この「素鰻魚」 はきちんと作ると本物の鰻と区別ができないほどの食感と味になり、日本でも多くの料理本や料理漫画で紹介されています。今回はその簡易版を作ってみることにしましょう。
以前も紹介したように人口の10%が菜食主義者である台湾ですが、これらは主に宗教的理由からであるのはご存知のとおり。台湾では通常の仏教(臨済宗と曹洞宗がほとんど)のほかに、齋教(斎教)と呼ばれる菜食主義を追求する宗派が有ります(厳密に言えばきちんとした教義があるのですが、難しすぎるので分かりやすく書いています)。菜食主義をとることから「菜教」などと呼ばれることも有ります。彼らの集会所は齋堂(菜堂)と呼ばれて、定期的に集会を行います。台湾の各所にある普通の寺や廟とは少し毛色が違うので普通の観光客はまず縁のない場所です。
主なものに龍華、金幢、先天の三派があり、同じ宗派の人を「菜友」と呼んでお互いに助け合うことを信条としています。仏教の一派なのですが、冠婚葬祭のときはこの菜友がお経を読むなど仏教とはすこし違った習慣で生活します。特に戒律の厳しい龍華派は菜友の紹介以外では入会できず、菜食主義も非常に厳密に行うのが特徴ですが、それ以外の緒派はわりと戒律がゆるいので、時々肉を食べる人もいるようです(本当はダメなんですが…)。
齋教の人々は在家して通常の職に付いているのが特徴なので、一見普通の人と見分けは付かないのですが、一緒に食事をすると一発で分かります(笑)。普通の仏僧はお寺で食事をすればいいのですが、在家の齋教の信者は街中で食事を取らざるを得ません。というわけで、台湾には街中いたるところに素食のレストランがあるのです。もちろん普通の人も入れます。興味があれば旅行時に台湾の素食を味わってみましょう。
時には肉を超えるような味と食感の料理が登場する台湾の素食。今回はその玄関先の呼び鈴を押すくらいまででしょうか。湯葉があれば簡単に作れますのでぜひ挑戦してみてください。きちんと作ると食感は本物の鰻と変わらないように作れます。流石に食べると分かりますけどね(笑)。
難易度:
☆☆
調理時間:
30分以内
材料:
湯葉 ……… 3枚(3切れ)
海苔 ……… 3枚
小麦粉 ……… 適量
水 ……… 適量
調味料:
醤油 ……… 大さじ1
味醂 ……… 大さじ1
酒 ……… 大さじ1
塩 ……… 少々
胡椒 ……… 少々
作り方:
1.海苔下から2/3くらいまで湯葉を広げ、塩と胡椒をすこしだけ振っておく。
2.湯葉を置いた方から海苔を巻く。巻き終わりに小麦粉を水で溶いたものを塗って糊にし、最後まで巻き上げる。
3.蒸し器で5分ほど蒸し、食べやすい大きさに切ったら、適量の油(分量外)で1分ほど揚げる。切り口の湯葉がきつね色になったら取り出しておく。
4.熱した鍋にごく少量の油(分量外)をひき、醤油、味醂、酒を加えて沸騰させたら、作り方3の湯葉巻きを入れて軽く混ぜ合わせたら完成。
Point:
作り方1で湯葉に振る塩と胡椒が味の決め手です。塩を振りすぎると塩辛くなるので、湯葉の風味が楽しめる程度のごく少量をぱっと振るくらいにしましょう。
胡椒を山椒粉に変えるとぐっと和風の味付けになります。
これだけだと真っ黒で見た目が悪いので、色のよい野菜を添えるなどして出しましょう。
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