本日はごく普通の台湾家庭料理です。名前の「三鮮」とは三種類の海鮮の意味で、中国語ではメニューによって違いますが、今回は「透抽/花枝/蝦仁」の三つを使って調理します。ちなみに「烏賊/牡蠣/蝦仁」で三鮮とする場合もあります。
さて、「透抽」も「花枝」も両方ともイカの仲間ですが、実は台湾にも両者の区別ができない人が多数います。台湾の市場に行けば分けて売られているので買うのは簡単ですが、ついでに覚えておきましょう。簡単に言えばコウイカとヤリイカの違いです。
中国語を勉強している人以外にはあまり役立たないと思いますが、ついでなので中国語(台湾華語)の「イカ」を表す言葉について学びましょう。
中国で食用に用いる「イカ」をあらわす単語は「魷魚」、「花枝」のほかにも「透抽」、「小卷」、「中卷」、「烏賊」、「軟絲」、「鎖管」などがあります。タコをあらわす「章魚」との区別は容易ですが、これだけ種類があると覚えるのも大変です。
まず「小卷」、「中卷」は「鎖管」の幼体、亜成体のことで、成長段階で分けます。この「鎖管」の別名を「透抽」といいます。いわゆるヤリイカの仲間のことを指します。料理では「小卷」、「中卷」、「透抽」の字を使うことが多く、「鎖管」の字がが使われるのは稀ですが、学術的には「鎖管」の方が一般的です。「鎖管」は細長い円錐形の胴部を持ち、胴の中ほどからヒレがあります。足は10本で内2本は他と比べて長いのが特徴です。細かい分類はありますが、「透抽」、「小卷」、「中卷」、「鎖管」は同じものだと考えておけばいいわけです。下の図を参考にしてください。
学名:Loligo chinensis
台灣鎖管
続いて日本のイカと同じ漢字を使う「烏賊」です。台湾ではいわゆるコウイカの仲間を指し、別名を「花枝」といいます。胴部に固い甲を持ち、皮に色を持つものが多いのが特徴です。市場で見かけたら、上記「鎖管」との区別は簡単です。下の図を参考にしてください。
学名:Sepia esculenta
真烏賊
「魷魚」はイカ類全般を指す単語です。大体分かりましたか?ヤリイカが「透抽」、コウイカが「花枝」で、刺身でも食べられる柔らかいのが「軟絲」です。
また小難しい話でしたが、そろそろレシピいってみましょう。ヤリイカとコウイカを二種類使うことで、歯ごたえに差をつけているのがポイントです。調理は極簡単なので、パパッと作ってみましょう。
間違っている点があればコメントかメールで指摘してください。 間違えて…?ないよな…?
難易度:
☆
調理時間:
一瞬
材料:
コウイカ ……… 1匹
ヤリイカ ……… 1匹
エビ ……… 50g
ピーマン ……… 1個
ニンニク ……… 3個
タマネギ ……… 半個
乾燥唐辛子 ……… 2本
調味料:
砂糖 ……… 小さじ2
酒 ……… 大さじ2
オイスターソース ……… 大さじ2
(なければ醤油で代用)
酢 ………大さじ2
ごま油 ……… 少々
作り方:
1.熱した鍋に油(分量外)をひき、みじん切りにしたニンニクを炒めて香りを出す。切り分けたタマネギ、ピーマン、乾燥唐辛子を加えて強火でサッと炒める。
2.ヤリイカ、コウイカを食べやすい大きさに切り、鍋に加える。酒、オイスターソース、酢、砂糖を加え混ぜながら火を通す。
3.エビを加え、火が通ったらごま油を振りかけて完成。
Point:
エビやイカの大きさにもよりますが、最初から最後まで強火で5分ほどで調理は終わります。火を通しすぎて身が硬くならないようにしましょう。
イカは切り方によっては飾り包丁を入れてください。
これにキクラゲを足し、『木耳炒三鮮』という料理にしても美味です。
サヤエンドウや、シイタケ、タケノコなどを加えてもよいでしょう。
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