筍乾蹄膀│タケノコと豚すね肉の醤油煮込み

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
台湾の年越し料理「年菜」の一つ『筍乾蹄膀│タケノコと豚すね肉の醤油煮込み』を紹介します。濃い目の味付けで、白ご飯に合うこと合うこと。筆者も昨日食べました!

「蹄膀」とはなかなか見慣れない漢字ですが、豚のすねの下の部分、蹄の上のすこし膨れた部分を指します。この部分の肉は脂身と赤身の比率が絶妙で、長く煮込むとめちゃくちゃ柔らかくなります。

本来は電鍋で作りますが、レシピでは簡単にするため炊飯器で作るようにしています。同じものが作れますので心配なく。

ぜひぜひ挑戦していただきたい絶品料理です。

太平燕│太平燕

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難易度:☆、☆☆ 調理時間:30分以内
福建ワンタン最終章『太平燕』のレシピを紹介します。熊本のものは春雨スープですが、本家福建のものは前回のレシピのようにワンタンスープです。

前回『小長春』のPointにもちょこっと書きましたが、元祖『太平燕』は『小長春』に茹でた鴨の卵を載せたもの。福建語で鴨の卵「鴨卵」と圧乱の音が似るため、「乱を鎮圧する」即ち「太平」の名が付きました。名の由来から分かるようにアヒルの卵は必須の材料なのですが、レシピではウズラの卵で代用しています。本場中国ではウズラの卵で代用するどころか卵が入っていない、もはや『小長春』と区別のできない『太平燕』すらあるので、名前の由来はみんな忘れてしまったようです(笑)。(写真も卵の入ってない太平燕です。)

明治時代に福建の港を出立した華僑の一人が熊本に伝え、日本で手に入りにくいアヒルの卵が普通の鶏卵に、ワンタン(『肉燕』)が春雨に置き換わって現在の日本のものになりました。筆者も故郷福岡で一回だけ食べたことがあります。本州以北の人は食べたことありますか?

という分けで今回は福建省発の元祖『太平燕』、日本のものとは味も形も異なりますが、普通のワンタンを使えば簡単に再現できるので挑戦して見てください。もちろん台湾では探せば結構食べられます。


小長春、肉燕│小長春、肉燕、福建風ワンタン

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
前回に引き続き『肉燕皮』を使った福州の伝統料理『小長春、肉燕│小長春、肉燕、福建風ワンタン』を紹介します。『肉燕皮』に豚肉の餡を詰めてワンタンを作り、中華スープで食べる料理です。

『小長春』とは中国吉林省の長春…とは関係がなく、「長春花」という花の名前からきています。五つの花弁が美しい「長春花」は日本のニチニチソウに似ており、料理名はスープの中にあるワンタンをこの花に見立てたものです。結婚や成人のお祝いやお年寄りの誕生日などのおめでたい席で振舞われる宴席料理の一つです。別名の『肉燕』は一般的な名前です。

数ある福建料理の中でもかなり有名な料理なので日本でも食べることができると思います。もちろん台湾でも食べられます。

普通のワンタンと違い生地に豚肉が練り込んであるので、スープに豚肉の旨みが染み出し、ワンタンを口に入れるとふんわりと豚の油の甘さが口いっぱいに広がります。味の割に脂肪分が高くはないので、ダイエット中の女性にもおすすめできそうです。

本当におすすめ!ぜひ一度家庭で再現していただきたい絶品料理です。


肉燕皮│肉燕麺、肉燕皮

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
本日は福州の名物料理、実は日本ともちょっとしたつながりのある『肉燕皮│肉燕麺、肉燕皮』のレシピを紹介します。

『肉燕皮』は『肉燕』または『小長春』と呼ばれる福州料理に使われる特殊な麺です。豚肉を小麦粉に練りこんだ薄い麺で、普通はワンタンのように中に餡を詰めて食べます。中に餡を詰めて食べるときは、普通のワンタンよりもすこし小ぶりなのが特徴です。台湾でもわりとよく食べられますし、スーパーでも売ってます。

『肉燕皮』の「燕」の字は「宴」に通じるとして、福州では酒席や宴会で供されるおめでたい料理です。もともと王世統という人が福建省の最北端である浦城で発明した料理で、当初はただの小型のワンタンで、生地に肉は入っていませんでした。これが浦城で非常に人気を博したため、清の光緒年間に福州で開店、その後改良を続け宣統3年(1911年)に肉を混ぜ込んだ現在の『肉燕皮』が完成します。福州のお店は港のすぐそばにあったため、多くの人がこの料理を海外に持ち出し、世界各地に広まります。

これが日本にも伝わり、熊本名物『太平燕』となるのです。熊本を訪れることがあればぜひ味わって見ましょう。台湾のものと食べ比べてみるのも面白いと思います。

さて、この『肉燕皮』自体は料理の名前ではないのですが、生地から豚の旨みが流れ出すので、適当な大きさに切って中華スープで煮込むだけでもおいしく食べらます。次回はこの『肉燕皮』を使った『小長春』そして、元祖『太平燕』を紹介しますのでご期待ください。


油納肝│山西風豚レバー炒め

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
中国北京の西側山西省の家庭料理『油納肝│山西風豚レバー炒め』を紹介します。中華料理の世界ではなかなか注目されることの少ない地域ですが、たくさんの日本人好みの料理が揃っています。

山西省は北を内モンゴル自治区、東は太行山脈を挟んで河北省、南は黄河を挟んで河南省、西は陝西省と接する地域で、山脈、渓谷、丘陵、平地などの地形に富み、四季の移り変わりが明瞭で、非常に多くの動植物が生息する地域として知られています。これらの特性から古来より食材の宝庫として知られ、中国のいわゆる高級ブランド食材を多数生産する一大食材基地です。また中国八大酒として有名な「汾酒」の産地でもあり、その技術を応用した「酢」の名産地としても著名です。山西省は伝統的に麺食を好む地域なので、多種多様な麺類やワンタン、餃子料理も魅力ですね。

これらの特性を踏まえた山西料理は新鮮で高品質な食材をふんだんに使ったリッチな料理として知られ、どれも日本人なら麺よりもご飯のおかずにしたい…、そんな料理が目白押しです。時々はこうした中国の地方料理も紹介していきたいと思います。

今回の『油納肝』は豚レバーを使った絶品料理、最初から最後まで火力は最大で調理してください。


燎肉│燎肉、山西風豚肉炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内+下準備
中国でもちょっと珍しい山西省の料理『燎肉│燎肉、山西風豚肉炒め』を紹介します。ちょっと特殊なお酒を自作する必要がありますが、材料も調理方法もとても簡単なので日本でも再現しやすい料理です。似た名前の『火爆燎肉』という料理もあるのですが、ちょっとだけ作り方が違います。

レシピはおそらく本邦初公開…のはずです。


この『燎肉』という料理、なかなか面白い曰くがあるので紹介します。

『燎肉』は『火燎肉』とも呼び、もともとは山西省洪洞縣蘇堡の劉秉括という人の家の料理でした。清の乾隆年間に劉家の一族は宮廷で非常に出世し、実家を豪華に建替えて多くの料理人を雇っていたといいます。しかしその繁栄は長く続かず、数年後には急速に没落してお抱えの料理人たちは『燎肉』のレシピと共に民間に散らばることになりました。

中華民国初年、洪洞城古陽飯庄にある一軒のレストランで、この『燎肉』が非常に人気を博します。この『燎肉』のレシピは長らく門外不出でしたが、1975年に当時齢90歳であった王三という料理人の口述により製法が明らかにされました。その後山西省の伝統名菜として現在に受け継がれることになります。

1975年といえば文化革命真っ只中、王三という老料理人がなぜこのレシピを公開する気になったのかなかなか興味深いところです。

ある一族に伝わる伝統料理が紆余曲折を経て現代に蘇るという面白いストーリーの料理です。名前もかっこいいので、ぜひ日本で再現してみてください。


三鲜牛尾│牛テールの三鮮スープ煮込み

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日はかなり珍しい中華料理『三鲜牛尾』を紹介します。もともと『三鲜鹿尾』という黒龍江省の名物料理があり、今回はそれをアレンジした料理になります。

料理名にあるように本来は「鹿の尾」を使って作る料理ですが、猟師さんに知り合いでもいなければ流石に日本で作るのは無理…でしょう。もし「鹿の尾」が手に入ったら、なんとしてもこのオリジナル料理を再現していただきたいと思います。食べられる部分少ないですけど…。

遼寧、吉林、黒竜江の三省を中国の東北地方といい、この地域の料理を東北料理と呼びます。厳しい冬を乗り切るための滋味あふれるスープ料理や野生の動物を上手に調理した料理が特徴で、日本で一般的である焼き餃子はもともとこの地方の料理です。

いわゆる満漢全席に代表される清の宮廷料理にも多大なる影響を与えた一大料理体系で、熊の手や鹿の角などの非常に珍しい食材の調理方法が多数あるのも特徴です。

当ブログではおそらく一度も中国東北料理を紹介したことがありません、というわけでたまにはこんな珍しい料理もいかがでしょうか?ちなみに筆者は最近面白いレシピ本を見つけてしまい、「ゾウの鼻」、「アライグマ」、「アルマジロ」とかを使った料理を紹介したくてたまりません(笑)。


台湾の東北料理といえばもっぱら素朴な水餃子やアツアツの麺料理ばかりで、本格的な東北料理を食べられるお店はたぶんありません。今後のリサーチにご期待ください。

日本どころか台湾でも珍しい黒竜江の『三鮮』料理、材料が手に入らないという方は、普通の肉を使って調理してみてください。普通に美味しいものが作れると思います。


絞肉燉豆腐│豆腐のひき肉炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾家庭料理の『絞肉燉豆腐│豆腐のひき肉炒め』を紹介します。『麻婆豆腐』に似た料理ですが辛くありません。

当ブログではすっかりおなじみの中国古代の本草書である《本草綱目》にも「豆腐」の記載があります。結構面白いので抜き出してみましょう。

豆腐

(《日用》)
【集解】時珍曰:豆腐之法、始於漢淮南王劉安。凡黑豆、黃豆及白豆、泥豆、豌豆、綠豆之類、皆可為之。
造法:水浸碎、濾去滓、煎成、以鹽鹵汁或山礬葉或酸漿、醋澱就釜收之。又有入缸内、以石膏末收者。大抵得鹹、苦、酸、辛之物、皆可收斂爾。其面上凝結者、揭取晾乾、名豆腐皮、入饌甚佳也。
【氣味】甘、鹹、寒、有小毒。原曰:性平。
頌曰:寒而動氣。
瑞曰:發腎氣、瘡疥、頭風、杏仁可解。
時珍曰:按:《延壽書》云:有人好食豆腐中毒、醫不能治。作腐家言:萊菔入湯中則腐不成。遂以萊菔湯下藥而愈。大抵暑月恐有人汗、尤宜慎之。
【主治】寬中益氣、和脾胃、消脹滿、下大腸濁氣(寧原)。清熱散血(時珍)。
【附方】新五。
休息久痢:白豆腐、醋煎食之、即愈。(《普濟方》)。 赤眼腫痛有數種、皆肝熱血凝也:用消風熱藥服之。夜用鹽收豆腐片貼之、酸漿者勿用。(《証治要訣》)。
杖瘡青腫:豆腐切片貼之、頻易。一法:以燒酒煮貼之、色紅即易、不紅乃已。(《拔萃方》)。
燒酒醉死、心頭熱者:用熱豆腐細切片、遍身貼之、貼冷即換之、蘇省乃止。

以前紹介した豆腐の由来から、このように豆腐の作り方から食べ方まで結構丁寧に記載されています。凝固剤にハイノキ(山礬葉)とか使ってたんですね。さすがアクの強い植物!面白いのはちょっとした毒があると考えられていること。この時代の豆腐は作るときに加える石膏が残ってたんでしょうか?それともマメ類の毒性によるものでしょうか?謎ですねぇ。

「有人好食豆腐中毒、醫不能治。」の一文は…、豆腐が好きすぎて中毒になった人は医者にも治せないとも読み取れます。ダイコン汁では豆腐が固まらないので、ダイコン汁を飲ませて豆腐中毒を治すとか、なかなか面白いことも書かれています。あとは眼の病気に使ったり、豆腐を薄切りにして体に貼り付けるなどシップのようにして使ったりもしていたようです。

古くからアジアの人を虜にして来た豆腐、大量生産が可能になった現在でも、好きな人は豆腐中毒と呼んでもいいくらいたくさん食べてしまいますね。ぜひ美味しく調理してください。

蔥爆肉絲│豚肉とネギの醤油炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
熱炒店の定番メニュー『蔥爆肉絲│豚肉とネギの醤油炒め』の紹介です。砂糖醤油とごま油という中華料理でよくある味付けで、ご飯のお供にぴったり。しっかりした味付けが特徴の料理です。美味いです!

以前紹介したことのある『蔥爆牛肉』とは使う肉の種類や調味料の配合がすこし違います。参考にしてください。

日本語と中国の繁体字ではネギの漢字がすこし異なります。日本語では「葱」、繁体字では「蔥」 、中が「勹」になっている部分が違いますね。それぞれ異体字の関係です。ネギを表す漢字は他にも(パソコンで表示できるものだけでも)「茐」、「䓗」、「蔥」、「𧃿(草冠に聰)」、「𢚱(益の上部分に忩)」、「𦯎(草冠に囪)」など多数あります。最後の「𦯎(草冠に囪)」は台湾の小さなスーパーで手書きのPOPにかかれていたりする事があります。

草冠の下の部分は「聡(聰)」や「総(總)」のつくりと同じパーツで、「まっすぐで中が空洞のもの」の意味で、「惚」や「怱」とももともとは同じ意味を表します。「惚れる」の漢字が…心がまっすぐで空洞とは…漢字もなかなかうまいこと言いますね(笑)。もちろんネギ(葱)は「まっすぐで中が空洞の植物」の意味です。

この料理では肉と同じ量のネギを使って調理します。最後に作って熱いうちにご飯と一緒にかき込んで下さい。


雞湯白菜│白菜のチキンスープ煮込み

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
『雞湯白菜│白菜のチキンスープ煮込み』という年越し用の料理を紹介します。白菜からのダシが豚ひき肉と絡まって、とてもコクのある料理です。美味いです!

中国語と日本語で同じ表記をする「白菜」ですが、中国語と日本語ではその範囲が大きく異なります。 中国語の「白菜」は大きく「大白菜」と「小白菜」に分けられ、日本のいわゆる「白菜」はこの「大白菜」の一部の品種だけを指します。

日本料理や鍋物には欠かせない食材ですが、日本で本格的に白菜が食べられるようになってからまだ100年も経っていません。明治時代から何度も導入が試みられましたが、すべて失敗したそうです。白菜をはじめとするアブラナ科の植物は近縁植物と容易に交雑し、品種維持が困難だったためです。今ほど広く普及するには戦前、1930年代の栽培成功を待たなければなりませんでした。そしてその後爆発的に普及します。

中国ではその広大な土地と安定した気候を利用して、東周時代(紀元前7世紀!)から栽培が始まっていたといわれ、漢(紀元前2世紀~)には文献にも白菜の古名である「菘」が登場します。歴史の古さもさることながら、中国には非常に多くの白菜の品種があり英語圏でも 「Chinese Brassica」 の名で広く普及しています。中国各地を旅行すればよく分かると思いますが、本当に地域ごと、市場ごとに販売している白菜の種類が大きく違います。

中華料理を語る上で決して避けては通れない白菜、美味しく調理しましょう。

佛跳牆│フォーティァオチャン、仏跳牆、ぶっちょうしょう

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難易度:☆☆☆ 調理時間:3時間
本日は台湾の年越しには欠かせない料理『佛跳牆│フォーティァオチャン、ぶっとびスープ』のレシピを紹介します。一度食べたことがある人はご存知でしょうが、至高とも言える濃厚な旨味を持った料理です。

『佛跳牆』はもともと福建料理の名菜で、伝説によると清光緒年間に開発されたとされています。もともと福州の銀局で働いていた公務員が、按察使である周蓮という人をもてなすために作った料理だといわれています。(サラリと書いていますが、いわゆる接待、賄賂ですね…。)

もともとは鶏、鴨、豚肉など10数種類の材料を紹興酒で煮込んだ料理で、一口食べた周蓮はその旨さに言葉を失い、料理名を尋ねました。主催者は「吉祥如意、福寿双全」の意味をこめて『福寿全』という料理であると説明しました。その後周蓮の専属料理人が味を改良し、次の宴会でこの『福寿全』を提供したところ客の全員が絶賛。宴客の中に居た詩人が即興で「葷香飘四邻、佛聞弃禅跳墙来」という詩を詠み皆を感嘆させます。

中国語福建方言では『福寿全』と『佛跳牆』の発音が似ており、その後『佛跳牆』の表記が定着したのだと言います。ちなみに友人にお願いして福建省の方言と近い台湾語で『福寿全』と『佛跳牆』を読んでもらいましたが…『福寿全(ホッシゥヅァン)』と『佛跳牆(フッティァオチウ)』…微妙に似ているといえば似ているような…。まぁ、福建語は地方差が激しいので台湾語とは異なる系統の福建方言ではもっと似ているのかも知れません。

別の説も伝わっているので紹介しておきます。清朝時代にあるいて全国を旅をしていたある学者は、各地で食べた食材を酒に浸け陶器の器に保管していました。旅の終着地である福州に到着した学者がある寺のそばでこの酒浸けの食材を火にくべて煮込み始めたところ、ある修行中の僧侶がにおいにつられてふらふらと寺から出てきました。もちろん修行中の僧侶はこの料理を食べることはできませんでしたが、学者に同行していた友人の詩人がこれを評して「仏僧も匂いに釣られて出てくる」という意味の詩を読み、この料理に『佛跳牆』という名前がついたそうです。

ちなみに英語では『Buddha Jumps Over the Wall』と呼びます。こうやって見るとすごい名前ですね…。

その後福建からの移民により台湾にも伝わり、名菜として多くの観光客の舌を楽しませているのはご存知の通り。台湾初回訪問時に食べるのは難しいかもしれませんが、何度も訪れるなら一度は口にしておきたい絶品料理です。ちなみに一番手軽に味わうにはスーパーで冷凍のものを買ってきて、ホテルで暖めてもらうといいでしょう(笑)。
 
前に紹介した『佛跳牆』はかなり本格的なもので、おそらく再現できた人はほとんどいないと思います。今回紹介する『佛跳牆』のレシピは材料をぐっと簡単にして日本でも作りやすいようにアレンジしています。簡易版とはいえ本物に負けない濃厚な旨味を楽しめる料理で、時間と気力がある方はぜひ挑戦していただきたいと思います。簡易版とはいえかなりの根気が必要なので、気合を入れて作ってくださいね!

レシピ通りに作ると一家族分はゆうに作れてしまいます。食べる人の数に合わせて量を調節してください。


道口燒雞│道口焼鶏

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難易度:☆☆☆(材料入手) 調理時間:1時間以内
本日は『道口燒雞│道口鶏』という豪華な料理を紹介します。西太后が愛したというその味や如何に!

料理名にある「道口」とは中国の地名で、正確には現在の河南省安陽市滑県道口鎮という場所になります。日本でいる町レベルのかなりマイナーな行政区の名前です。そんなマイナーな土地の料理がなぜ台湾で食べられるほど有名なのかというと…。

『道口焼鶏』は1661年、清朝順治年間に張炳という河南省の料理人によって開発されたといわれています。350年以上の非常に長い歴史がある料理なのですが、売り始めた当初はあまり人気がなかったそうです。後代、西太后が各地を巡遊お付きの宮廷料理人が各地の特産料理のレシピを収集する過程でこの料理を見つけ、レシピを自分で再現してみたところお店で作るよりも恐ろしく香りの高い料理が完成してしまいました。その宮廷料理人が作った『道口焼鶏』は西太后の口にも入ることになりました。西太后はこの料理を非常に愛し、『道口焼鶏』はその名を全国に轟かせます。この時の改良されたレシピが現在に伝わり、『道口焼鶏』は中華全土で名を馳せる「天下第一鶏」の称号を得ることになるのです。

台湾では年越しの年菜として食べられることの多い料理ですが、レストランでは一年中食べられます。とても有名でおいしい料理なのですが、ガイドブックには載っていないため普通の旅行客が口にすることは余りないで小。台北市内にもこの料理を提供するお店があるので、興味がある方は旅行時に挑戦してみましょう。台湾では台中に名店といわれるお店があります。

興味がある方は香辛料セット送りますよ!



『道口燒雞』が食べられる台北市のお店はこちら
 賈家道口燒雞 台北老店
 住所:台北市大安區延吉街242-3號
 電話:02-2704-9747




番茄雞肉濃湯│トマトと鶏肉のスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
昨日に引き続き西洋風のスープ料理『番茄雞肉濃湯│トマトと鶏肉のスープ』を紹介します。

世界中の料理で多用される鶏肉は、中国でもはるか古代から食用にされていました。おなじみ《本草綱目》にも鶏肉の記載があります。が、当時既に食肉として中国のあらゆる地域で、あらゆる料理に用いられていたようで、様々な品種や部位ごとの違いが記載されており、非常に膨大な内容になっています。というわけで、引用はしません(笑)。

脳、肝、肺、腎、胆嚢、腸、爪、各部位の羽、血など、ほぼ鶏の全身の部位に渡って、詳細に使い方、食べ方、効能などが記載されています。しかも現代科学の観点から見ても、それぞれ理にかなっていたりするので驚きです。他にも鶏の脂肪がハゲに効くなどの記載もあります。

今回の料理では鶏もも肉しか使いませんが、古代中国人の食に対する執念を感じながらお楽しみください。

蘑菇起司濃湯│キノコとチーズのポタージュスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
生薬の買出しに迪化街に行き、人波にもまれてきたHigeneです。台湾もそろそろ年越しの準備で忙しい季節です。市場を訪れる旅行者の方は人手にお気をつけください。

本日は『蘑菇起司濃湯│キノコとチーズのポタージュスープ』のレシピを紹介します。好きなキノコで作れるので、様々な味と風味を楽しめます。

ポタージュという語はもともとはフランス語で、スープ全般を指すそうです。しかし日本ではなぜかとろみのついたスープをポタージュと呼び、透明なコンソメと呼び分けます。中国語の「濃湯」とは、固体成分の多いスープを指す語で、日本語のポタージュとほとんど同じ意味です。中国語でとろみがついているスープを「羹、焿」と呼ぶので、中国語、特に台湾で「濃湯」と書かれていれば、ほぼ西洋風のポタージュスープを指すと考えてよいでしょう。

スープという語はもともと「パンの切れ端」を意味します。古代ヨーロッパではちぎったパンを乗せた器に果実酒や肉を煮込んだ汁を注いで食べていました。これがいつしか汁物料理を指す言葉として定着するのです。いつしかスープは各種の材料を煮込んだ液体部分のみを意味するようになり、本来のパンのカケラはクルトンという別の名前で呼ばれるようになります。

食料の乏しかった時代の保存食であった固いパンを美味しく食べるための工夫であったスープは、、もともと主食です。軽い夕食を意味する英語の Supper とも同じ語源を持ちます。しっかりと作られたスープはそれだけで食事の主役になります。千変万化の中華スープ、今回はキノコとチーズがベースです。ぜひ挑戦してみてください。


蒜香魚片│魚フライのニンニク和え

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『蒜香魚片│魚フライのニンニク和え』のレシピを紹介します。昨日に続いてこちらも一般的な台湾の家庭料理の一つです。

今回のレシピでは通常ニンニクのみじん切りを使うところを、ニンニクチップを使って作ってみます。もちろん普通のニンニクみじん切りで代用しても作れます。

さて中華料理で欠かせない食材であるニンニク、日本の漢字では「大蒜」と書いてにんにくと読むのはご存知でしょうか?台湾では「蒜頭」と呼ぶことが多く、こちらは葉ニンニク(蒜苗)と対比させた名称のようです。ニンニクは漢字で「葫」とも書き、こちらは「蒜」の字の古語に当たります。中国でもあまり使われない漢字です。IMEによっては“ニンニク”と変換すればどちらの漢字も出てくることでしょう。

日本語の「大蒜」も古くは「おおひる」と訓読し、そのもの「大きな“ひる”」を表しました。ひるとはユリ科の食用植物を指す古語で、野の蒜(ののひる)→ノビルなどにも名が残っています。ニンニクは臭いが強いことから昔の仏教では忌避され、僧たちは食べることを禁じられていました。これをあえて食べることを「忍辱(ニンニク)」と呼び、これがニンニクの語源であるという説が有力なようです。(※辱の音読み“ジョク”は漢音、“ニク”は呉音)

紀元前7000年前から食用にされていたというニンニクの発祥は中央アジアとされ、エジプトで本格的に栽培が始まりピラミッド建築の労働者に食されていたという記録も残っています。太古の巨大建築はニンニクが支えていたのです!その後ヨーロッパやアジアに広がり、食用や薬用に使われるようになります。ニンニクは食用の植物としてもっとも長い歴史を持つものの一つなのです。

今回のレシピはそんなニンニクと白身魚フライをあわせた絶品料理です。ぜひ日本で再現してみてください。



蔭豉蚵│牡蠣と豆腐のトウチ炒め

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
本日は『蔭豉蚵│牡蠣と豆腐のトウチ炒め』のレシピを紹介します。非常にオーソドックスな台湾料理の一つです。『豆腐蔭豉蚵』や『蔭豉蚵燴豆腐』などとも呼ばれます。

とても有名な料理なのですが、この料理があることをすっかり忘れていました。台湾料理を語る上で絶対にはずせない著名な料理の一つです。

『蔭豉蚵』もともとは福建省の料理で、清朝時代に移民してきた漢人らが台湾に伝えました。そのため通常は台湾語で「イムシーオー、Im shi: e:」と読み、普通の中国語で発音してもなかなか通じません。台湾で注文するときは注意しましょう。蔭豉とはいわゆるトウチ、豆豉の福建方言、蚵は蚵仔煎│オーアーチェンでおなじみ牡蠣の意味です。

醤油ベースのソースに絹ごし豆腐と牡蠣を絡めた料理で、ご飯のおかずには最適。トウチがなければ味噌で代用するなどして工夫すれば、日本でも作れます。とても美味しいのでぜひ一度作ってみてください。

トウチはアマゾンでも買えます。

筆者は個人的に次の中華ブームではこういう料理が「来る!」のではないかと思っています(笑)。台湾ならではのご当地グルメ『蔭豉蚵│牡蠣と豆腐のトウチ炒め』、未経験ならばぜひ一度味わってみてください。


醬汁吳郭魚│イズミダイ(ティラピア)の醤油煮

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
「中餐丙級證照」シリーズ、本日は『醬汁吳郭魚│イズミダイ(ティラピア)の醤油煮』を紹介します。

今まで何度もどのタイミングでこの魚を紹介するかどうか迷っていましたが、今回ようやく決心が付きました(笑)。今回は台湾では結構おなじみ、日本では現在では珍しい「呉郭魚」の料理を紹介します。

中東原産の淡水魚であるティラピア(呉郭魚)は繁殖力が強く味がよいため、世界中の河川に食用魚として導入されました。日本には第二次世界大戦後の食糧難時代に数種がもたらされ、多くの人の胃袋を満たしたといいます。いくつかの種が導入されたようですが、当時の分類学では全てティラピア属であったためティラピアと呼ばれています。タイのように美味なため、そのうち一種をイズミダイと呼びレシピでもその名前を使っていますが、タイとは別種の魚です。日本では種によって名前が違うので、カワスズメと呼んだ方が通じるかもしれません。

一時期は日本でも非常によく食べられた魚だそうですが、鯛の養殖が本格化して値段が下がるにつれて、今ではほとんど食べられなくなりました。繁殖力が旺盛なため一部の河川では外来種として定着し、異常繁殖したりもしているようです。愛知県にお住まいの方は荒子川に釣りに出かけましょう!

台湾では戦後シンガポールから導入され、養殖を手がけた「呉振輝」と「郭啓彰」の両名の名前を取って「呉郭魚」と呼ばれます。市場では非常にポピュラーな魚で大規模養殖が行われているため、年中食べられます。旨味が強く、身は弾力に富むためから揚げなどにして食べられます。中国では「羅非魚」と呼び、1970年に湖北省で大規模養殖が始まりました。いまでは湘菜(湖北料理)では欠かせない食材となっています。湖北の羅非魚料理はそのうち紹介したいと思っています。

台北の街中でも良く眼を凝らすと「呉郭魚」の看板が見つかるのですが、知っている人でないと素通りしてしまうかもしれません。台湾旅行時に機会があればぜひ一度味わってみてください。



紅燒筍尖│中華風タケノコの醤油煮込み

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズ第39弾!…あと50種類以上もあるぞ!まだ半分も終わってないとは、驚きでした(笑)。

今回のレシピは『紅燒筍尖│中華風タケノコの醤油煮込み』、油で揚げたニンニクがいいアクセントになったお手軽絶品レシピです。野菜だけを使った素食料理でもあります。

この料理で用いられるタケノコの親植物であるタケは日本にも多くが生育していますが、そのすべては中国からの太古に渡ってきた帰化植物であるといわれています。

古くから中国ではタケを吉祥の象徴として用い、よくある松・竹・梅の歳寒三友は中国画のモチーフとして有名です。 竹・梅・蘭・菊を四君子と呼んで同じく絵画のモチーフに使いますね。

とにかく中国では縁起のいい植物で、寒さに耐えて伸びることから「不屈」、中が空洞であることから「虚心」、高くそびえることから「昂然」、その静謐なイメージから「君子」の象徴とされました。王徽之、白居易を始め多くの著名な文人に愛された植物で、特に宋代以降は多くの詩や絵画に登場します。

中国で火薬が発明される前は祝祭時に竹を熱し、その破裂する音で邪気を払うのが一般的でした。つまり「爆竹」です。名前にもしっかり竹の字が残っていますね。

日本でも極希に見られる「タケの開花」は60年から120年周期で起こるといわれています。よく知られているようにタケの花が咲き実をつけると、地下茎を共有する全ての竹が枯死するのですが、中国やインドではこれを不吉の前兆として非常に恐れているようです。調べてみると国によって不吉とされる理由が様々でした。

中国の研究によれば、天災的な飢饉の直前に竹が開花して枯死するという現象がいくつも確認されていることから、タケの開花は土壌や気候の変化により起こると考えられており、環境の変化を敏感に察知した竹が生存のため実をつけて生き残るのではないかと考えられています。

インドでは大量の竹の実を求めてネズミが大発生し、これが移動して近隣の農作物を食い荒らしてしまうためと考えられているようです。

ちなみに野生のパンダの生息域でこの現象が起きると、パンダは致命的な食糧不足に陥り大部分が死んでしまうようです。恐るべし竹の花!


小児遺尿薬膳三種│おねしょ治療の薬膳料理三種

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昨日までのモダン客家料理シリーズ、楽しんでいただけましたでしょうか?

ちょっと筆者も気分転換したいので、本日は珍しい薬膳料理を紹介したいと思います。

「子供のおねしょ」を中医学では「小児遺尿」といい、台湾では漢方薬を使って治します。おねしょは大きくなれば自然と治るものですが、台湾ではどうも親心が働いてしまうようです。今回はそんなおねしょに効く薬膳料理を三種類紹介したいと思います。タイトルはおねしょの薬膳ですが、それぞれのタイプに当てはまる大人が食べても効きます。そういうもんです。

さて、以下に三種類の薬膳料理を紹介しますが、それぞれ治療するおねしょのタイプが異なります。

一つ目の『蓮子粉粥』は肺脾気虚タイプのおねしょを、
二つ目の『山萸韭菜飲』は腎気不足タイプのおねしょを、
三つ目の『李子茶』は肝経湿熱タイプのおねしょをそれぞれ治すとされます。

肺脾気虚タイプのおねしょは、おねしょはするけど尿の量が少なく、疲れていて、食慾不振、大便も柔らかく、指紋が薄いという元気のない子供によくあるおねしょです。

腎気不足タイプのおねしょは、一晩に何度もおしっこを漏らしてしまい、目が覚めてもまた寝てしまう、反応が鈍く、手足が冷え、足腰が弱いという子供のおねしょです。

最後の肝経湿熱タイプのおねしょとは、おしっこが黄色く、歯ぎしりし、唇や顔が赤く、ヒステリックな傾向のある子供のおねしょです。

詳しくは脈や舌苔の色などからも判断するのですが、今回は普通のお母さんが日本でも判断できるようその辺は省略しました。なくても大体のタイプは分かると思います。

どれも簡単に作れるようアレンジしていますので、子供のおねしょに悩むお母さんは参考にしてください。

!材料は全て甘口男に揃っております。生薬類は日本のどこで買うよりも格安で提供しておりますので、ぜひメールにてご相談ください。

相思涼客爽│客家冷菜五種盛り

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難易度:☆☆☆
「客家美食大賽」シリーズの大団円『相思涼客爽│客家冷菜五種盛り』です。今まで紹介した五つの客家料理を一つの器に盛り付けた見事な料理です。

この料理を作ったのは「華陶窯相思廚」というチームで、選手は林祺豐、林咨亦、蔡雪柔の三人だそうです。

チームの母体は華陶窯という苗栗にある窯元で、数多くの優れた陶器を生み出しています。ギャラリーにはレストランも併設されているので、旅行時に時間があればここまで足を伸ばしてみるのもいいでしょう。住所などの詳しい情報は以下まで。未確認ですが併設のレストランでならこの料理を食べられるかもしれません。

『華陶窯』
 開放時間:午前9時半~午後4時半まで
 休日:月曜日及び年末年始
 住所:苗栗縣苑裡鎮南勢里2鄰31號

この料理は書く地域の客家料理を元に伝統的なソースを合わせた、いわば客家料理の集大成。日本では流石に完全再現とまでは行きませんが、それでも食べる人を驚かせるには十分なボリュームと美しさの料理になります。ちなみにこれで開胃菜だそうです。

料理の腕に自身がある人は、ぜひ再現してみてください。

写真はオリジナルの料理のもの。

紅糟浸豬手│豚足の紅麹漬け客家風

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難易度:☆☆ 調理時間:2時間

「客家美食大賽」 シリーズラストは『紅糟浸豬手│豚足の紅麹漬け客家風』のレシピです。本日は久しぶりの一日二つのレシピ更新になります。

もう一つのレシピで今まで紹介してきた5つの客家料理の秘密が明らかに!

このレシピで使う豚足は日本では沖縄、台湾では屏東、中国では広東省となぜか各文化圏の南部地方でよく使われる食材です。もちろんそれ以外の地域でもよく食べられます。

台湾の豚足料理『豬腳』はもともと広東省の客家料理が伝わったもので、清朝時代の客家移民が伝えたものだといわれています。台湾では醤油と香辛料で味付けされたスープで煮込んだ豚足が弁当のおかずとしても人気です。正確には前足を「豬手」、後ろ足を「豬蹄」と呼んで区別し、この料理も中国語名から分かるように本来は豚の前足を使って調理します。味自体はどちらもそれほど変わらないので、レシピでは区別していません。

今まで紹介してきた、『烤鹹豬肉│客家風豚のレモン胡椒焼き』、『鹽焗放山雞│客家風地鶏の塩マーマレードコチュジャン和え』、『榨菜滷大腸│豚モツのザーサイ和え』、『梅乾肉丸子│客家風カラシナの漬物の肉団子香菜風味』、そしてこの『紅糟浸豬手│豚足の紅麹漬け客家風』は「客家美食大賽」入選料理の集大成『相思涼客爽』に繋がります。

それでは本日のもう一つのレシピでお会いしましょう。

梅乾肉丸子│客家風カラシナの漬物の肉団子香菜風味

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
「客家美食大賽」 シリーズ第四弾!日本語名が長い『梅乾肉丸子│梅乾肉丸子│客家風カラシナの漬物の肉団子香菜風味』のレシピを紹介します。

料理名にある梅乾(菜)とは雪里蕻(雪里紅)もしくはカラシナなどの塩漬けを干したもので、中華料理ではよく使われる食材です。レシピではカラシナの漬物をそのまま使っていますが、本来は乾燥させたものを水で戻して使います。客家料理では割とおなじみの食材ですが、日本ではまず目にすることはありません。カラシナの漬物を天日干しにすれば日本でも作れますが、面倒くさいので普通の漬物をそのまま使っています。

「梅乾菜」はこんな感じ。台湾の老街やスーパーなどで買えます。

今回は肉団子を炒めながら成形するというなかなか難易度の高い調理方法が登場します。300gものひき肉を一つの団子にしなければならないので、こうした方が火が通りやすいのです。普通の家庭で作るにはかなりのコツがいるので、レシピではある程度火が通ったところで取り出して成形し、レンジで火を通す方法を取っています。

Pointに肉団子を作るときのコツをまとめているので、一度目を通してから挑戦してください。

榨菜滷大腸│豚モツのザーサイ和え

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
「客家美食大賽」の入選料理(をちょっとだけアレンジ)の第三弾!まだまだ続きます。今回は『榨菜滷大腸│豚モツのザーサイ和え』の紹介です。今までで一番客家料理らしい料理です。

日本でもおなじみザーサイは宋代に四川省で生まれ、近代に入るまでまったくのローカル食材だったものが、1930年代に商業生産が始まったため一気に普及した漬物の一種です。日本で食べられるようになったのはそれ以降、特に戦後に入ってから急速に普及しました。現在は台湾や日本国内でも生産されています。台湾においても歴史の浅い漬物だけに伝統的な客家料理ではあまり使われることはないのですが、この料理では伝統的な客家料理とザーサイを組み合わせた点も評価されているようです。

またレシピでは日本の寿司に添えるガリも付け合せに使います。客家料理の大会ともなれば、審査員もかなり保守的なはずなのですが、意外なものを上手く取り入れてそれでいて客家料理の風格を損なわないようアレンジされています。製作者に拍手を送りましょう。

ザーサイは中国語で「榨菜」と書き、甕に浸けるときに一度水分を搾ってから漬けるためこの名前が付きました。中国や台湾のものは日本のものより辛味が強いので、旅行時に食べるときは注意してください。


鹽焗放山雞│客家風地鶏の塩マーマレードコチュジャン和え

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
「客家美食大賽」の入選料理(をちょっとだけアレンジ)の第二弾!今回は『鹽焗放山雞│客家風地鶏の塩マーマレードコチュジャン和え』のレシピを紹介します。

本来は『辣椒醬』と『金桔醬』という中華ソースを使って味付けをします。それぞれの作り方もブログで紹介したことがありますが、今回は簡単のため「コチュジャン」と「マーマレードジャム」という日本のスーパーで手に入るもので代用してみます。

コチュジャンとマーマレードジャムの組み合わせ、筆者も実際に試してみましたが鶏肉との相性が抜群!かなり見事な組み合わせです。コチュジャンの旨味と辛味が、マーマレードソースの甘味と酸味と絡み合い、塩味の効いた鶏肉とマッチして…、後は実際に作ってお試しください。びっくりするほど美味しいソースができます。

レシピではコチュジャンを使うため創作韓国料理といっても通じそうですが、オリジナルはきちんとした客家料理です。ぜひお試しください。

烤鹹豬肉│客家風豚のレモン胡椒焼き

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難易度:☆☆ 調理時間:数日
本日から数回にわたって客家の伝統料理を現代風にアレンジした、「モダン客家料理」のレシピを紹介します。

台湾では毎年「客家美食大賽」 という客家料理の大会があり、この料理もその入選作品(の一部)です。この料理から始めて5日間、毎日紹介する料理を作り続けていれば最後にはいいことがあるかもしれません(まだ秘密です)。

まずは第一弾『烤鹹黑豬肉│客家風黒豚のレモン焼き』を紹介します。肉を浸けておく時間が必要ですが、調理にはそれほど手間がかかりません。レシピの一部でもいいのでぜひ挑戦していただきたいと思います。

台湾は明清時代に大陸からの漢族移住者が多く移り住んできて開拓されました。大きく分けて泉州、漳州、客家の出身者ごとに開拓した場所が細かく異なります。

現在の台北市を見ても泉州出身者は、艋舺、錫口、大龍峒、大稲埕などの市内中心部及び木柵を、漳州出身者は松山から景美、新店に至る現在の新店渓一帯を、客家出身者は現在の中正区公館及び文山区辺りの挙山と呼ばれる場所をそれぞれ開拓し、それぞれの境界で「分類機闘」と呼ばれる紛争を起こしました。

当時も今も福建省は地域ごとに方言の差が非常に大きく、同じ福建省出身とは言え泉州と漳州の人々はあまり意思の疎通がスムーズにはいきません。客家の人々とはほとんど無理といっていいでしょう。この言語の問題及び福建省時代から続く宗教間の対立などが引き金となり、また清朝政府が台湾における漢人間の闘争をほとんど管理しなかったことから台湾では激しい抗争が繰り返されます。清朝が本腰を揚げて台湾の管理を始めるまで、台湾はかなり不安定な土地でした。

漢人の入植から数百年かけて福建語の泉州方言と漳州方言は少しずつ混ざり合い融合し現在の「台湾語」と呼ばれるものに進化しますが、客家語だけは独立した言語として残りました。これは他の漢族との混血を嫌う客家の性質にもよるところが多かったのではないかと推察されます。

日本による台湾統治が終わり国民党が遷台してきてからも、台湾客家の人々はかなり保守的で、他の台湾人と容易に迎合しませんでした。筆者の知る50台のおばさんは「昔は客家の連中と結婚するなんて言ったら、周りの全員から反対されたもんだ」と言います。この世代の台湾人は客家の人々に対して少なからず心理的な障壁があるようです。たしかに客家の人々のコミュニティは非常に堅牢で外部からの進入を容易には受け付けません。商習慣、生活習慣や祭事、農業技術も、客家以外の人たちとは少しずつ異なり、それを頑なに守ろうとするので、現代においても些細ないざこざが発生することもしばしばあります。しかしこの強固なつながりが政治分野で発揮されると、非常に安定した発言力を発揮します。台湾の国会議員や有力政治家には客家出身者が少なくありません。興味深い現象です。

原住民、泉州人と漳州人、客家人、そして内省人と外省人の問題は、台湾社会を特徴付けているおもしろい現象の一つで、多くの興味深い論文や著作が、社会学、人類学、政治学などの分野で発表されています。中国語に堪能な方は、図書館などで捜して目を通してみると新しい発見があるかもしれません。日本でも数多くの文庫や新書が発売されていますので、興味があれば目を通して見ましょう。台湾をより深く知り、好きになるためには必須の知識でもあります。

このレシピはそんな客家の精神が詰まった「客家美食大賽」 の入選作品です。日本の家庭でも再現できますので、ぜひ挑戦していただきたいと思います。




三色炒筍絲│タケノコ三色炒め

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は久しぶりに『中餐丙級證照』シリーズから『三色炒筍絲│タケノコ三色炒め』を紹介します。レシピでは三色どころか五色くらい使っていますが、料理名は変わりません。

タケノコの千切りをメインに様々な野菜の千切りを炒めて作る料理で、手軽に豊富な野菜を取ることができます。

この料理のメイン食材であるタケノコは日本や中国で食材としてよく使われますが、それ以外の地域では余り見かけないローカルな食材です。まぁ、中国が大きすぎるためあまり「ローカル」なイメージはもてませんが、他のアジア料理ではほとんど使われることはありません。韓国やタイで時々使われる程度です。

ところで中国のタケノコも実は日本が技術指導して栽培されるようになったものなのはご存知でしょうか?1970年以降日本で開発され大ヒットした「シナチク」の材料確保のため中国産のタケノコが輸入されるようになりました。その過程で日本の農林技術者が、中国に竹林の管理の仕方とタケノコの採取方法を指導し、中国でもタケノコが本格的に食べられるようになりました。古い中国の本草書《本草綱目拾遺》にも「毛笋」などの名前でタケノコの説明があるので、中国でも古くからタケノコを食用または薬用にしていたことが分かりますが、近代に入るまでは一般的ではなかったようです。

「シナチク」が開発される前のタケノコは、ほぼ日本特産の食材だったといってもよいでしょう。なかなか興味深い話ですね。ちなみに台湾には日本統治時代に食用にする習慣がもたらされました。

タケノコは採取したその瞬間から、酵素による生合成が進むため味が急激に落ち始めます。そのためなるべく早く加熱して酵素を失活させる必要があり、これがタケノコの味を決めるほぼ唯一のポイントです。

今では加工流通技術の発達により、一年中美味しいタケノコを楽しめるようになりました。冬に食べるタケノコもおいしいですが、やっぱり旬である初夏のタケノコは一味違います。ちなみに「旬」の字の本来の意味は「10日間」。竹は10日で成長を終えると考えられていたことから、タケノコはこれにタケ冠をつけた漢字を使います。

それではレシピいってみましょう。


何首烏雞湯│何首烏薬膳スープ

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難易度:☆☆☆(材料入手による) 調理時間:1時間以内
久しぶりに本気の薬膳料理を紹介します。その名も『何首烏雞湯│何首烏薬膳スープ』、かなり珍しい生薬もふんだんに使って本気で補血します!以前にも同名の料理を紹介していますが、レシピが異なります。以前のレシピはこちら。今回のレシピの方が前回のものより旨みが強いです。

今回紹介したいのは生薬「骨砕補(こつさいほ)」、これ以外の生薬も普通の人にはそれなりになじみがないものでしょうが、薬剤師であれば大学や職場で一度は耳にしたことのあるものばかり。他の薬膳料理にもかなりの頻度で登場します。しかしこの「骨砕補」、普通の薬剤師だけでなく、漢方薬を専門に学んだ人ですら「そんなのあったっけ?」と首を傾げてしまうような超マイナー生薬で、ここで紹介しておかないと二度と機会がないと思うので今回はあえてこの生薬を取り上げたいと思います。

「骨砕補」は生薬では珍しいシダ植物、始載は《薬性論》でウラボシ科ハカマウラボシ Drynaria foutunei J. Sm. の根茎を乾燥させ、軽く炙って細毛を取り除いたものです。名前から分かるように特に筋骨の疾患に用いられる生薬で、名前の由来は「補骨脂」や、「接骨木」などとも似ています。この何首烏スープは、もともと血色が悪く、体力低下や貧血気味の人向けの薬膳料理なのですが、レシピにある「何首烏」、「熟地黄」、「当帰」や、部分的な脱毛に効果があるといわれる「骨砕補」を組み合わせることで髪の毛への作用も期待できそうです。

骨砕補以外の生薬もそれぞれ甘味や旨味の強いものばかりなので、薬膳料理とはいえ薬膳料理独特の香りを別にすれば非常においしいスープが取れます。日本では材料の入手が難しいとは思いますが、機会があればぜひ一度味わっていただきたい絶品薬膳料理です。

台湾ではいろんなレストランでこの『何首烏雞湯│何首烏薬膳スープ』が食べられます。中の生薬の配合は店ごとに違い、ここで紹介するレシピ以外にも「山薬」、「人参」、「枸杞」、「党参」、「蓮肉」、「薏苡仁」などを加えて作ることがあります。慣れてくるとスープをすこし飲んだだけで使っている生薬がだいたい分かったりもします。漢方薬が好きな人はためしてみてください(笑)。

生薬の深い世界が垣間見えるそんな絶品薬膳料理です。



豆漿蛋糕│豆乳ケーキ

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は『豆漿│豆乳』を使ったケーキ『豆漿蛋糕│豆乳ケーキ』のレシピを紹介します。大豆の香りがフワリと広がる絶品スイーツです。

伝説によると豆腐は紀元前164年、中国漢の高祖劉邦の孫である淮南王劉安によって発明されたといわれています。劉安が煉丹を精製しているとき、石膏が豆乳を固めることを偶然発見し、これが豆腐の起源だといわれています。

他にも五代説、唐代説など豆腐の起源は様々な説があるのですが、現在のような豆腐の製法が確立し、記録に残っているのは宋代以降です。日本に伝わった時代にも諸説ありますが、鎌倉時代には僧たちによって一般的に食べられるようになっていたようです。当時は「唐腐」などと呼ばれていました。

中国の豆腐は基本的に揚げたり煮込んだりして食べるので、日本のようにそのまま食べることはあまりありません。筆者が台湾人に冷奴を作ってあげたところ、「豆腐って生でも食べられるの?」と驚かれたこともあります。台湾人も豆腐を生で食べることはほとんどないようです。

本日のレシピは豆乳と豆腐を使って作るふわふわの蒸しケーキ、普通のケーキを作る手順で作れますので、ぜひチャレンジしてください。

写真はシフォン型で作ったもの、普通のケーキ型でも作れます。

豆漿烤布蕾│豆乳焼きプリン

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は豆乳を使ったデザート、『豆漿烤布蕾│豆乳焼きプリン』を紹介します。

豆乳は牛乳と似た風味があることから名付けられています。牛乳よりもカロリーが低くいため、牛乳を使った様々な料理を豆乳で置き換えたヘルシーレシピが作られています。以下に豆乳と牛乳の栄養成分の違いをまとめてみました。


  豆乳 牛乳
エネルギー(kcal) 46 67
水分(g) 90.8 87.4
たんぱく質(g) 3.6 3.3
脂質(g) 2 3.8
炭水化物(g) 3.1 4.8
食塩相当量(g) 0 0.1
レチノール当量(μg) 0 39
ビタミンD(μg) 0 0
ビタミンE(mg) 0.3 0.1
ビタミンK(μg) 4 2
ビタミンB1(mg) 0.03 0.04
ビタミンB2(mg) 0.02 0.15
ビタミンB6(mg) 0.06 0.03
ビタミンB12(μg) 0 0.3
葉酸(μg) 28 5
ナイアシン(mg) 0.5 0.1
パントテン酸(mg) 0.28 0.55
ビタミンC(mg) 0 1
ナトリウム(mg) 2 41
カリウム(mg) 190 150
カルシウム(mg) 15 110
マグネシウム(mg) 25 10
リン(mg) 49 93
鉄(mg) 1.2 0
亜鉛(mg) 0.3 0.4
銅(mg) 0.12 0.01
マンガン(mg) 0.23 0
(食品100gあたり)

こうやって改めて見ると牛乳のカルシウム含有量の高さが目立ちますね。その他の成分はどちらも一長一短といったところでしょうか。代替品というよりもまったく別の食材と考えた方が良さそうです。

昨日紹介した『豆乳』は無添加無調整で、今日のレシピはこのプレーン豆乳を使って作ります。市販のものでも作れますが、砂糖が添加されていることが多いのでその分を調整して作ってください。明日はもう一つ『豆乳』を使ったデザートを紹介します。

それではレシピ行ってみましょう。


1月2日のトップニュース: 元旦升旗主持人劉香慈:總統正在下台

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元旦国旗掲揚時アナウンサー劉香慈「総統が今舞台を降りています」

馬從台上走下 劉實況轉播…
〔記者彭顯鈞、陳炳宏/台北報導〕
二○一四年的第一天一早,馬英九總統出席府前元旦升旗典禮,就爆出糗事!馬致詞後走下講台時,現場主持人劉香慈竟「實況轉播」:「我們總統正在『下台』…」,「下台」兩字一出,現場議論紛紛,隨後更在網路引起共鳴。
一年一度的元旦升旗,昨天清晨在府前廣場舉行。天還沒亮,廣場就開始有民眾聚集,不少人手持國旗,甚至扛著小孩到場,氣溫低寒,民眾熱情不減。
馬總統照例帶領政府首長到場參加,不過,今年立法院長王金平、總統夫人周美青都未參加;馬則披著國旗圍巾到場,高聲唱國歌。


2014年元旦早朝、馬英九総統が元旦の国旗掲揚式典に参加しているとき、まずいことが起きた。馬総統が祝辞の後に舞台を降りようとしたそのとき、現場で実況を勤めていた劉香慈アナウンサーが「我々の総統が今『舞台を降りています[1]』…」と述べた。「舞台を降りる」の言葉が出たことから、現場では議論が沸き起こり、インターネットの世界に飛び火した。

一年に一度だけの元旦国旗掲揚式、昨日は早朝から総統府前の広場で行われた。まだ暗いうちから、広場には民衆が集まり始めた。多くの人の手には国旗が握られており、肩車された小さな子供まで参加していた。気温は低く寒かったが、民衆の熱気は冷え込むことはなかった。
馬総統は例年通り政府首脳を伴って参加したが、立法院長である王金平[2]と総統夫人の周美青は参加しなかった。馬総統は国旗柄のマフラーを開いて登場し、声を上げて国家を斉唱した。

[1]:「下台」は舞台を降りるという意味だが、政治の舞台から姿を消すの意味でも用いられる。
[2]:昨年馬英九との政治闘争があった。

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1月1日のニュース:「不服從公民」大會師︰以選票進行政治革命

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「不服従の公民」 大集会:選挙で政治革命を進行する。

〔記者湯佳玲、謝文華/台北報導〕
「今年拆大埔、明年拆政府!」「反服貿、反黑箱!」二○一三年的 最後一天,對政府不滿的公民昨晚齊聚自由廣場大會師,舉行「公民不服從跨年夜」,從關廠工人、反服貿團體到廢核行腳團等社運團體齊聚一堂,要與馬政府算一 年總帳,讓馬總統聽見人民的不滿,並將在今年七合一選舉,「以選票進行全面政治革命!」

「今年は大埔[1]を倒し、来年は政府を倒す!」「貿易自由化反対、秘密交渉反対![2]」2013年最後の一日、政府に対して不満のある民衆が自由広場に集まり、「不服従の大晦日」デモを行った。工場を閉鎖された労働者、貿易自由化に反対する団体から原子力反対の団体までが一同に会し、馬政府の1年の業績を評価し、馬総統に人民の不満を届けるため、また今年の七合一選挙[3]で「選挙で全面政治革命を進行させる」と声を上げた。

[1]:苗栗の大埔地区で政府が民衆の土地家屋を強制撤去し、民衆が政府を訴えた。数日前の裁判で民衆側が勝訴している。
[2]:中国、台湾の政府間で討論されている貿易自由化交渉。日本のTPP交渉のように、民衆に条約の内容が公開されていない。
[3]: 今年は各地方都市の市長選や議員選挙など、7つの大きな選挙がある。

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豆漿│豆乳

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難易度:☆ 調理時間:下準備+30分以内
本日は家庭で作る『豆漿│豆乳』のレシピを紹介します。台湾の朝ご飯に欠かせない新鮮な豆乳を再現します。明日から豆乳を使ったいくつかの料理を紹介しますので、お楽しみに。

現在は台湾の朝食として欠かせなくなった豆乳ですが、もともとは華北地方の伝統的な軽食でした。これが台湾でこれだけ広まることになったのは、戦後永和市(現在の新北市永和区)で開店した「世界豆漿大王」が全国にチェーン展開したためだそうです。「世界豆漿大王」の本店は今もMRT頂渓駅の近くにあり、台北市内に支店もいくつかあります。店舗の数は「永和豆漿大王」という別のチェーン店の方が多いため、こちらの方がなじみがあるかもしれません。どちらも夜遅くまで営業しているので簡単な夜食を食べるには最適です。台湾旅行時にみかけたらオリジナルの豆乳の朝食も挑戦してみましょう。

台湾人にとっての豆漿(と油條)は日本人にとってのご飯と味噌汁のようなものかもしれません。現代の若者が毎日食べるものではないかもしれませんが、思い出すだけでどこか懐かしさを覚えるような懐かしい料理なのでしょう。

ちなみに原料となる大豆は100%アメリカ産で、おそらく遺伝子組み換え済みです(笑)。健康を気にするなら日本の国産大豆を使ってチャレンジしてください。

大豆は夜寝る前に仕込んでおけば、翌朝新鮮な豆乳を飲むことができます。明日はこの豆乳を使ったプリンを作ります!大豆を買って仕込んでおきましょう。


雞屁屁│ボンジリ串のスープ煮

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日はお手軽串料理『雞屁屁│鶏尻串のスープ煮』のレシピを紹介します。鶏のボンジリを串に刺して好みのスープで煮込むだけで作れます。

中国語で臀部のことを「屁股」と呼びますが、くだけた言い方で「屁屁」と呼ぶこともあります。「お尻ちゃん」くらいの意味でしょうか。鶏のボンジリを中国語では雞屁股などと呼び、近年台湾の夜市では、これをくだけて呼んだ『雞屁屁』が密かな人気を集めています。スープの種類によって味付けを簡単に変えられるので、夜市のメニューとして最適なのでしょう。

ボンジリは肉屋で簡単に手に入れられると思います。焼き鳥の具としてもいいですが、鍋料理の具としても最適なので、色々とアレンジしてみてください。


雞肉凍│鶏肉のコラーゲンゼリー

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難易度:☆☆ 調理時間:半日
明けましておめでとうございます。今年も甘口男をよろしくお願いします。

本日のレシピは『雞肉凍│鶏肉のコラーゲンゼリー』です。台湾でも高級レストランなどの前菜として食べらるます。これを炊飯器を使って家庭でも再現してみましょう。

 コラーゲンは鶏皮や豚皮に豊富に含まれ、人体の総蛋白質の約30%を占めます。消化管から吸収されたコラーゲンはそのまま吸収されるわけではなく、酵素によってアミノ酸にまで分解されて体内に取り込まれます。運動用のプロテインの方がアミノ酸スコアは高いと思うので、そちらを採った方が体にも美容にもよいと思うのですが、不思議と美容にはコラーゲン、運動にはプロテインなどとすみわけが行われているようです。恐るべし広告の力…。

ちなみにプロスポーツの選手など、日常的に激しい運動をする人は通常の食事から採るタンパク質だけでは栄養素が不足します。プロテインの存在しなかった一昔前の運動選手と現在の運動選手の体つきを比べてみれば、その差がよく分かることでしょう。

ちなみに人体でもっともエネルギーが必要な器官は脳です。よく人は脳の機能の3%しか使っていないといわれますが、仮に脳がその機能を100%発揮したら人間は一瞬で餓死してしまいます。脳の潜在消費エネルギーは小型の変電所の可処理電力くらいあるそうです。脳や運動機能の進化に消化管の進化が追いついていないのですね。今後人間が進化することがあれば、多様な栄養素を今よりもすばやく、大量に消化し利用できるようになるのかもしれませんね。

今回の料理はコラーゲンたっぷり、コラーゲンが推計で100g以上入った料理で、美容にも、ダイエットにも最適な絶品料理です。炊飯器だけで作れるので、ぜひ日本でもお試しください。
 
 

 
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