第一首 上上
天開地闢結良緣日吉時良萬事全
若得此籤非小可
人行中正帝王宣
意訳:
天開地闢結良緣
これは天を開き地を闢くよい時期である。
日吉時良萬事全
吉祥の時分であり、各種の条件は全て整っている。
若得此籤非小可
この籤を引き当てたのはすごいことだ。
人行中正帝王宣
正しい行いをしていれば、帝王からも声がかかるだろう。
説明:
この一番籤は天王籤とも呼ばれ、
あらゆる祈願の中でも特に王となれる運勢を示す最高の籤といわれています。
事業を行っているのならますます発展し、投資を行っているなら利益は増え、
政治的な地位はどんどん高まります。
各分野で王となる資質と条件が備わったという正真正銘の当たり籤です。
故事:
宋太祖黃袍加身
鍾離成道
第二首 中
鯨魚未化守江湖未許升騰離碧波
異日崢嶸身變態
從教一躍禹門過
意訳:
鯨魚未化守江湖
事情は未だ熟しておらず、今の地位を固めるべきだ。
未許升騰離碧波
上を目指すために今の立場を捨てる時期ではない。
異日崢嶸身變態
時がたてばあなたは成長し、条件も変わる。
從教一躍禹門過
その時まで己を磨き、門をくぐり檻を破る時期を待つのだ。
説明:
鯨は魚類(哺乳類ですが、籤では魚の一種です)の王とされますが、
それがまだ未成熟だという意味です。
大海の嵐や大波に泳ぎだすには時期尚早、
今の位置(江湖)を守る方がよいということを表しています。
ひとたび成長が終われば王となる資質を持っているのだから、
今の場所で成長と時期を待てという籤です。
故事:
姜太公渭水垂釣
蘇秦不第
第三首
衝風冒雨去還歸役役勞身似燕兒
啣得泥來呈疊後
到頭疊壞復成泥
意訳:
衝風冒雨去還歸
苦難の中を行ったり来たり。
役役勞身似燕兒
日々苦労する燕に似ている。
啣得泥來呈疊後
泥を塗り固めて巣を作り上げでも、
到頭疊壞復成泥
最後にはまた泥に戻ってしまうだけだ。
説明:
「燕子築巣」という故事に例えられる無情の籤です。
雨風の中を飛び回って巣を作る燕の苦労と、
苦労して作り上げた巣がまた泥に帰ってしまう様を表しています。
今の努力がすべて徒労に終わることを示唆しており、
他人に手柄を横取りされたり、意味のないことを繰り返していたり、
かといって手を抜くことも許されないという厳しい現状を暗示しています。
故事:
燕將獨守聊城
昌國君獨守聊城
董永葬父
第四首 中中
菱花鏡破復重圓女再求夫男再婚
自此門閭重改換
更添福祿與兒孫
意訳:
菱花鏡破復重圓
菱形の鏡が割れて修理したら丸くなった。
女再求夫男再婚
喧嘩別れした夫婦もたびたび再婚する。
自此門閭重改換
この裏庭も一度、崩して新しく建替えたものだ。
更添福祿與兒孫
このようにして福と子孫は増えていくのである。
説明:
「破鏡重円」という故事に例えられる籤です。
壊れたら直す、別れたらまた仲直りする、
失ったら取り返す、まさに「人生そんなもの」いう暢気なくじです。
数々の損失や後悔を乗り越えて、
現在のわれわれの繁栄があることを教えてくれます。
故事:
長樂老歷相五代
玉蓮會十朋
第五首 中平
一鋤掘地要求泉努力求之得最先
無意俄然遇知己
相逢攜手上青天
意訳:
一鋤掘地要求泉
最初の一鍬で井戸を掘り当てる。
努力求之得最先
いや、まずは何度も努力してみるのが先だろう。
無意俄然遇知己
理想のパートナーともいつ出会えるか分からない、
相逢攜手上青天
しかしそういう人と手を携えてようやく成功できるのだ。
説明:
功をあせることの無意味と、継続の力、
そして偶然の出会いがいかに大切かを説いている籤です。
日本の諺「急いては事をし損じる」 や「合縁奇縁」などとも通じるなんとも深い籤です。
故事:
燕昭王為郭隗築黃金臺
劉晨遇仙
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