本日は「中餐丙級證照」シリーズから『椒鹽鱸魚塊│スズキの中華風フライ』のレシピを紹介します。魚を使った料理は久しぶりですね。
「鱸」と書いてスズキを表すのは中国語でも日本語でも同じです。他にもすし屋さんの湯飲みに書いてあるほとんどの魚偏の漢字はそのまま中国語でも同じ魚を表します。実際にその漢字が書けるかどうかは別として、違う点が一つだけ。
中国語の発音は一文字で表せる音は400個ほど(たしか405個?)。四声を入れても1600種類くらいしかないので、これだけで意味の分別をしようとすると、膨大な量の同音異義語が生まれてしまいます。特に同じカテゴリーに数百、数千も異なる種類のものがあり、それぞれを分別する必要があるもの、例えば植物や魚などは必然的に二音節以上のものが多くあります。
日本語の場合は「鱸」一文字でスズキと訓読みするので、鈴木さん以外と間違うことはほぼありませんが、中国語の場合、旁部分の「盧(人の姓、韓国のノ・ムヒョン元大統領の姓もこれ)」の音を借りてきただけなので「蘆(アロエ)」なのか「爐(火を燃やす場所)」が音だけでは区別できません。(…たしか…全部同じ発音だったはず…。)
会意形声文字…でしたっけ。中国語を勉強していくとどうしても偏と旁の謎にぶち当たるので、興味がある人は「右文説」や「単語家族論」などを勉強してみましょう。結構面白いですよ。
というわけで中国語、特に台湾華語では多くの場合の魚を表す漢字のあとに「魚」の字をつけて魚の名前であることを強調します。今回の場合は「鱸魚」の二文字でスズキの意味ですね。他にも「鮭魚」、「鯰魚」、「鯖魚」、「鱈魚」などたくさん同系の表記があります。 中国大陸の方だと、また別の方法で魚や植物を分別したりしますが、なにぶん広い国なので場所によって手法にかなり違いがあります。
さて、難しい話は置いといて、今日の料理に使う魚はスズキです。非常に魚らしい体つきをしているので、さばき方の教材としてうってつけだといわれている魚です。スズキがさばければ他の魚も同じやり方で何とかさばけるので、技術を覚えておいて損はありません。スズキの裁きかたに関して非常に良い外部ページを見つけたので、紹介しておきます。(→)
ちなみに台湾の家庭で台所を借りて魚をさばくと「お前はどこで修行した料理人なのか?」と驚かれます(笑)。台湾でも魚をたくさん食べますが、家庭での調理はぶつ切り調理が基本だったりするので、魚のさばき方を知っている人は料理人に見えるようです。ちょっといい気分になれますので、ぜひスズキのさばき方をマスターして、台湾の友人宅を訪れてみましょう。
それではレシピいきます!
難易度:
☆☆
調理時間:
30分以内
材料:
スズキ ……… 1匹
ニンニク ……… 3個
唐辛子 ……… 1本
ネギ ……… 1本
ショウガ ……… 10g
調味料1:
塩 ……… 小さじ1/4
酒 ……… 小さじ1
調味料2:
塩 ……… 小さじ1/4
味の素 ……… 小さじ1/4
胡椒 ……… 小さじ1/2
調味料3:
片栗粉 ……… 大さじ3
小麦粉 ……… 大さじ3
作り方:
1.ネギは良く洗い、段切りにする。唐辛子は種を抜き、幅1-2mmに輪切りにする。ショウガは皮を向き、薄切りにする。
2.スズキを三枚におろす。身の部分をそれぞれ三等分に切り、調味料1につけておく。(スズキのさばき方はこちらに詳しいです(別サイト)。(→Point参照)
3.調味料3を良く混ぜ合わせ作り方2の身に満遍なくまぶしておく。
4.揚げ物油を鍋に入れて160度に熱し、作り方3で衣をまぶしたスズキの身を8-10分揚げる。(→Point参照)
5.少量の油で炒めて香りを出したニンニクと、段切りにしたネギ、唐辛子、ショウガを調味料2と混ぜ合わせる。これを揚げたスズキの身に振りかけて完成。
Point:
台湾ではスズキの身は三枚におろさず、中骨ごとぶつ切りにしてフライにすることが多いようです。おろすのが面倒くさい方はウロコを取ってから、ぶつ切りにして調理してください。
作り方2で3枚に降ろした中骨(及び頭)部分を素揚げにするか、衣をつけて揚げ、身と一緒に器に盛り付けてもいいでしょう。カマや中骨部分にもすこし身があるのでお好みでどうぞ。
スズキは魚をおろしたり、さばいたりする練習に非常に最適な魚です。スズキのさばき方を覚えて、あらゆる魚に対してその技術が応用できます。ちなみに台湾の「中餐丙級證照」コースでは、ほとんどの魚料理をぶつ切りで作ります。どうやら魚のさばき方までは勉強しないようです。
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