番茄桂花釀│ミニトマトの桂花ソースかけ

難易度:☆ 調理時間:数日
台湾の家庭料理『番茄桂花釀│ミニトマトの桂花ソースかけ』のレシピを紹介します。皮をむいたプチトマトに『桂花醤』というギンモクセイの花で作った甘酸っぱいソースをかけた料理です。素晴らしい香りのするサラダで、そのほかのフルーツサラダにも応用できます。調理時間の大半はソースに漬けておく時間です。

桂花醤』の作り方はこちら。

台湾のトマト産業は少々複雑な様相を呈しています。20年ほど前に台湾でトマトの需要が高まったときは、アメリカ産の品種のトマトが抗病性に優れ、輸送中も傷みにくく、しかもおいしいという特徴を武器に瞬く間に台湾市場を席巻しました。大体こういうのは「台湾でトマトの需要が高まった」から「アメリカの品種が入って来た」わけではなく、「アメリカの品種のトマトを売りたい」ために「台湾でトマトの需要を高めた」と考えるのが自然です。その後台湾の農業界では様々な新種トマトを開発しましたが、アメリカの品種のトマトに置き換わることができませんでした。ブルーオーシャンを自ら作り出すアメリカの農業界の貪欲さもすごいですね。

その後しばらくアメリカ品種のトマト優位が続いていましたが、近年になって「日本で生まれた品種のトマト方が台湾人の口に合っている」、また「日本産の方がなんとなくブランド力がありそう」ということで、多くの農家が日本で作られた品種のトマト、特に「桃太郎」という品種のトマトが大流行しました。

一時期台湾中北部のスーパーに並ぶトマトのほとんどがこの「桃太郎」だったという現象すら起こしたのですが、みんなが一斉に同じものを作り始めたので希少性が低下し、農家によっては日本から別の品種のトマトの種を取り寄せて栽培することも多くなりました。ここでも"日本ブランド強し"です。さらにここ数年は世界各地のトマトをかけ合わせて台湾独自品種のトマトの開発ラッシュが(やっと)起きており、毎年のように、特に花蓮地域の農協で新品種が登録されています。

これらの台湾で生まれた新品種のトマト、実は台湾で現地の市場に流通することはあまりありません。新品種の開発ができるほどの"先進的な"農家は商魂たくましく、これら新品種を引っ提げて中国大陸に攻勢を仕掛けているのです。台湾の小さな農場でちまちまと小規模に新品種を作ってブランド力をじわじわ高めていくより、中国の巨大農場で大規模に作ってさっさと売っちまえ!という方法です。もともと台湾人の口に合うように改良されたトマトなので、同じ民族である中国人受けは非常によく、多くの(とはいえ農業人口からすればごく一部ですが)農家が大陸に渡り、大規模農場を経営するようになりました。

中国大陸、特に香港周辺での農場経営という話は、実は筆者も数度オファーを受けたことがあります。かなーり元手が安く、一獲千金を狙えるおいしいビジネスです。日本で農業をやっている人で、一山当てたい!という気概のある方はご相談ください(笑)。一緒にやりましょう!


[材料]
プチトマト ……… 300g

[調味料]
桂花醤 ……… 10g
砂糖 ………200g
酢 ……… 200cc
 (レモン汁などでもよい)

[作り方]
1.プチトマトのヘタを取り、沸騰したお湯で2分ほど茹でて皮をむく。

2.すべての調味料を混ぜ合わせて砂糖を溶かし、鍋に入れて加熱し一度沸騰させる。プチトマトと調味料を消毒した瓶に入れ丸1日漬けて完成。

Point!
ショウガの絞り汁やその他の果物の果汁をごく少量加えても美味です。

レモン汁を使えばイチゴやキウィ、パイナップル、マンゴーなどでも同じ料理が作れます。

付けるときに梅干しやナツメを一つ入れておいてもよいでしょう。

プチトマトではなく大きなトマトで作る場合も同じです。少し大き目の瓶が必要になりますが、漬ける時間を3-4日と長めにすれば見た目もおいしそうなデザートが作れます。2週間ほど漬けておいても大丈夫ですが、長く漬けると酢の味がもろに出るので果実酢か高級酢を使って作りましょう。砂糖も多めにするとよいです。

出来たトマトを凍らせてシャーベットにすると、さわやかな夏の甘味の出来上がりです。


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