本日は人気の湘菜から『鐵盔將軍鴨』または『乾鍋將軍鴨』のレシピを紹介します。揚げた鶏肉をビールとその他の材料と一緒に煮詰めて作る料理で非常に香り高く、食欲をそそる料理です。料理名は毛沢東がこの料理を愛したことから名付けられています。
湘菜を代表する名菜の一つで当地ではなかなか知名度の高い料理なのですが、日本ではほとんど紹介されたことがありません。正確には生まれて一年以内の若鴨をまるまる一匹鉄鍋で調理するという決まりがあるのですが、ここではあまり気にせず作ります。日本語のグーグルではこの料理が検索結果に引っかからないので、日本語でのレシピの公開はおそらく本邦初ではないかと思います。日本にいればほとんど食べる機会のない料理ですので、是非是非挑戦してみてください。
ちなみに四川省にも『啤酒鴨』という類似の料理があり、ビールと唐辛子の量以外ほとんど作り方は変わりません。この料理を作ってみてもう少し香りが強くても大丈夫という人は、『啤酒鴨』にも挑戦してみましょう。アルコール分は完全に飛んでしまうので子供やお酒嫌いな人も食べられます。
調理手順が多く時間もかかりますが、出来上がりは絶品です。調理時間も炒めている時間が長いだけで、後は煮詰めるだけなのでそれほど手間はかかりません。
普通の鶏肉でも作れると思うので、飲み残しのビールを捨ててしまうくらいなら、この料理に挑戦してみましょう。最後の煮込みの部分は圧力鍋があればかなり時間が短縮できると思います。手元にある方は試してみてください。
難易度:
☆☆☆
調理時間:
3時間
材料:
若鴨肉 ……… 1匹分(1.5kgほど)
唐辛子 ……… 3-5本
生姜 ……… 30g
乾燥唐辛子 ……… 30g
ネギ ……… 1本
ニンニク ……… 1個
豆腐 ……… 半丁
豆板醤 ………大さじ2
(テンメンジャンでも代用可能)
調味料:
酒 ……… 100cc
ビール ……… 100cc
作り方:
1.鴨肉は頭、手羽先、もも肉を切り分け、その他の部位は3cmほどのぶつ切りにする。内臓はよく洗い食べやすい大きさに切る。生姜はスライスにする。ニンニクはみじん切りにする。ネギはよく洗い(太ければ縦に切って)結んでおく。唐辛子は半分に切る。
2.鴨肉の頭、手羽先、もも肉、水かきなどの大きな部分を油で揚げて軽く火を通す。
3.熱した鍋に大さじ4の油(分量外)をひき、鴨の手羽先、もも肉、水かきなどの大きな部分をきつね色になるまで炒める。これらに火が通ったらぶつ切りにしたその他の部位も加えて火を通す。
4.鍋の周辺に沿うように酒をふりかけ、蓋をして酒の匂いを鴨肉に移す。
5.酒を煮詰めて水分がほとんどなくなったら、豆板醤を加えよく絡ませながら炒める。その他部位の鴨肉も表面がきつね色になるまで15分ほど炒め、全部に火が通ったら取り出しておく。
6.鴨肉を取り出した鍋に生姜、ニンニク、干し唐辛子を入れ炒めて香りを出したら、唐辛子を加える。作り方5で取り出した鴨肉を加えよく混ぜ合わせたら、100ccのビールを加えて煮詰めていく。水面が鴨肉の2/3の高さを維持するように適宜水を加えながら蓋をして2時間煮込む。
7.食べる直前に蓋を取って強火で煮詰めて水気を飛ばし、ほとんど水気がなくなったら完成。
Point:
あれこれと手間がかかる料理ですが、とても香り高い料理ができます。この料理は中華では珍しく強火での調理をほとんど行いません。じっくりと弱-中火で炒め、煮込んで作る料理ですのでどうしても時間がかかります。
鴨肉は内臓、頭、水かきまですべて余すところなく使います。日本ではなかなか難しいので、手に入る部位だけで作ってみてください。普通の鶏肉でも同じ作り方で作れます。
作り方6でビールを加えるとき、100ccではなく500ccくらいを加えて作ると四川省の『啤酒鴨』という料理になります。一度この料理を作ってみて香りを気に入ったらこちらにも挑戦してみましょう。
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