昨日までのモダン客家料理シリーズ、楽しんでいただけましたでしょうか?
ちょっと筆者も気分転換したいので、本日は珍しい薬膳料理を紹介したいと思います。
「子供のおねしょ」を中医学では「小児遺尿」といい、台湾では漢方薬を使って治します。おねしょは大きくなれば自然と治るものですが、台湾ではどうも親心が働いてしまうようです。今回はそんなおねしょに効く薬膳料理を三種類紹介したいと思います。タイトルはおねしょの薬膳ですが、それぞれのタイプに当てはまる大人が食べても効きます。そういうもんです。
さて、以下に三種類の薬膳料理を紹介しますが、それぞれ治療するおねしょのタイプが異なります。
一つ目の『蓮子粉粥』は肺脾気虚タイプのおねしょを、
二つ目の『山萸韭菜飲』は腎気不足タイプのおねしょを、
三つ目の『李子茶』は肝経湿熱タイプのおねしょをそれぞれ治すとされます。
肺脾気虚タイプのおねしょは、おねしょはするけど尿の量が少なく、疲れていて、食慾不振、大便も柔らかく、指紋が薄いという元気のない子供によくあるおねしょです。
腎気不足タイプのおねしょは、一晩に何度もおしっこを漏らしてしまい、目が覚めてもまた寝てしまう、反応が鈍く、手足が冷え、足腰が弱いという子供のおねしょです。
最後の肝経湿熱タイプのおねしょとは、おしっこが黄色く、歯ぎしりし、唇や顔が赤く、ヒステリックな傾向のある子供のおねしょです。
詳しくは脈や舌苔の色などからも判断するのですが、今回は普通のお母さんが日本でも判断できるようその辺は省略しました。なくても大体のタイプは分かると思います。
どれも簡単に作れるようアレンジしていますので、子供のおねしょに悩むお母さんは参考にしてください。
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蓮子粉粥│蓮子粥
難易度:☆ 調理時間:1時間以内
まずは肺脾気虚タイプのおねしょを治す蓮の実入りのお粥から。消化にも良く、食べ物の栄養分を全身に運行させる脾気を益す蓮子と白米を組み合わせたシンプルなお粥です。風邪を引いて食欲がないという時にもおすすめです。
[材料]
蓮子 ……… 20g
米 ……… 100g
[調味料]
塩 ……… 適量
[作り方]
1.蓮子を砕くかすりつぶし、米と一緒に炊飯器に入れて適量の水を足してスイッチオン、アラームがなったら適量の塩を加えて完成。
Point!
一日一回食べれば十分です。
蓮の実は包丁の腹などで砕いて使います。そのまま使ってもいいのですが、小さな子供の口では食べにくいと思います。
いまひとつ元気がないなという方は高麗人参を5-10g加えて同じように粥を作りましょう。
料理名は「れんしがゆ」 と読んでください。
山萸韭菜飲│山萸韮菜飲
難易度:☆ 調理時間:30分以内
子供ながら明らかに疲れているように見えるなら、この腎気不足気味のおねしょの可能性が高いでしょう。腎気を補う「山茱萸」という生薬を使います。これが中国なら先日紹介した犬肉やスズメを食べさせたいところですが、日本ではなかなかそうは行きません。薬にも社会性というものがあるのです(笑)。
山茱萸が手に入らないという人は、ニラのお茶だけを飲ませても効くと思います。慣れると結構美味しく飲めます。
[材料]
山茱萸 ……… 15g
ニラ ……… 30g
水 ……… 300cc
[作り方]
1.山茱萸に水を加えて20分ほど弱火で煮込んだ後、ニラを加えて1-2分沸騰させる。網などで漉して完成。
Point!
食事のときにお茶の代わりに飲みます。
料理名は「さんゆきゅうさいいん」 と読んでください。
李子茶│李子茶
難易度:☆ 調理時間:一瞬
泣く、喚く、ねだる、暴れる、そういうヒステリックな子供のおねしょにはこちら。スモモを使ったお茶はいかがでしょうか?ヒステリックな子供には酸っぱくて苦いものを与えましょう。
[材料]
生スモモ ……… 150g
緑茶 ……… 2g
蜂蜜 ……… 25cc
水 ……… 400g
[作り方]
1.スモモの皮をむき、適当な大きさに切って鍋に入れ、水を加えて3分煮込む。茶葉と蜂蜜を加えて沸騰させ、お茶を漉しとって完成。
Point!
これを1日二回に分けて飲ませます。
たぶん…、梅干や桃の実を使っても似た様な薬膳茶が作れるはずです。若干作用は異なるのですが日本ではスモモが手に入れにくいので、梅干や桃を使った方が簡単に作れると思います。
料理名は「りしちゃ」 と読んでください。
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