒に炒めたものに大別されます。シイタケを使う場合は軽くとろみを付けるとおいしいです。
さて、アスパラガスと台湾には深い歴史的なつながりがあることをご存知でしょうか?国民党政府は遷台後、台湾全土の農業開発を最優先課題とし、パイナップルやパッションフルーツなどの熱帯果実の商業栽培に成功しました。これらの果実が当時の世界市場を席巻したのはご存知のとおり。今でも台湾といえば南国果実を思い浮かべるのは、当時の印象があまりにも強かったせいでしょう。この時、台湾では大規模に栽培が始まった南国の果実に混ざってアスパラガスの商業栽培にも成功します。
1970年代終わりには総栽培量12万トン、台湾製のアスパラガス缶は世界のどこでも見かけることのできる大ヒット商品となりました。台湾のアスパラガスはパイナップルやバナナと並び外貨獲得の主要品目となります。当時の台湾は「アスパラ王国」とも呼ばれ、台湾製アスパラガスはまさに一世を風靡するのです。日本にも相当量輸入されていたはずなので、当時のことを覚えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そんなアスパラガスですが、人件費の上昇や台湾ドルの上昇の影響を受け、80年代から急速に生産量が減り、今ではすっかり零落産業となってしまいました。生産量は全盛期の10分の1ほどに縮小し、輸出量も激減しています。いわゆる「新興国のジレンマ」にまんまとはまってしまった形です。その後マザーボードや自転車など、新たな分野で国内経済を盛り返し「アジアの四龍」と呼ばれるようになりますが、当時世界を驚かせたアスパラガス産業は復活することはありませんでした。
と、そんな歴史を持つ台湾とアスパラガス。アジアの経済史と料理には、時々こうした深いつながりがあるので面白いところです。
[材料]
アスパラガス ……… 200g
ニンニク ……… 1個
水 ……… 180cc
[調味料]
固形ブイヨン ……… 少々
塩 ……… 少々
[作り方]
1.アスパラガスをよく洗い、食べやすい長さに切る。ニンニクの皮をむき、包丁の腹で叩いて潰した後、みじん切りにする。
2.熱した鍋に大さじ1のサラダ油(分量外)をひき、ニンニクを炒めて香りを出したら、アスパラガスを加えて強火でいためて火を通す。
3.アスパラガスに火が通ったら、水、塩、固形ブイヨンを加え、強火で3分ほど煮込む。
4.アスパラガスの芯まで火が通ったら、水気を切って器に盛り付けて完成。
Point!
最初から最後まで火は強火です。
アスパラガスは火を通しすぎると黄色く変色します。きれいな緑色を維持するため、炒めて火が通ったら、すぐに水を入れましょう。
アスパラガスを煮込んだ水は器には盛り付けません。もったいないと思うならとろみをつけてソースにしましょう。
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