ケイチク(桂竹)とは福建省に生えるタケの一種で、マダケに似ますが直径は7-8センチとそれほど太くはならず、若い桿が白い粉を帯びるのが特徴です。材質は強靭でしなやか、苗栗の地域では客家の人々が加工して竹細工にも用いられます。
この植物を命名したのは植物学をすこしでもかじったことのある人なら誰もが名前を知っている「牧野富太郎」博士、そして命名者は「早田文蔵」博士という二台巨頭。牧野が1896年の台湾採取旅行で発見し標本を作製していた者を、後に早田が発表したものです。早田も台湾総督府の命を受けて台湾に植物調査に訪れており、そのときに発見された植物も数多くあります。正式な学名をPhyllostachys makinoi Hayata といい属名に牧野、発見者名に早田の名前が並んでいます。
このケイチクのように牧野と早田両名によって発見された植物は30種類ほどあります。
ケイチクは古くは台湾に特有の植物だと考えられていましたが、近年福建省でも発見され福建・台湾両省にまたがる植生を持つことが分かりました。福建省では昔から食材として食べられていたようですが、植物学的な発見が遅れていたようです。
苗栗地区で古くから竹細工を作っていた客家の人々は、このケイチクを使った料理を多数開発しました。現在でも客家料理ではとても良く使う食材の一つです。残念ながら日本で手に入れることはできません。大きさ以外は普通のタケノコと食感が似ているので、日本では普通のタケノコで代用してください。
難易度:
☆
調理時間:
30分以内
材料:
ケイチクタケノコ ……… 200g
(通常のタケノコで代用する)
豚肉 ………80g
ニンニク ……… 2個
水 ……… 100cc
調味料1:
塩 ……… 小さじ1/4
片栗粉 ……… 小さじ1/2
調味料2:
味噌 ……… 大さじ1
醤油 ……… 小さじ1
作り方:
1.ケイチクタケノコは短冊切りにする。ニンニクはみじん切りにする。
2. 豚肉を糸状に切り、調味料1と混ぜ合わせておく。
3.熱した鍋に適量のサラダ油(分量外)を加え、ニンニクを炒めて香りを出す。続いて作り方2の豚肉を色が変わるまで炒めて火を通し、続いて味噌を加えて混ぜながら肉と絡める。醤油と水を加え沸騰したら、作り方1のケイチクタケノコを入れて弱火で汁気がなくなるまで煮込んで完成。
Point:
ケイチクのタケノコは直径が数センチしかないので輪切りにして作っても食べられるのですが、日本のタケノコは大きすぎるので無理です。縦に千切りにしましょう。
味噌を豆板醤やトウチなどの大豆を使った調味料に変えると、様々な味を楽しめます。すこし甘い方が美味しいかもしれないので好みで砂糖を足してください。
トウガラシを少量加えて肉抜きで作ると『炒桂竹筍』という小菜料理になります。これも十分美味しいので、肉がないときはお試しください。
こちらが桂竹の筍。普通は先端部に黒い皮を付けたまま売ってます。
0 件のコメント:
コメントを投稿