本日の料理は『雞絲燕菜│燕の巣モドキと鶏肉のスープ』という驚きの料理です。高級中華の一つ「燕の巣」を驚きの材料と方法で再現します。
もともと菜食主義者むけに鶏肉も燕の巣も全部野菜で再現する『素雞絲燕菜』という料理があるのですが、今回はその燕の巣の作り方だけまねして残りはオリジナルの肉類とスープで作ってしまおうという作戦です。
さて本物の「燕の巣」はどのように作られるかご存知でしょうか?燕の巣、即ち「燕窩」はツバメではなく、アマツバメという鳥(とその仲間)の巣を乾燥させたものです。アマツバメと名前にこそツバメが入っていますが、われわれがよく知るツバメとは割と遠縁の動物で鳥類の中でも空中生活に非常に特化した一群です。アマツバメ科の鳥は繁殖期以外ほとんど地上に降りてきません。睡眠すら空中で取ってしまうそうです。
このアマツバメ科の鳥は唾液を固めて巣をつくり、ヒナを育てた後の巣は再利用されることはありません。この巣を採取したものが燕窩、つまりわれわれがよく知る高級食材燕の巣なのです。ときどき海藻を唾液で固めたものと信じている人がいますが、燕の巣はほとんど唾液のみで作られ海藻は含まれません。
近年の研究によって燕の巣には各種サイトカイン、免疫グロブリン、インターロイキンなどの生理活性物質が豊富に含まれることが分かりました。古くから言われてきた美容に対する効果が近代科学によって証明されたのです。採取に非常に危険が伴うことと流通量の少なさから100gで数万円もする高級品ですが、台湾で買うと日本よりもかなり安く手に入ります。デパートの地下などで売っているので、お土産にすると喜ばれでしょう。調理も水につけて戻すだけなので比較的簡単です。
今回の料理はこの燕の巣を野菜で再現します。非常に簡単で、見た目も美しく、高級感も味わえますのでぜひお試しください。
[材料]
鶏胸肉 ……… 200g
ダイコン ……… 300g
中華スープ ……… 500cc
[調味料]
塩 ……… 小さじ1/2
味の素 ……… 小さじ1/2
胡椒 ……… 小さじ1/2(適宜増減)
片栗粉 ……… 200g
[作り方]
1.ダイコンの皮を剥いてできる限り細く糸状に切る。片栗粉をまぶし沸騰したお湯で茹でて火を通し『素燕の巣』を作る。これを器の底に入れておく。
2.沸騰したお湯で鶏むね肉を茹でて火を通し、糸状に裂いておく。できたら作り方1の燕の巣の上に適量を乗せておく。
3.鍋に中華スープを沸騰させ、味の素、塩、胡椒で味を整え、素燕の巣と鶏肉を盛り付けた器に注いで完成。
Point!
ダイコンは細く、細く切りましょう。また片栗粉はまんべんなくまぶしてください。よく水気を切った糸ダイコンを片栗粉と共にビニール袋などに入れ振り混ぜるとよいでしょう。ダイコンはほぼ一瞬で火が通ります。パラパラとほぐすようにして鍋に入れ、片栗粉が透明になったら一息待って取り出してください。本格的に作る場合は、低温の油で「一瞬揚げて」から、湯通しします。お湯に浮かぶ油をすくい取る手間がかかるので、家庭ではここまで真似する必要はありません。
鶏胸肉も可能な限り細くほぐして下さい。千切りにしたハムでも代用できます。
中華スープ以外にも、チキンスープや和風だしも合います。魚介類のスープとも相性がいいのでいろんなスープで試してみて下さい。
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