元宵│元宵餅

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元宵│元宵餅

台湾では旧暦の正月十五日を元宵節として盛大にお祝いします。本日はこの元宵節にちなんだ『元宵』という料理を紹介したいと思います。

今年の元宵節は台湾全国でパニックといえるほどの人出を記録しました。指定席券を持っているのに駅が混んでいて電車に乗れない、大規模な広告で史上最高の人を集めたのに風向きが発電所に向かっていたため結局天燈を飛ばせないなどの行政の不手際が目立ち、当日のニュースは一日中ずっと元宵節の祭りについて扱っていました。毎年どんどん規模が大きくなっており、大きな経済効果があります。

新北市平溪の天燈を一斉に放つ祭りは海外でも有名で、今年は数万人の人が集まりました。参加するには正月の101の花火を近くで見る以上の困難を伴いますが(特に帰宅の足やトイレ)、体力と足腰に自信がある方は、旧暦1月15日に平溪に向かいましょう。数万人規模の無秩序な人波にもまれることができます。


本来の元宵節は明かりを灯して豊作を祝う祭りで、天燈はその名残です。ところがどこでどう間違ったのか台湾(特に台南の塩水区や台東など)では爆竹を人に向かって発射するという過激な祭りに進化したようです。観衆ももちろんフルフェイスヘルメットに防火コートなど完全防備で爆竹に当たりに行く(爆竹の直撃を受けるとその年の幸運が約束されるといわれています)のですが、毎年多数のけが人が出ます。

逆に福建省の一部地域では元宵の発音が「元消」、つまり「元朝の消滅」を意味するということで忌避されていたりします。文化の伝承と変化とはまったく不思議なものですね。

ほかにも月を愛でる、もしくは明かりを灯すという行動が進化したさまざまな風習が中華文化の影響を受けたアジア各地に残っています。日本では関東の一部地域で繭玉を作ったり小豆の粥を食べたりして祝うそうですが、これも月を愛でることの一種の変化形といえるかもしれません。

元宵節は、いわゆる「餅」を食べる風習が各地に残っており、台湾も例外ではありません。その年最初の満月と丸い餅とをかけて吉祥を願うのでしょうが、この日に食べる中に餡の入った餅を特別に『元宵』と呼びます。これが本日のレシピの料理です。

元宵節以外のときに食べるこの餅を台湾では『麻薯(台湾語でマーチーと発音する)』とよび、こちらのほうが圧倒的に浸透している名前です。各地のパン屋さんや鉄道駅でいろいろな味のものが買えます。台湾のマーチーの発音は、もちろん日本語のモチが由来になっています。

台湾以外の中華圏各地では『湯圓』と『元宵』の区別が曖昧で、時に混乱を引き起こすのですが、台湾においては非常に明確に分類することができます。

小さくて中に餡が入っておらず、冬至に食べるのが湯圓。

中に餡が入っており、茹でるだけでなく揚げて作るものがあり、元宵節に食べるのが元宵です。

別の地方に行くと、定義が曖昧なので、この分類は使えません。台湾でだけ通用します。広東省や香港の『糖不甩』や『𥻵』、『』と呼ばれる料理も実際には同じものです。

さて前置きが長くなりましたが、超簡単な元宵の作り方行ってみましょう。というか外側はただの餅なので日本でなら台湾より簡単に作れます。

今年の元宵節は過ぎてしまいましたが、満月の夜など月に思いを馳せながらこの料理を食べてみてはいかがでしょうか?

本文の最後に平溪の天燈と塩水鎮の塩水蜂炮のVIDEOのリンクを張っておきます。非常に対照的な映像ですが、どちらも同じ台湾のものです。興味のあるほうに参加してはいかがでしょうか(笑)。



難易度:


調理時間:
1時間以内

材料1:
モチ米粉 ……… 200g
熱水 ……… 100cc
冷水 ……… 100cc

材料2:(好みで)
小豆餡、ゴマソース、干しエビ、米、
ピーナッツバター、ネギなどあらゆる食材 ……… 適量
きな粉、砂糖など ……… 適量


作り方:
1.ボウルにモチ米粉を入れ熱水(沸騰したもの)を加えよくかき混ぜる。団子状になったら少量ずつ冷水を加え、よく混ぜ合わせる。

2.手で触って耳たぶ程度の硬さになったら、好みの具を包み、沸騰したお湯、もしくは150度の油で、浮かんでくるまで茹でる、もしくは揚げる。

3.器に盛り付け、好みできな粉などをかけて完成。


Point:
日本で作るなら粉から作るより、茹でるなどして柔らかくした餅に好みの具を包んで茹でたほうが楽です。
 
台湾でよく使われる餡はゴマソース、棗、銀杏の実、アーモンド、豚肉、ハム、エビ、チョコレートなど非常に多種にわたっています。つまり何でもありです。

餡を抜けばそのまま『湯圓』の作り方となります。こちらは冬至に食べる伝統料理ですが、豆花やカキ氷に乗せて食べる機会のほうが多いです。

以下は台湾における元宵節の二つの祝い方のVIDEO(HD)です。
 
実際はこれが終わってから台北市内に戻るのに数時間かかります。トイレはありません。
これでもマイルドな映像です。より派手なのは→https://www.youtube.com/watch?v=7H3SzaWcKFAのリンクでどうぞ。



泉水雞│泉水鶏

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泉水雞│泉水鶏

本日は台湾ではなく、重慶の料理『泉水雞』を紹介します。四川料理の一つで、香辛料の香り一杯のスープと油で焼き上げた鶏肉料理です。別名を『重慶泉水雞』などといいます。泉水とはきれいな水のことで、中国では水道水はとても飲めないため、通常はミネラルウォーターを使って作ります。日本でもおいしい水を選んで作りましょう。井戸の水を利用している家庭なら、そのまま水道水で作っても良いと思います。

四川料理はトウチや豆板醤を多用するので、まず材料をそろえてから調理に取り掛かる必要があり、近くに四川料理の店がある人は外で食べたほうが楽かもしれません。しかし田舎に住む人や料理の得意な人は、自分で作ってしまったほうが手軽で安上がりだったりします。

この『泉水雞』もトウチを使用しますが、今ではスーパーやオンラインショップで安く手に入るので、中華料理が好きな人は常備して置きましょう。四川料理の代名詞である『麻婆豆腐』を作るときにも使えます。

『泉水雞』は、四川料理を代表する豆板醤、トウチ、泡椒(パオジャオと読みます)と老酒などいろんな中華食材を使って作り、まさに中華料理のエッセンスがぎゅっと詰まった絶品料理です。本格的に作るためには各種材料を集める必要がありますが、日本の食材でいろいろと代用が効くと思いますので、大胆にアレンジしてしまいましょう。日本の材料で作ればもちろん和風の味にはなりますが、日本人好みのとてもおいしい鶏肉料理ができます。ぜひ作ってみましょう。

泡椒やトウチはAmazonで買えます。大手スーパーの中華食材コーナーにも置いてあると思います。


また泡椒は日本の家庭で作る唐辛子の漬物や生の唐辛子で代用するのもいいかもしれません。豆板醤がなければ味噌を使ってみたり、花椒がなければ山椒や陳皮、七味唐辛子で代用してみたり…。手に入らない食材は身近にある似たようなもので代用したり、思い切って使わないという選択も大事ですね。最後は醤油でまとめれば日本人なら何とか食べられます(笑)。

オリジナルに忠実に作るもよし、大胆にアレンジするよし、料理は楽しみながら作りましょう。本日は重慶の有名料理である『泉水雞』です。台湾では四川料理の店で食べられます。

美味いですよー。



難易度:
☆☆

調理時間:
2時間

材料:
鶏肉 ………1匹分
ミネラルウォーター ……… 1本(450mL)
泡椒 ……… 10本
花椒 ……… 30粒
豆板醤 ……… 小さじ2
花椒粉 ……… 2g
トウチ ……… 小さじ1
生姜 ……… 5g
ニンニク ……… 5g
ネギ ……… 1本
干し唐辛子 ……… 適量

調味料:
砂糖 ……… 小さじ1
老酒 ……… 10cc
 (焼酎などで代用可)
白酒 ……… 10cc
 (料理酒か清酒などで代用可)
塩 ……… 適量


作り方:
1.鶏肉はぶつ切りにし、スライスした生姜、老酒、白酒、花椒粉と混ぜ合わせて30分ほど浸けておく。

2.干し唐辛子、泡椒は半分か1/3に切る。ニンニクはスライスにする。ネギは千切りにする。

3.熱した鍋大さじ3のサラダ油をひき、作り方1の鶏肉と生姜、花椒を炒める。鶏肉の色が変わったら、ネギ以外のすべての材料を加え鶏肉と絡めるようにして水気がなくなるまで炒める。

4.鍋に水気がなくなったらミネラルウォーターを加える。沸騰したら塩で味を整え、中火で30分以上鶏肉に火が通るまで煮込む。

5.鶏肉に火が通ったら器に移し、上に千切りにしたネギを散らして完成。


Point:
レンコンや大根などの煮崩れしない野菜や、葉ニンニクなどの茎野菜と一緒に調理してもおいしいです。

豆板醤の代わりに味噌で作ると四川料理特有の辛味が押さえられて、日本人好みの味付けになると思います。

作り方3の鶏肉を炒めるときに、酒や鶏肉自体の水気は全部飛ばしてください。後で加えるミネラルウォーターが材料のうま味を溶かし、煮込むときに水気のなくなった鶏肉に染み込んでいきます。こうすることで芯まで味の染みた鶏肉料理が作られるのです。

レシピの花椒の量は中国人向けの量なので、半分以下にしても日本人は十分おいしく食べられます。

最後にミネラルウォーターで煮込む時間は鶏肉の大きさと量によって変わります。本場では鶏肉をぶつ切りにせず、丸のまま数時間調理することもあるそうです。普通は30分も煮込めば十分でしょう。一度冷まして翌日暖めなおせばもっとおいしくなります。

老酒と白酒はそれぞれ日本の酒で代用しましょう。全部焼酎や清酒、料理酒で置き換えてももちろんつくれます。





夫妻肺片│牛内臓のおつまみ

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夫妻肺片│牛内臓のおつまみ

本日は奇妙な名前の『夫妻肺片』という料理の紹介です。

漢字では見ての通り「夫婦の肺の切れ端」といった意味で、ちょっと猟奇的な場面を想像してしまうかもしれません。しかし名前と料理に使う材料は余り関係がなく、材料に動物の肺を使っているということでもありません。

では、なぜこのような奇妙な名前なのでしょうか?

この料理は四川省の省都である成都で1936年に発明された料理です。清朝末期の成都では『涼拌廢片』という牛の内臓を使った料理が人力車や苦学生の食事として定着していました。普通の牛肉は高すぎるため、精肉店が廃棄する内臓をもらってきては調理して作ったのが始まりです。もともとの漢字を廃片と書き、要らない場所、捨てるものというような意味です。

1936年に郭朝華と張田政という夫婦(中国は夫婦別姓)が、この「涼拌廢片」を改良し、独特の風味を加えて『夫婦廃片』という料理を作り出します。中の良い夫婦の姿と、テンポの良い会話が楽しめる彼らの店は非常に人気を博し、ついには有名料理店として全国にその名を轟かせるまでになります。廃片ではさすがに見栄えが悪いと多くの人に指摘され、同じ音である肺片と名前を変え現在の『夫婦肺片』が完成します。有名店となった後も、彼らは不断の改良を続け2002年には国家商標管理局から料理名を商標として使用する許可と、中国ホテル協会から”中国名菜”の称号を授与されることになります。

誕生から80年たった今では、台湾においても四川料理の店で楽しめる料理となっております。そのうち日本にも名前を変えて伝わってくるかもしれません。

有名になりすぎてしまったためにパクリ料理が増えるのは仕方ありませんが、現在でも成都では”郭氏伝人夫婦肺片”の名称を使用する時には、(成都においてのみ)オリジナルの店舗から許可と技術の提供を受け、加盟店となければいけないそうです。

あんまり居ないとは思いますが、成都を訪ねることがあれば夫婦肺片の店名にも注意してみてください。オリジナルとそうでないものが一発で分かります。


台湾では四川料理の店で食べることができます。また、同じ四川料理ということもあって麻辣火鍋の店のメニューに載っていることもあります。お酒のお供に最適なので、牛タンが手に入ったら試してみましょう。本場四川では牛の内臓はすべて使うそうですが、今回は牛タンと牛モツのみで作ってみます。

レシピを基に作ってみましょう。




難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

材料1:
牛タン ……… 200g
牛肉 ……… 200g
ピーナッツ ……… 30g
ネギ ……… 1本
水 ……… 100cc

材料2:
花椒 ……… 5g
八角 ……… 2個
桂皮 ……… 3g

調味料:
ラー油 ……… 30cc
塩 ……… 小さじ1/2
砂糖 ……… 小さじ1/2
花椒粉 ……… 小さじ1/4
ゴマ ……… 少々
味の素 ……… 適量


作り方:
1.水100ccで八角、桂皮、花椒を煮込み50ccまで煮詰める。塩、砂糖、味の素を加え味を整える。キッチンペーパーなどで漉し、花椒粉とラー油を加えてソースを作る。

2.牛肉は薄切りにし沸騰したお湯で3分ほど茹でてアクを抜いておく。牛タンは沸騰したお湯で30分ほど茹でて皮を剥く。どちらも0.5cmほどの厚さに切っておく。

3.器に牛肉と牛タンを並べ、砕いたピーナッツと千切りにしたネギを上に乗せる。

4.作り方1のソースを上にかけ、ゴマを散らして完成。
 

Point:
冷やしてもおいしく食べられます。

本来は牛ミノ、ハチノス、センマイ、ギャラ、心臓、モツ、レバーなどあらゆる内臓部位を使って作ります。日本では精肉店などで注文しないと全部そろわないので、ここでは牛タンのみ使っています。手に入れば少しずつ牛肉の部分を置き換えて使ってみてください。

日本で通常売られている牛の内臓は下処理を終えているので、特に何もすることはありませんが、ほんばでは各内臓を下処理をするところから詳細なレシピがあります。生石灰に浸けるとかですが、日本で買う場合は下処理がほぼ終わっているのであまり気にする必要はありません。


ちなみに夫婦肺片のオリジナルのお店は今でも営業しています。いまでは郭氏の息子が法人の代表をしているようです。“郭氏传人夫妻废片”总店、地址:中华人民共和国四川省成都市武侯区燃灯寺东街32号、电话:028-85081886。

作り方1で煮詰めるソースを和風のだし汁(濃い目)に代えたりすれば、和風の夫婦肺片が作れると思います。








鹹酥雞│台湾からあげ

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鹹酥雞│台湾からあげ
 
本日は夜市の屋台の定番の一つ『鹹酥雞』を紹介します。別名を『鹽酥雞』といい、広く台湾全土で食べられます。台湾旅行時に食べたことがある人も多いのではないでしょうか?

1979年台南市において発明された料理で、今では台湾を代表する揚げ物料理となっています。基本的名作り方は日本のから揚げと似ていて、から揚げと同じように調理する人によって作り方が少しずつ違います。

夜市に行かなければ食べられないわけではなく、市内各所にこの料理を提供する屋台やお店があるので、食べたいと思ったときにいつでも食べられるお手軽さもウリの一つです。フライドポテトや米腸(豚の大腸に味つきの米を詰めたもの)など、他の揚げ物も一緒に買えます。

基本的に現場で作ってくれる料理なので、皮はサクサク、身は柔らかの揚げたて料理を食べられます。一人分50元ほどで、竹串を刺して歩きながら食べます。

台湾人はこの料理が大好きで、塾や残業など夜遅くに小腹が空いた若者たちが、簡単に買える格好のカロリー源として大流行しました。ところが油分の多さと経済的理由による油の品質の問題が指摘され、一度社会問題になったこともあります。とはいえいまだに若者たちの間で根強い人気を誇る軽食であることは間違いありません。

まぁ、日本人が普通のから揚げ感覚で作る分にはまったく問題ないので、普通のから揚げに飽きたら挑戦してみましょう。筆者おすすめの台湾料理の一つです。



難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

材料:
鶏胸肉 ……… 1匹分(400g)
から揚げ粉 ……… 100g
 (片栗粉、小麦粉、コーンスターチなど)

調味料1:
ネギ ……… 2本
生姜 ………10g
ニンニク ……… 30g
五香粉 ……… 小さじ1/4
醤油 ……… 大さじ1
水 ……… 50cc
酒 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 小さじ1
重曹 ……… 小さじ1/4

調味料2:
胡椒 ……… 少々


作り方:
1.鶏むね肉は皮を剥いで一口大に切る。調味料1のすべてをミキサーにかけキッチンペーパーなどで漉して漬け汁を作る。

2.作り方1の漬け汁に鶏肉を入れ30分以上浸けておく。

3.浸けおいた鶏肉を取り出し、から全体に揚げ粉をまぶす。

4.鍋に油をひき、160度に熱する。作り方3の鶏肉を入れ、中火で2-3分ほど揚げ表面がきつね色になったら取り出し、油をよく切って完成。



Point:
台湾ではから揚げ粉に「地瓜粉」というサツマイモのでん粉を使います。沖縄や九州南部では手に入りますが、普通のから揚げ粉で作ってもおいしく作れます。

本来は九層塔というバジルに似たハーブを最後に一緒に炒めて添えます。日本だとなかなか九層塔が手に入らないので、多少風味は異なりますが添えたい人はバジルで代用しましょう。

同じ浸け汁につけた鶏皮やカニを揚げた『鹹酥雞皮』、『鹹酥螃蟹』という料理もあります。

五香粉はアマゾンでも買えます





繽紛山藥│ヤマイモのカラフル炒め

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繽紛山藥│ヤマイモのカラフル炒め

繽紛(bin1 fen1)とはいろんなものが混ざり合っていることを意味する中国語で、本日の料理『繽紛山藥』とは、いろんな材料と混ぜ合わせたヤマイモというような意味です。中国語には「五色繽紛」と書いて”極彩色、色とりどりの”という意味の熟語があり、本レシピも五色の材料を使った、カラフルな炒め物を作ります。

ヤマイモの白、キクラゲの黒、ピーマンの緑、赤、黄が混ざり合った美しい料理です。また、ブイヨンの塩味とヤマイモのさっぱりした甘みが混ざり合った珍しい口当たりの料理になります。一緒に炒めるキクラゲの食感も楽しく、見た目だけでなく味もにぎやかなです。

食卓に並べれば、驚かれること間違いなしの美しい料理です。

材料は日本で普通に手に入るものばかりで、作るのも簡単ですのでぜひお試しください。



難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
ヤマイモ ……… 100g
キクラゲ ……… 50g
ピーマン ……… 30g
赤ピーマン ……… 30g
 (人参などで代用可)
黄ピーマン ……… 30g
 (カボチャなどで代用可)
生姜 ……… 5g

調味料:
固形ブイヨン ……… 小さじ1
塩 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1/2
ごま油 ……… 少々


作り方:
1.キクラゲは水で戻し、食べやすい大きさに切り分けておく。ヤマイモは皮を剥き、冷水に浸けておく。0.5cmほどの厚さにスライスする。ピーマン、赤ピーマン、黄ピーマンは食べやすい大きさに切り分ける。(人参を使うときは皮を剥いてイチョウ切りに。カボチャを使うときは薄くスライスする。)生姜は千切りにする。

2.熱した鍋に多めのサラダ油(分量外)をひき、生姜を炒めて香りを出す。ピーマン、赤ピーマン、黄ピーマンとキクラゲを入れて火を通す。

3.ピーマンに火が通ったら、水気を切ったヤマイモを加え、塩、ブイヨンを加えて味を整える。

4.ヤマイモに火が通ったら火を止め、ごま油を振り掛けて完成。



Point:
人参、カボチャを使うときは薄めに切り、ピーマンと一緒に炒めて火を通します。ヤマイモは、サッと炒めて火を通すだけでOK。中火で炒めましょう。

もちろん他の色の野菜を使ってもOK。 紫キャベツや紫タマネギ、ニラやネギ、赤カブなども良いと思います。

ピーマンの表面は焦がさないように炒めます。

塩、ブイヨンの量は好みで調節してください。

材料は野菜のみなので、菜食主義の人も食べられます。





回鍋肉│ホイコーロー

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回鍋肉│ホイコーロー

すいません、今日の更新遅れました。

本日は有名中華料理の『回鍋肉│ホイコーロー』。日本でも非常にメジャーな中華料理で、スーパーでもホイコーローの素などが売られていますね。台湾でも四川料理の店で食べられます。

元は四川料理で、四川人は誰でもこの料理が作れるそうです。中国語のWikipediaには「回锅肉一直被认为是川菜之首,川菜之化身,提到川菜必然想到回锅肉。」とあり、「ホイコーローといえば四川料理、四川料理の化身、四川料理といえばホイコーロー」みたいな意味です。まさに四川料理の代名詞、日本人にとっての味噌汁、大阪人にとってのたこ焼きのような料理といえるのではないでしょうか。

一度調理した肉を鍋に戻す(回)ので、回鍋肉と呼ばれます。”回”は日本語の回すではなく、中国語では帰る・戻るの意味です。

日本のキャベツを使ったホイコーローもおいしいですが、今回は少々本格的な四川風ホイコーローのレシピを紹介します。ピーマンなどを足したり豆板醤の種類を変えてみたりと、アレンジの余地が大きく何度か挑戦すれば自分だけのオリジナルホイコーローを作ることも難しくありません。作ってとても楽しい料理と言えます。

ちなみに一度調理した食材を鍋に戻して炒めるという調理方法は、特にこの料理に限ったことではなく、台湾料理などでも広く使われる調理法です。広義にはそれらもホイコーローに含まれますが、別の料理名が付いていることが多いので一般にはホイコーローとは呼ばれません。

レトルトでも簡単に作るホイコーローももちろんおいしいのですが、オリジナルに忠実に作るこのレシピはより深い、まさに本場中華の味を楽しめます。

この料理で使うトウチは、なくても作れますが、日本の大きなスーパーなら売っていると思います。探すのが面倒なかたは以下のAmazonリンクからどうぞ。


レトルトとは違う、本格的なホイコーローレシピです。ぜひチャレンジしてみましょう。



難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

材料:
豚肉 ……… 300g
 (→Point参照)
葉ニンニク ……… 50g
 (→Point参照)
生姜 ………10g
ネギ ……… 少々

調味料:
サラダ油 ……… 大さじ2
豆板醤 ………大さじ1
砂糖 ………大さじ1/2
テンメンジャン ………小さじ2
醤油 ………小さじ2
酒 ………小さじ2
トウチ ………小さじ1/2
 (なくても作れます)


作り方:
1.生姜をスライスし、塊のままの豚肉と一緒に沸騰したお湯に入れ、10分ほど茹でる。 八分ほどまで火が通ったら、取り出して冷水に浸けて冷ます。厚さ0.5cmほどにスライスする。

2.トウチはすりつぶして豆板醤と混ぜ合わせておく。

3.葉ニンニク、ネギはぶつ切りにする。

4.鍋にサラダ油を入れ熱した後、茹でた豚肉を入れてサッと炒める。トウチを混ぜた豆板醤を加え、肉と絡め、肉に豆板醤の色が付いたら、テンメンジャン、醤油、砂糖、酒を加え、よく混ぜ合わせる。葉ニンニク、ネギを加え、肉とサッと絡めて完成。


Point:
古式には豚ばら肉を使いますが、現代では豚もも肉やサーロインで調理します。 少し脂身のある部分を使いましょう。

日本ではキャベツを炒めますが、本場四川では葉ニンニク(蒜苗や青蒜などと呼ばれます)を使います。もちろんキャベツで代用してもOKです。

茹でる時豚肉に箸を刺して貫通するようなら八分ほど火が通っています。

作り方4の部分は最初から最後まで強火で。豚肉を入れてから1-2分ほどで調理が終わります。あまり時間をかけすぎると焦げるので注意しましょう。葉ニンニクとネギは入れて10数秒ほど、熱が通ったら完成です。

キャベツやピーマンなど厚めの野菜を使うときは、テンメンジャンを入れるタイミングで鍋に入れます。その差十数秒。芯まで火が通ったらすぐに取り出して食べます。

作り方4の調理を始めてから家族に「ご飯よー」と声をかけるとちょうど良い感じで出来上がります。

調理の速度に不安がある人は事前にイメージトレーニングをしておきましょう。





沙茶拌麵│沙茶(サテ)焼きそば、焼きうどん

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沙茶拌麵│沙茶(サテ)焼きそば、焼きうどん

本日の料理は超簡単『沙茶拌麵』の紹介です。台湾では日本のカップラーメンのような位置づけの料理で、これが作れるからといって料理ができるとは決して言えないお手軽メニューです。

今回のレシピでは麺を軽く炒めながらソースと絡めるので『沙茶”拌”麵』という名前ですが、茹でた麺をソースとただ絡めるだけという作り方をすると『沙茶”乾”麵』と名前が変わります。日本人にしてみれば同じ料理ですが、中国語ではちょっと名前が違うので注意しましょう。

カップ麺はお湯を入れて三分待つだけですが、沙茶拌麵は茹でた麺を沙茶ソースと絡めるだけ。家事に疲れた主婦が「今日はもうご飯作りたくないわ」というときに、サッと作って食べる、そんな料理です。

明らかに手を抜きたい時に食べられる軽食なのですが、その味は侮るなかれ。台湾の絶品サテソースと絡まった麺は何度もおかわりしたくなるほどの美味、麺料理なのでエネルギー源としても優秀です。そして何より経済的。これほど主婦に優しい料理が他にあるでしょうか。

スーパーで数多くのインスタント沙茶拌麵が売られているので、『沙茶拌麵』はいよいよ本格的に手抜き料理の代名詞のようになってしまいました。しかしこの料理をメインに提供するレストランも全国各地に健在で足を運べば本格的な『沙茶拌麵』を食べることができます。日本のインスタントうどんと、うどん専門店のような関係だと思えばいいでしょう。

何はともあれ『沙茶醬│台湾サテソース』手に入れなければ始まりません。以前の記事を参考に自作するか、台湾旅行時に「牛頭牌沙茶醬」を買ってきましょう。Amazonでも別のメーカーのが買えます。


沙茶醬│サテソース』の作り方はこちら
また、以前紹介した他のソースを絡めても作れます。有名なのは海山炒麺などでしょうか。
各種ソースのまとめはこちら



難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
麺 ……… 1玉
 (ヤキソバの麺やうどんなどを好みで)
ニンニク ……… 10g
ネギ ……… 少々
卵 ……… 1個

調味料:
沙茶醬(台湾サテソース) ………大さじ1
塩 ……… 少々


作り方:
1.ニンニクはみじん切りにする。ネギはみじん切りにする。麺はすこし硬めに茹でておく。

2.熱した鍋にサラダ油を引き、ニンニク、台湾サテソースを軽く炒める。

3.コップ1/4ほどの水を加え、沸騰したら麺を入れて混ぜながら水気がなくなるまで1-2分炒める。

4.卵を割り入れて麺と絡めながら混ぜる。 器に持ってネギを散らして完成。


Point:
好みで少量の酢、ラー油などを加えても良いでしょう。

卵は入れなくても十分おいしく作れます。また、絡めるのではなく、目玉焼きにして上に乗せてもおいしいです。

細切りにした牛肉(牛肉絲)やタマネギと混ぜると更においしくなります。 日本のやきそばのようにいろいろと足して作りましょう。

塩の量は『沙茶ソース』の塩気と相談して決めてください。


どんな味かよく分からない人は、台湾旅行時にスーパーでインスタントの沙茶拌麵を買って味見してみましょう。






百香木瓜│パッションフルーツとパパイヤのフルーツサラダ

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百香木瓜│パッションフルーツとパパイヤのフルーツサラダ

本日は南国の味わい『百香木瓜│パッションフルーツとパパイヤのサラダ』です。台湾では日本ではあまり見かけない各種南国フルーツが手ごろな値段で変えますが、本日はそんな南国のフルーツを使ったサラダを紹介します。別名を『百香果醃木瓜』などといい、未完熟のパパイヤを使った『百香青木瓜』などもあります。

台湾の果物店に一歩足を踏み入れれば、そこはまるでワンダーランド。蓮霧、釈迦頭、グァバ、パパイヤ、マンゴー、ドラゴンフルーツなど、日本では珍しい果物が安く売られています。見たことの無い果物を口にするのはちょっと勇気が必要ですが、特に夏場は水分補給に最適です。

本日紹介するレシピはサラダといっても使うのは果物と砂糖のみなので完全にデザートです。食前に食べることもあるので、あえてフルーツサラダとよびましょう。さわやかな酸味と甘さが

さて、今回使う材料は二種類、パッションフルーツとパパイヤですが、みなさんは食べたことありますか?パパイヤは普通のスーパーでも見かけるかもしれませんが、パッションフルーツはどうでしょう?パパイヤは少々癖のある甘みの果物なので、さわやかな酸味のパッションフルーツとあわせることで、非常に食べやすく作ります。

パパイヤのカキ氷や、高雄の有名なパパイヤミルクなど、パパイヤは台湾に旅行にくれば食べる機会が多い果物の一つでしょう。

パパイヤは皮を剥いてメロンのように果肉を切ればいいのですが、パッションフルーツはスプーンで中身を種と一緒にかきだして食べます。見た目に反して食用部分は少ないので注意しましょう。

それぞれのフルーツのきり方をPointにおいておくので、参考にしてください。

子供が大喜びしそうな料理ですが、豊富な消化酵素を含むパパイヤのサラダを食べることで、たくさん食べても胃もたれせずに料理を楽しめそうです。

生クリームをかけたり、他のフルーツと混ぜ合わせても美しく作れるので、一度お試しあれ。


難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
パッションフルーツ
  果肉と果汁(種含む) ……… 300g
パパイヤ
  果肉 ……… 300g

調味料:
砂糖 ……… 70g


作り方:
1.パパイヤは果肉を板状に切る。パッションフルーツは果肉と果汁を取り出しておく。(Point参照)

1.パッションフルーツの果肉と果汁を鍋に入れ、砂糖を加えて3分ほど煮込む。砂糖が溶けてとろみが付いたら火を止めて冷ます。

2.薄切りにしたパパイヤの果肉と混ぜ合わせ、冷蔵庫で冷やして完成。


Point:
パッションフルーツの切り方









パパイヤの切り方
















 他のフルーツを加えてもおいしいですよ。
 

本当はインラインSVGで書きたいんだけどなァ…どうやるんだろう。

ツイッターはじめました

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こんにちは、甘口男Higeneです。

いまさらですが、日本で作れる台湾料理のツイッターが始まりました。

当ホームページ右上のツイッターマークをクリックで、
ツイッターページに飛びます。


もしツイッターアカウントをお持ちの方がいらっしゃいましたら

@Taiwancai

をフォローしていただけるとうれしいです。

ちなみに三つ並んでいるマークは左から
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 のそれぞれページへのリンクです。

もうすぐ食材などを販売するページも完成します。
日本の家庭でも本格的な火鍋やめずらしい台湾料理を楽しめるよう鋭意製作中です。

期待してお待ちください。



Higeneでした。

何首烏雞湯│鶏肉と何首烏のスープ

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何首烏雞湯│鶏肉と何首烏のスープ

本日は薬膳スープの一つである『何首烏雞湯│鶏肉と何首烏のスープ』を紹介します。台湾では某有名魯肉飯チェーンのお店などで食べられる、割とメジャーなスープ料理です。


薬草研究や山歩きが趣味の人は知っているかもしれませんが、普通は『何首烏?何それ?鳥?てかなんて読むの?鳥じゃない?烏?』という日本人が大部分でしょう。(台湾人も料理名を知っているだけで実際に何首烏が何なのか知らない人ばかりなのでご心配なく。)最後の文字は鳥(とり)ではなく、烏(からす)なのでご注意を。

何首烏は”かしゅう”と読み、ツルドクダミという植物の塊根を乾燥させた生薬です。江戸時代に持ち込まれて以降、北海道以外の日本中に自生するようになりました。これは不老長寿との効能を聞いた八大将軍吉宗が中国から取り寄せて全国の大名に栽培させたことに由来します。ところが大名たちはこれを服用してもてんで効果を実感できず、放置された栽培畑はいつしか忘れ去られ、野生化したといわれています。ソバやアイと同じ属の植物なので、生命力はそれは抜群でしょう。

大正時代にも何首烏ブームがあったそうですが、やはり効果はなくすぐに下火に…。なんとも効果があるのかないのか分からない植物です。

調べてみると生の何首烏には血行促進、補腎などの効果はなく、(タデ科なので当然ですが)整腸通便が主な効果で、加熱処理をして始めて補腎の効果が出ると書かれている書物が見つかりました(参照:獣医常用中草薬)。もしかして将軍様や大名たちは、加熱処理をせずに何首烏を摂って下痢しちゃったのかもしれませんね。

ともあれ、東京では下手すると市街地のフェンスに絡み付いていたりするらしいので、興味がある人は植物図鑑などで調べて根を掘り起こしてみましょう。サツマイモのような巨大な塊根が見つかれば、それが生薬何首烏です。

この生薬の奇妙な名前は「何(か)というヨボヨボで白髪の老人がこの生薬を食べたら、首(あたま)が烏のように黒くなった」という故事に由来します。この伝説の通り、血の流れを改善し、元気を増して、特に頭髪に効果を発揮するといわれています。台湾では別名を地精ともいい、地面の気を集めた塊の意味で、割と珍重されます。何首烏の調理に関してはひとつ注意があるのでPointを参照してください。 (参照:東醫寶鑑)

日本でもアポ○カという発毛促進剤に、竹節人参とともにエキスが配合されています。CM覚えていますか?血行を促進して頭髪に効果があるのは間違いないようです。

というわけで、食べると生えてくる(なにが?)かもしれない鶏肉と何首烏のスープを紹介します。日本では漢方薬局でないと手に入らないと思いますが、興味ある方は右メニューのコメント・メールフォームからお問い合わせ下さい。



難易度:
☆☆☆(材料入手による)

調理時間:
1時間以内

材料1:
鶏肉 ……… 900g
水 ……… 1000cc
酒 ……… 600cc

材料2:
当帰 ……… 10g
何首烏 ……… 25g
黄蓍 ……… 15g
大棗 ……… 8個
枸杞 ……… 5g

調味料:
塩 ……… 少々


作り方:
1.鶏肉はぶつ切りにし、沸騰したお湯で3分ほど茹でてあくを抜いておく。

2.材料2の薬材はよく洗い水気を切っておく。

3.鍋に水、酒、鶏肉、すべての材料2を入れ、過熱して沸騰させる。沸騰したら弱火にし、1時間ほど煮込む。出来上がりに塩で味を整えて完成。


Point:
鍋料理なのでネギやニンニクを加えたいところですが、何首烏はこれら二つと組み合わせて調理してはいけないとされています。同属のユリ科の植物なのでタマネギもやめておきましょう。中医学でいう禁忌といわれるものです。理由はよく分かりませんが、韓国の医学書である東医宝鑑に記載があります。長年の経験から何らかの問題があるのでしょう。

また何首烏に豊富に含まれるタンニンが鉄と結びついて吸収を阻害するので、鉄鍋を使った調理、また動物の血などと一緒に調理することも避けることとされています。これについては鉄分が吸収できなくなる形に変化するだけなので、健康上の問題は大きくはなさそうですが、おとなしくステンレスや銅の鍋で作ってください。 ちなみに野菜に含まれる鉄分は構造が違うのでタンニンとは反応しません。白菜やほうれん草など加えてもOKということです。

上記のようになんだか小難しく、使いづらい食材のようですが、台湾では探せば結構な数のお店が何首烏を使った料理を提供しています。何首烏はほんのりとした甘みがある生薬なので、大棗や黄蓍などと共に非常に使いやすい薬膳材料です。

鶏肉の代わりに烏骨鶏を使った、具もスープも真っ黒い料理もあります。

もしツルドクダミを見つけても、自分で根を掘り起こしてみるのはいいですが、実際に使うのはやめておきましょう。普通の家庭では何首烏の加工はまず無理です。

欲しい方は近所の漢方薬局か、当方にメールください。















涼拌冬粉│春雨のおつまみ

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涼拌冬粉│春雨のおつまみ

本日は台湾でも時々使う「魚露(魚醤、ナンプラー)」を使ったサラダを紹介します。日本の一部地域ではしょっつるなどと呼んだりします。福建、台湾、日本、東南アジアなどの、各地域で作られる魚露、魚醤、ナンプラーは、原料と製法が異なるためどれも微妙に味が違いますので、その辺も楽しみましょう。

さて、中国福建省の方言の一つ閩南語(台湾語も同じ系統です)では「鮭汁」という魚露の一種を「Ke-chiap」、または「Koe-chiap」 と発音します(鮭は魚ではなく、塩辛の意味)。カタカナで書くと「ケーチャプ」のように発音し、なんとこれがケチャップ(トマトケチャップのあのケチャップ)の語源だといわれています。

中国南部の魚を発酵させたソースが、東南アジアで改良され、東インド会社を通じてヨーロッパにもたらされるわけです。これがイギリスでウスターソースに変わり、さらにはアメリカにまで渡って、ついにトマトケチャップが完成します。世界を半周以上、魚露(鮭汁)がトマトケチャップに変わり、紆余曲折を経て再輸入されることになるのです。なんとも壮大な物語ですね。


魚醤はアマゾンでも売っていました。以下のリンク参照です。持っておけば料理の幅が広がります。


というわけで、本日は魚露(魚醤、ナンプラー)を使った春雨料理を紹介します。おいしいですよ。

魚醤があればエスニックな料理が日本でも非常に簡単にできます。台湾料理にもたくさんこの魚醤を使う料理がありますので、興味ある方は自宅の調味料コーナーにおいておきましょう。

難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
春雨 ……… 2束
小型のエビ ……… 6-10匹
鶏胸肉 ……… 30g
タマネギ ……… 20g
唐辛子粉 ……… 小さじ1/2

調味料:
魚醤 ……… 大さじ2
砂糖 ……… 大さじ1
レモン汁 ……… 大さじ3


作り方:
1.春雨は水につけて柔らかくしておき、沸騰したお湯で指定時間(太さによって変わる)茹でる。取り出して氷水につけ荒熱を取り、冷えたら水分を切っておく。

2.春雨を茹でたお湯で殻を剥いたエビを茹で、一口サイズに切る。同じ湯で鶏胸肉を茹でて火を通し、手で裂いて糸状にする。タマネギは千切りにし、冷水に付けて辛味を抜いておく。

3. よく水気を切った材料をすべての調味料と混ぜ合わせて完成。


Point:
少量の醤油を足してもおいしいです。

好みでキュウリやキクラゲ、干しエビなどを加えても良いかと思います。仕上がりにゴマを振ったりと各自でアレンジしてください。 アレンジこそ家庭料理の醍醐味です。

茹でた食材は氷水につけて荒熱を取るのを忘れないようにしましょう。生暖かいと魚醤の匂いが目立ちます。

エビは冷凍ものでもOKです。

胡椒蝦│エビの胡椒焼き

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胡椒蝦│エビの胡椒焼き

本日紹介するのは『胡椒蝦│エビの胡椒焼き』という料理。台南地方発祥の純粋な台湾料理の一つで、南部地方では非常な人気を誇ります。

『胡椒蝦』というだけあって、非常にスパイシーな料理で東南アジア系の辛い料理が好きな方は中毒になること間違いありません。蝦の甘さと胡椒の辛さは、お酒のおつまみに最適で、台北市内でも熱炒の店や蝦釣り場などで簡易版の『胡椒蝦』を食べることができます。

しかし今日は台南地方の本格的な胡椒蝦を日本で作ってしまいましょう。材料は日本の台所にあるものだけで作れるので恐れることはありません…が、調理にドライヤーを使います。本場台南の胡椒蝦は帽子をひっくり返したような専用の鉄鍋を使って長時間加熱して作るのですが、日本で準備するのはまず不可能なため、ドライヤーを代用します。ドライヤーを使った調理は、いろいろな料理に応用ができそうですが、まずは恐れず試してみてください。

食べる時は殻つきの頭をまずパクリと行きましょう。殻に閉じ込められた香辛料の香りが口いっぱいに広がります。そして流れ出す甘みあふれる蝦の脳。頭部分だけでビールを数杯いけてしまうほどの強烈な美味。胡椒がよく絡まった足部分は噛むとパリパリと音を立ててはじけます。

本場では非常に多くの香辛料をブレンドして調理するそうです。ビールが苦手な方や子供はコーラやスプライトなどの炭酸飲料で口内を洗い流しながら食べるといいでしょう。

これぞまさに台湾南部の味、中国の歌手フェイ・ウォンも台湾に来るたびに食べるという胡椒蝦を日本の家庭でもぜひ!Higeneが心の底からおすすめするレシピの一つです。

写真は台南の某有名店の胡椒エビ



難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

材料:
エビ ……… 600g
 (新鮮な大型のもの→Point参照)
胡椒 ……… 大さじ1
唐辛子粉 ……… 適量
生姜 ……… 10g
酒 ……… 大さじ5

調味料:
五香粉 ……… 小さじ1


作り方:
1.エビはよく洗いはさみでヒゲと足先を切る。少量の酒に漬けておき、臭みを抜く。

2.殻の付いたまま背中を割り、背ワタを取る(→Point参照)。ニンニクはすりおろしておく。

3.深めの鍋(→Point参照)にエビとすりおろしたニンニクを入れ、酒とすべての調味料を加えてよく混ぜ合わせる。

4.強火でよくかき混ぜながら加熱する。水気がなくなってきたらドライヤーの熱風で表面を乾かしながら殻がパリパリになるまで炒めて完成。

 こんな感じになるまで炒めます。


Point:
エビは新鮮で大型のもの、日本でならブラックタイガーや車えび、テナガエビなどを使いましょう。台湾の熱炒の店では小型のものも出てきます。

背ワタのないエビを使うなら背中を割らずに調理します。

本来は鉄鍋を使いますが、なければ行平鍋やシチュー鍋などで調理しましょう。フライパンで調理も可能ですが、混ぜる時にエビが飛び出すかも知れません。

塩コショウではなく、胡椒のみを使います。なるべく品質の良い胡椒を使って調理しましょう。塩は出来上がりに好みで振りかけてください。

唐辛子粉は入れなくても作れます。出来上がりにごま油をたらしたり、すりおろしたニンニクを入れてもOK。

ドライヤーを使うときはコードが鍋の取っ手に引っかからないように注意。強火で調理するので、もれた火でコードが焦げるのにも注意です。

強火で下から、ドライヤーの熱風で上からと両方から加熱して殻表面の水分を飛ばします。ドライヤーを使わない場合は、表面の水気が飛ぶまで焦がさないようによくかき混ぜながら加熱します。少々時間はかかりますが、殻をパリパリにするのがポイントです。

出来上がりを頭からパクリと行きましょう。コレを食べず(作らずして)して台湾料理は語れません。





羊肉爐(1)│羊肉スープ(1)

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羊肉爐(1)│羊肉スープ(1)

本日は台湾冬の風物詩 『羊肉爐│羊肉スープ』の紹介です。以前紹介したことのある火鍋、薑母鴨などと並んで、台湾の冬の鍋料理といえばこれです。

2月半ばとはいえ、既にうっすらと春の陽気が漂い始めた台湾ですが、 火鍋、薑母鴨、羊肉盧を提供するお店ではこの冬最後のかきいれ時に精を出しています。 羊肉盧は名前のように羊肉をいろんな漢方薬で煮込んだスープです。単純に生姜のみで作るものから、今回紹介する漢方薬を使った薬膳羊肉盧まで、レシピの種類が豊富です。

台湾ではどの家庭にもお気に入りの羊肉盧があり、主婦たちの会合時に情報交換が行われているようです。一家の料理人である主婦たちに言わせれば羊肉盧は味も大事ですが、「自宅から微妙に遠い距離にあり、すこし手間をかけて買いに行く」というのもポイントのようです。

かくいう筆者も三重にある某羊肉店のものがお気に入りで、この冬はもう4度も食べました。

さまざまなレシピがあるので折を見ていろいろなレシピを紹介したいと思います。本日はちょっと難しめの薬膳羊肉盧です。



難易度:
☆☆☆

調理時間:
3時間ほど

材料1:
桂皮 ……… 5g
陳皮 ……… 5g
熟地黄 ……… 5g
銀杏 ……… 5g
当帰 ……… 7g
当参 ……… 7g
枸杞 ……… 7g
黄蓍 ……… 7g
大棗 ……… 6個

材料2:
羊肉 ……… 500g
白菜 ……… 1個
ネギ ……… 3本
生姜 ……… 1塊
酒 ……… 300cc

調味料:
ごま油 ……… 大さじ3
塩 ……… 少々

作り方:
1.材料1をティーバックに入れて100ccほどの酒に20分漬けておく。ネギは食べやすい大きさに切る。生姜はスライスにする。

2.羊肉はぶつ切りにし、沸騰したお湯にくぐらせてアクを抜いておく。 取り出して冷水に付けておく。

3.熱した鍋にごま油をいれ、生姜と羊肉を入れ表面にうっすらと焦げ目が付く程度まで炒める。

4.作り方1で酒に漬けておいたティーバックと、酒を加え、羊肉のすこし上まで水を加える。強火で沸騰させアクを取ったら、弱火にして2時間じっくりと煮込む。

5.羊肉が柔らかくなったら白菜を加え、火が通るまで煮込む。最後に塩で味を整えて完成。


Point:
生姜は一塊(100gくらい)をそのままスライスして用います。きれいに泥を落として皮のついたままスライスしてください。鍋には入っていますが食べません。

生薬を使わず、生姜のみで作ると簡易版の羊肉盧になります。この場合肉が違うだけでほぼ薑母鴨と変わりません。多くの薑母鴨店で羊肉盧も提供している理由です。

羊肉はじっくり煮込みましょう。

熟地黄、当帰、大棗には補血、枸杞には滋陰、党参、黄蓍には補気の効能があるとされ、銀杏は肺気をまとめ、桂皮は経脈を通し、陳皮は脾を健康にします。羊肉は精血を補い、陽気を助けるといわれているので、まぁ、全体として血脈を通じ、気血を滋して補うといった効能ですね。





五味拌雞胗│砂肝の五味ソース和え

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五味拌雞胗│砂肝の五味ソース和え

本日はいくつかある台湾小菜のうち、定番のこちら『五味拌雞胗│砂肝の五味ソース和え』を紹介します。五味ソースという甘辛いソースを、茹でた砂肝と絡めて食べる料理です。

台湾の中規模飲食店ならどこにでもおいてある定番小菜の一つで、家庭料理としてもよく食べられています。名前にある雞胗とは砂肝のことで、日本ではほとんど使わない「胗」という字が、鳥の内臓を表す漢字です。鴨・駝鳥の砂肝も鴨胗・駝鳥胗といい、珍味として食べられます。

コリコリした食感とピリ辛のソースがたまらない料理です。キンキンに冷やして食べるとさらにおいしく、お酒のおつまみには最高です。

以前紹介した五味ソースを使いますが、簡単な作り方も併記しておきます。

五味ソースの作り方はこちら


難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
砂肝 ……… 300g
ニンニク ……… 10個
ネギ ……… 適量
生姜 ……… 適量
タマネギ ……… 適量
酒 ……… 大さじ1

材料2:
五味ソース ……… 大さじ5

調味料:(五味ソース)
 醤油 ……… 大さじ2
 ケチャップ ……… 大さじ1
 タバスコ ……… 大さじ1/2
 酢 ……… 大さじ1/2
 砂糖 ……… 大さじ1/2
 ごま油 ……… 大さじ1



作り方:
1.砂肝は食べやすい大きさにスライスし、よく洗う。お湯を沸騰させて、砂肝を3分ほど茹でて取り出しておく。

2.砂肝を茹でたお湯に酒を加え、沸騰したら取り出しておいた砂肝を再び入れて弱火で10分煮る。火が通ったら砂肝を取り出し、氷水につけておく。

3.すりおろしたニンニクと調味料を混ぜ合わせ、砂肝と絡める。ネギ、生姜、タマネギは細く千切りにし、砂肝と絡めて完成。


Point:
五味ソースはタバスコの代わりに唐辛子を適量加えても作れます。苦手な味(例えば酸味)があれば酢を抜くだけなので、味の調節も簡単です。好みの味で作りましょう。

野菜はぜんぜん使わなくても作れます。もちろん他の野菜を加えてもOK。

晩御飯は砂肝だけ、晩酌時にタマネギを加えてビールのお供に…と、いろいろ応用が利きます。




涼拌小菜│コンブともやしと春雨の中華おつまみ

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涼拌小菜│コンブともやしと春雨の中華おつまみ

ブログ読者の方からリクエストがあったので本日は『涼拌小菜│コンブともやしと春雨の中華おつまみ』という料理を紹介します。

某有名料理店で提供される『小菜(おつまみの意味)』という物を参考に作ったレシピで、日本にも多くのファンがいるようです。

台湾や中国の小さな飲食店では、小皿に乗ったサラダなどは基本的にセルフサービスで、置いている棚から好みのものを取ってきて勝手に食べます。この小皿料理がおいしいお店こそが名店といえるのです。

この中華の小皿料理ですが、なかなかに奥が深くレシピは膨大な数になります。徐々に紹介していきたいと思いますので作ってみた方は報告ください。

本日はコンブ、もやし、干し豆腐と春雨を和えた、お酒のお供に最適な小料理を紹介します。


(注1):某有名料理店の料理を再現したかったのですが、いかんせん筆者は実物を食べたことがなく、料理の写真と似たような涼拌料理から味を類推して作っています。機会があれば一度食べに行って、レシピをアップグレードしたいと思います。

(注2):『涼拌海帶絲』などの料理をベースにこのレシピを作っています。



難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

材料:
生コンブ ……… 300g
モヤシ ……… 100g
干し豆腐 ……… 50g
春雨 ……… 40g
ニンニク ……… 15g
生姜 ……… 40g
唐辛子 ……… 1本

調味料:
酒 ……… 大さじ1
酢 ……… 小さじ2
醤油 ……… 大さじ2
酢 ……… 大さじ4
塩 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 小さじ1
水 ……… 大さじ2


作り方:
1.ニンニクをみじん切りにする。唐辛子を輪切りにする。コンブを10cmほどの長さの糸状に切り分けておく。春雨は茹でて火を通しておく。干し豆腐を糸状に切っておく。

2.鍋にお湯を沸かし、数枚に切り分けた生姜を入れておき沸騰したら取り出す。取り出した生姜を細い糸状に切る。

3.ボウルで調味料すべてを混ぜ合わせ、ニンニクと唐辛子を加え混ぜておく。

4.作り方2で沸騰させたお湯で、もやしを湯がき、火が通ったら取り出して水気を切っておく。同じお湯で切ったコンブを茹で色が変わったら取り出し、水気を切る。

5.生姜、もやし、コンブ、干し豆腐を調味料の入ったボウルに入れ、よく絡めたら完成。

 
Point:
できたものを冷蔵庫に入れて冷やしておくとよりおいしくなります。

コンブだけでも作れます。モヤシと春雨と干し豆腐は好みで量を調節してください。

調味料の酢は黒酢に変えたり、ブレンドしたり、量を増減したりして好みの酸味に調整しましょう。大さじ4は人によっては多すぎるかもしれないので、調味料を混ぜる時は半分程度加えて、後は味見しながら加えてください。類似料理のレシピによれば、たぶん実物も白酢1:黒酢3くらいのブレンドです。

砂糖の量も各人の好みに合わせて増減してください。

春雨の太さに合わせて、コンブと干し豆腐を糸状に切りそろえましょう。材料を同じ太さに切りそろえて和えるのが美しく作るポイントです。

実物の写真には生姜が乗っていないように見えるので、生姜はなくてもいいかもしれません。

コンブ、もやし、春雨などの比率は好みで変えてください。春雨を多めに、昆布を減らしてもいいと思います。

辛いのが好きな人は調味料に小さじ1/2から1くらいのラー油を垂らすとおいしいと思います。また出来上がりにゴマを振ってもおいしいと思います。

動物性の材料は使っていないと思うので、菜食主義の人にもおすすめです。




東安雞、東安子雞│鶏肉の東安炒め

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東安雞、東安子雞│鶏の東安炒め

当ブログでもひそかにファンの多い湖南料理。『左公雞』や『生菜蝦鬆』など、御飯のおかずにぴったりの料理が多いので、晩御飯を作るときに参考にされている方が多いようです。本日はそんな湖南料理から『東安雞、東安子雞│鶏肉の東安炒め』という料理を紹介します。

名前が二つありますが、「子」が付く方は若鶏を使うことを強調しているだけで、調理方法は変わりません。若鶏を使って作るというのが料理の由来にもなっているのですが、もちろん普通の鶏肉を使って作ってもまったくかまいません。

東安とは湖南省にある土地の名前(現在の湖南省永州市東安県)で、この料理はこの地域の郷土料理だと言われています。酢と唐辛子を使った酸っぱ辛いソースに揚げた鶏肉を絡めて作ります。

元をたどるとその歴史は非常に古く、もとは結婚や就任時の宴会の席で食べられていた料理です。元となるレシピは唐代(遣唐使の時代です)玄宗皇帝の時代のレシピ本に既に記載されており、今に至るまで少なくとも1200年以上の歴史があります。元となる料理の伝説は更にそれ以前に遡りますので、とにかく非常に長い歴史を持つ料理というのは疑いようもありません。

歴史が長いので料理名もいくつか変遷をたどっており、それぞれに伝説が附されているのが面白いところです。簡単に紹介します。

まずは西晋時代、この料理は『陳醋雞』と呼ばれていました。なんと時代は西暦290年、とある県令が慶典の儀を行うため、各地の長を集めそれぞれの土地の料理人を連れて越させました。 当時の習慣では正式なコース料理の五番目には必ず鶏肉料理を出すことになっていたのですが、その時の鶏肉料理はなぜか酸っぱく、おかげで料理を食べた客たちは食がどんどん進みました。食後にホストである県令は料理人を呼び「なぜあの鶏料理は酸っぱかったのか?」と問います。料理人は跪いて「申し訳ありません、急いでいたもので、お酒と間違えて陳醋(黒酢の一種)に漬けてしまいました。酸味を抑えるため、すぐに花椒と生姜を加えたのですが…、酢の味が消えなかったようです。どうかお許しください」と答えました。県令は笑って、「頭を上げよ。客は皆あの料理が旨かったと言っていた、おまえを呼んだのは褒美を取らすためだ」と答えました。それからこの料理を『陳醋雞』と呼ぶようになり、民間に広まっていった、という話。

唐代よりさらに遡って西晋の伝説とは…はるか遠い昔のお話です。

ずずっと時代は下がって清朝末期(1870年頃)、この料理は『官保雞』と呼ばれることになります。太平天国の乱を鎮圧した湖南の席寶田は晩年郷里に戻り有名な将軍たちを呼び宴を開催します。この席には『左公雞(左宗棠雞)』の由来になった「左宗棠」も参加しています。酒席には『陳醋雞』も登場するのですが、料理人はうま味を増すため、これに更に豆腐乳を加えて作ります。この料理は来賓に非常に好評を博し、左宗棠は席寶田に料理名を尋ねます。席寶田は『陳醋雞』ではあまりに田舎っぽいと思い他の料理名を考えていた時、同席していた曾國藩が「これは席官保家の特別料理ではないか、『官保雞』と呼んではどうか?」と提案します。左宗棠は「うむ!名将の家から出た名品『官保雞』、良い名ではないか!」と納得します。その後料理は宮廷で紹介されるまでになり、有名になりました。

ちなみにここで登場する曾國藩は、ここで登場する左宗棠やあの李鴻章の師と呼べる人です。

更に時は下って近代1926年、国民党の軍人唐生智は第一次北伐後、南京に住居を構え勝利を祝います。部下や同僚を招き料理人に『官保雞』を作らせます。専属料理人は伍家橋(前出の席寶田の故郷)出身で、料理に更なる工夫を加えていました。鶏肉はまだ卵を産んでいない若鶏を用い、切り分けた鶏肉を並べてもとの一匹の形に戻して提供するという見た目にも美しい料理を作って出しました。食べた人は皆「形が美しい、色も鮮やか、肉も柔らかで、味は爽快、脂が乗ってるのに油っこくなく、どれだけ食べても飽きない、香りは溢れ、栄養豊か、香ばしく、甘み、酸味、辛味、柔らかで、それでいて完全に火が通っている、まさにパーフェクト!」と大絶賛し、唐生智に料理名を尋ねます。唐生智がまさに答えようとしたとき、彼の家庭教師である顧伯敘が「故郷の味、故郷の料理と紹介しろ」と耳打ちします。唐生智は「これはわが故郷東安の特殊な料理で、『東安雞』という」と答えました。以後唐生智は客をもてなす時に必ずこの料理を提供し、『東安雞』は宴会料理として定着しました。

最後のは中国では歴史から抹殺されてそうな故事ですが、調べてみると大陸ではやっぱり別の物語が伝わっていました。

玄宗皇帝の開元年間に湖南は東安県に3人のおばあさんが経営するある料理店がありました。ある晩数人の客が訪ねてきて旨いものを出してくれと注文します。当日の材料は全部使い切ってしまっていたため、その場で鶏を絞め生姜やニンニクで炒め、酢、塩などで味付けして提供しました。客は絶賛してあちこちで宣伝してまわり、時の県令までもがわざわざ店に足を運んでは食べるという有名料理になりました。県令によりこの料理は『東安雞』と名付けられ今に伝わります。

玄宗皇帝時代の書物に記載のある料理のため、最後の故事はどうも眉唾ですが、とにかく非常に古い歴史を持つ料理のようです。

どうやら中国の料理は夜遅くに訪ねてきたお偉いさんが、即席の材料で作った料理を絶賛するという物語が大好きなようです。以前紹介した『左公雞』の故事もそうですね。中国では料理の物語に偉い将軍や軍人が登場します。日本でいう偉い武将さまが鷹や白蛇に導かれて見つけては傷を癒した温泉の物語みたいなものでしょう。

この料理にまつわる故事はたくさんあり、それだけこの料理が多くの人に愛されていることが分かります。実際の料理も講談の内容に劣らず、一度食べると忘れられない美味です。

日本の中華料理店でもなかなか食べることはできないので、夕食のメニューとして提供すると驚かれること間違いなしです。本当においしいので、興味がある方はぜひ挑戦してみましょう。

ちなみにきちんとした日本語で紹介された東安鶏のレシピはこれが初めてかもしれません。茹でた鶏肉を炒める調理法と、生から炒める調理法がありますが、今回は後者を紹介します。作ったらぜひご報告ください。



難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

材料:
鶏もも肉 ……… 2本
ネギ ……… 1本
生姜 ……… 10g
唐辛子 ……… 2本
花椒 ……… 大さじ1/2

調味料1:
醤油 ……… 大さじ1
片栗粉 ……… 大さじ1と1/2
サラダ油 ……… 大さじ1
酒 ……… 大さじ2

調味料2:
醤油 ……… 大さじ2
酒 ……… 大さじ1
酢 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 小さじ2
塩 ……… 小さじ1/4
水溶き片栗粉 ……… 大さじ1/2
ごま油 ……… 少々



作り方:
1.鶏肉は骨を抜き、調味料1を混ぜ合わせたものに30分ほど浸けておく。 ネギはぶつ切りにする。生姜、唐辛子は糸状に切っておく。

2.鍋に油を入れ180度まで熱し、作り方1の浸けておいた鶏肉を入れ、揚げて中まで火を通し取り出して油を切っておく。

3.熱した鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)を入れ、花椒を色が変わるまで炒める。生姜と唐辛子を加えてサッと炒め、ネギと作り方2で揚げた鶏肉を加え、調味料2をすべて加えてよく混ぜ合わせて完成。


Point:
調味料1のつけダレにオイスターソースや豆腐乳を加えると更においしいです。

故事に忠実に、鶏丸々一匹を切り分けて作ってももちろんOK。若鶏を使えば更に柔らかく作れます。

一緒に炒めるならタケノコやピーマン、豆類などです。

鶏肉は一度揚げて火を通しているので、炒めすぎて身が縮んでしまわないように注意しましょう。最後はネギと調味料と絡めて軽く水気を飛ばすだけでOKです。

干し唐辛子を多めに(10-20gほど)使い、四川風に辛く作るのもアリです。ご飯が進みまくります。

地方のスーパーでは花椒はなかなか見かけませんが、Amazonで買えます。



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ソースまとめ

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ソースまとめ

紹介したいソースはたくさんあるのですが、予想通りアクセスが落ちてきた(笑)のでひとまず第一回目の中華ソース特集は終わります。明日からはまた通常の台湾料理の紹介に戻りますので、ご期待ください。

ソース単体よりも、料理と合わせて紹介した方がアクセスが伸びそうなので、次からはそうすことにします。
このページに今まで作ってきたソースをまとめてみました。記事は適時更新していきます。


表:ソースまとめ
ソース名 主な材料 相性のいい食材
蒜泥醬│中華ニンニクソース ニンニク 豚肉、魚、野菜など
五味醬│五味ソース ケチャップ、醤油など エビ、イカ、貝類など
糖醋醬│糖醋ソース 酢、砂糖など 豚肉、魚、豆腐、タマネギなど
沙茶醬、沙嗲醬│台湾サテソース 干し魚、干しエビなど 牛肉、野菜、麺、ご飯など
乳香醬│中華バターサテソース バター、牛乳、ハーブなど 豚肉、鶏肉、燻製、腸詰、麺など
芝麻醬│中華ゴマソース ゴマ 豚肉、牛肉、鶏肉、野菜、麺など
海山醬│海山ソース ケチャップ、砂糖など でん粉を使った料理、海鮮類など
怪味醬│怪味ソース ゴマ、ニンニク、酢など 鶏肉、鴨肉、豆腐など
炸醬│炒め物ソース 豆板醤、ニンニクなど 肉類、麺、飯など
魚香醬│魚香ソース 豆板醤、砂糖など 牛肉、豚肉、茄子など
辣醬油│ラージャン油 トウガラシ、醤油、ニンニクなど 野菜、餃子など
一部リンクはソースを使った料理のページに飛びます。
料理を作る過程でソースを作るので、そちらを参考にしてください。 


覚書のために、他のソース名を列記しておきます。
柱侯酱、蒜末辣醬、豆瓣腐乳醬、甜辣醬、豆豉醬、花生紅油醬、香麻辣醬、醋味麻醬、蒜蓉醬、薑蓉醋味醬、XO醬、酸甜醬、干貝醬、鳳梨黃豆醬、乾燒醬、客家金桔醬など。ステーキやケーキ用のソースもあるので細かく分ければたぶん百種類こえま

他のソースの作り方を知りたい方はコメントかメールをください。

怪味醬│怪味ソース

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怪味醬│怪味ソース

『怪味醬│怪味ソース』とは、なんとも奇妙でどこかコミカルな名前のソースですが実在します。ベースとなるのは先日紹介した『芝麻醬』でそれにいくつかの材料を加えて作ります。

もとは四川省は重慶で発明されたソースといわれており、一口食べると甘、辛、酸などの複雑な味が楽しめることからこの名が名づけられたといわれています。たしかにゴマソースにニンニクと生姜、唐辛子を混ぜて作るといわれれば、誰もが「なにそれ?どんな味になるの?」と首を傾げてしまいますね。

このソースを使った料理といえば『怪味雞』(別名『秧盆雞』)が非常に有名で、こちらは満漢全席にも登場する由緒ある料理です。他にも『怪味鴨』、『怪味豆』などがあり、特に鶏肉との相性がよいソースとされます。

怪味鶏』は素で茹でた鶏もも肉に、このソースをかけて食べる料理です。作り方は本記事のPointを参照してください。台湾でも四川料理の店で食べられます。

さまざまな材料をベースに作るため、今までのソースとは違って材料が多いですが、調理はただ混ぜるだけ。鶏肉と合わせたときの味はまさに想像を超える奇妙なおいしさです。普通の家庭なら材料の半分以上は台所にあるはずです、一度お試しください。

材料の素になる『芝麻醬』の作り方はこちら 



難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
芝麻醬 ……… 大さじ2
ニンニク ……… 2個
生姜 ……… 3g
ネギ ……… 少々
唐辛子 ……… 小さじ1
ゴマ油 ……… 小さじ1/2
醤油 ……… 小さじ1
酢 ……… 小さじ1
塩 ……… 小さじ1/4
水 ……… 大さじ4


作り方:
1.ニンニク、生姜、ネギを細かくみじん切りにする。

2.芝麻醬に少しずつ水を加えサラサラになるまで延ばす。

3.残りの材料を加え混ぜ合わせて完成。



Point:
芝麻醬の粘度によって水を増減してください。数回に分けて水を加えないとダマになるので注意。

ゴマソースは胡麻ドレッシングで代用が可能だと思います

好みで小さじ1の練りワサビを加えると、更に美味(怪味)になります。

大目のお湯で茹でた鶏もも肉に『怪味醬』をかければ『怪味雞│怪味鶏、鶏もも肉のゴマソースがけ』という料理になります。ソースをまぶしてオーブンで焼いても美味です。




海山醬│海山ソース

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海山醬│海山ソース

本日のソースは『海山醬│海山ソース』という変わった名前のソース。ケチャップベースの甘辛いソースです。名前は知らなくても『蚵仔煎│台湾カキオムレツ(オーアーチェン)』、『蛋餅│台湾卵焼き』、『碗粿│台湾茶碗蒸し(ワーックイ) 』などを食べたことがある人なら「ああ、あの時の!」と思い出していただけるかと思います。台湾旅行時に口にしたことがある方も多いことでしょう。

海山の名前の由来を調べてみたのですがよく分かりませんでした。元はといえば『肉圓』という台湾料理のソースだそうです。

特に炭水化物を主体とした台湾の軽食との相性がよく、台湾の軽食ソースに多く使われます。また火鍋のつけダレ、野菜のドレッシングとしても使います。


難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
米粉 ……… 大さじ2
冷水 ……… 300cc
醤油 ……… 大さじ1と1/2
味噌 ……… 大さじ1
ケチャップ ……… 大さじ3
砂糖 ……… 大さじ2
塩 ……… 適量


作り方:
1.冷水に米粉を混ぜ、よくこねる。

2.粘りが出たら、材料を加えてよく混ぜて完成。


Point:
味噌の塩分はメーカーによって違うので、塩の量を増減して各自調整しましょう。

しばらく置いておくと粘度が増します。その時は温水を加えるか、加熱するなどして粘度を調節しましょう。

唐辛子やラー油を加えるとピリリとした辛味が加わります。好みでどうぞ。

酸味を調節したい場合ケチャップを増減します。

相性のいい料理は
 ・蚵仔煎│台湾カキオムレツ(オーアーチェン)
 ・蛋餅│台湾卵焼き
 ・碗粿│台湾茶碗蒸し(ワーックイ)
 ・米腸
 ・肉圓
 ・火鍋のつけダレとし
 ・サラダのドレッシングとして
などです。  




芝麻醬│中華ゴマソース

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芝麻醬│中華ゴマソース

本日は『芝麻醬│ゴマソース』の紹介です。台湾はもとより、中華圏全体で非常によく使われる調味料で、『擔擔麵│タンタン麺』や『棒棒雞│バンバンジー』の基本的な味付けや火鍋のつけダレ、海鮮材料と和えたり、そのまま麺にかけたりして使います。

台湾のコンビニでは砂糖で甘く味付けした黒ゴマソースを包んだにくまんも売っています。その他、デザートなどにも応用でき、その応用は無限大ともいえるでしょう。

焙煎したての胡麻を使った手作りの胡麻ソースは、市販のものよりも香りが高く料理の味を引き立ててくれること間違いなしです。


胡麻には豊富なたんぱく質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルが含まれ、保険食品として非常に優秀です。特に鉄分、カルシウムが豊富で、鉄分は動物の肝臓や卵黄の数倍、カルシウムは野菜や豆類よりも豊富に含まれています。

ゴマの歴史は非常に古く5000年以上前にナイル川流域で栽培されていた記録が発見されています。 日本で本格的に普及したのは室町時代の日明貿易で輸入品が流通し始めてからで、茶と一緒に全国に 広まりました。現在日本国内で使われているゴマの99%以上は輸入品で、国内では鹿児島の喜界島でわずかに栽培されているのみです。

日本における漢字名称は胡麻と書きますが、この”胡”の字は主に中国西方の異民族を表す字(時代により指す民族は異なります)で、この字が含まれているものは「中国西方の異民族から伝来したもの」を意味します。他にも胡瓜(きゅうり)や胡桃(くるみ)、胡椒(こしょう)、胡弓(楽器)など”胡”のつく単語は多く、だいたいは中国西方の異民族から伝来したことを示しています。食事中のうんちくとしていかがでしょうか?(ただし胡弓は中国の二胡とは別系統で、東南アジア由来との説が有力だそうです。)

台湾や日本、その他アジアでは白ゴマ、黒ゴマ両方が使われますが、実は欧米では白ゴマしか使われません。白ゴマ、黒ゴマとも栄養成分にはほとんど差がありません。食材との色味を考えて使い分けましょう。

さて胡麻といえばアリババと17(?)人の盗賊の「開け胡麻(Open Sesame)」が有名ですが、中国語でもそのものズバリ「芝麻開門(ゴマ、開門)」と言います。

調理自体は非常に簡単で、フードプロセッサーがあればすぐにできます。炒ったゴマの香ばしい香りが部屋中に漂い食欲がそそられること間違いなしのおいしいゴマソースにチャレンジしてみましょう。

休日は誰かと一緒に手作りのゴマソースでタンタン麺やバンバンジーを作るのもいいですね。



難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
白ゴマ ……… 400g

ニンニク ……… 4個
ネギ ……… 適量

調味料:
醤油 ……… 大さじ2
砂糖 ……… 大さじ2
水 ……… 適量


作り方:
1.フライパンで白ゴマを表面に軽く色が付く程度まで炒っておく。ニンニクとネギはみじん切りにする。

2.フードプロセッサーで炒った白ゴマを粉砕する。

3.粉砕した白ゴマをボウルに取り出し、水で好みの程度まで粘度を整えた後、醤油、砂糖、ニンニク、ネギを加え混ぜ合わせて完成。

Point:
その他の材料を何も加えず、炒った白ゴマを粉砕しただけのものもおなじく『芝麻醬』と呼びます。

ゴマに含まれる油分によって出来上がりの粘度が異なります。サラダ油や水で調整しますが、今レシピでは水を使っています。

フードプロセッサーで粉砕するとき、油が出てきて粘ります。フードプロセッサー付属の攪拌棒で押し込むか、フードプロセッサーを停止して均質に均すなどを繰り返しましょう。さらさらのソースを作るなら少量ずつ水を加えて粉砕してもよいでしょう。

フードプロセッサーで粉砕する時にニンニクを加えてもOK。

ニンニク、醤油、砂糖、ネギの量は好みで調整してください。

相性のいい食材は
 ・茹でた豚肉
 ・鶏肉
 ・サラダ
 ・麺
 ・火鍋のつけダレ
などです。ほかにもさまざまな食材とあわせられます。

日本でもとんかつのソースや餃子、鍋のつけダレに使ったり、サラダ油などで延ばしてドレッシングを作ったりもできます。応用範囲は非常に広いので独自のレシピを開発してみるのもよいでしょう。

保存は空気が入らないようにジップロックなどにいれ、冷蔵しましょう。1週間ほど持ちます。 






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乳香醬│中華バターソース

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乳香醬│中華バターソース

本日は字面がなんとも柔らかい『乳香醬』というソースを紹介します。牛乳をベースとしたコクのあるソースで、オーブンで肉を焼くときに表面に塗ったり、火鍋のタレに使ったりします。もとは西洋のバターソースが基本になっていると思われます。

名前こそ乳香と書かれていますが、香料として使う「乳香(フランキンセンス)」とはまったく関係がなく、このソースの場合は単にミルク(乳)の味・香りがする(香)を意味しています。

牛乳とは別に加えるハーブ・香辛料によって非常に幅広い料理に応用されるのが特徴で、西洋のハーブミックスを加えれば西洋料理に、和風の調味料を合わせれば日本料理に応用されます。もちろん五香粉などで作れば中華料理に合わせることができ、作り方次第で無限ともいえるレシピを楽しめます。

台湾ではあまり一般的ではないですが、肉料理の調味料として、またハムやソーセージを使った料理などに使われます。干し肉や燻製との相性がいいので、これらを使った料理を作るときはぜひ作ってみましょう。熱々のソーセージをこのソースにつけて食べるとおいしいですよ。

いくつかのレシピを紹介しますので、作る料理に合わせて調合してみましょう。作るのは非常に簡単です。



乳香醬A(スタンダード)

難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
バター ……… 30g
牛乳 ……… 20cc
タマネギ ……… 1/4個
ネギ ……… 半本
五香粉……… 小さじ1/2
ローリエ ……… 1枚
塩 ……… 少々
胡椒 ……… 少々

作り方:
1.タマネギとネギはみじん切りにする。

2.材料をすべて混ぜ合わせて完成。


Point:
バターはクリーム状になるまでよくかき混ぜます。溶けると材料と分離するので、出来上がったら冷蔵庫などに入れておきましょう。

一度溶かしたバターに材料を加え、冷えた牛乳を少量ずつ加えながら作ると早く作れます。

五香粉の部分をに変えればハーブミックス風に、山椒や鰹節などで作れば和風のテイストに仕上がります。

相性のいい料理は
 ・ソーセージ、ハムなど
 ・ソーセージ、ハムなどを使った料理
 ・鶏肉
 ・中華ソーセージ
 ・炒飯、炒麺などの味付け
 ・火鍋のタレ
 ・ハンバーグ
 ・オーブンで調理する肉料理
 ・脂っこい焼き魚
などです。


乳香醬B(ヨーロピアン)

難易度:
☆☆

調理時間:
30分以内

材料:
サラダ油 ……… 大さじ2
タマネギ ……… 1/2個
 (エシャロット1個でもOK)
白ワイン ……… 30cc
ビネガー ……… 20cc
ブイヨンスープ ……… 50cc
バター ……… 150g
生クリーム ……… 大さじ1/2
 (牛乳でも代用可能)
塩 ……… 適量
胡椒 ……… 適量



作り方:
1.タマネギはみじん切りにする。

2.鍋にビネガーとタマネギを入れ、水分がなくなるまで弱火で煮詰める。

3.白ワインを加え、更に煮詰める。煮詰まったらブイヨンスープを加え沸騰させる。

4.弱火のままよくかき混ぜながら少量ずつ冷たいバターを加えていき、クリーム状になったら生クリームを加える。塩、胡椒で味を加えて完成。


Point:
ビネガーと白ワインを煮詰めるときは絶対に焦がさないようにしましょう。

白ワインとビネガー、ブイヨンスープが味のポイントです。紹興酒と黒酢、白湯スープなどで中華風に、清酒と酢、出汁で和風のバターソースを作れます。それぞれに適量のハーブ、香草、香辛料などを加えるとより香り高いソースになります。それぞれ各国料理との相性は抜群ですが、西洋料理に中華バターソースを使うなどしても、また新しい味の発見があり楽しいと思います。
 
相性のいい料理は
 ・サケ、ヒラメなどのムニエル
 ・から揚げ
 ・パスタ、特にベーコンを絡めたもの
などです。

沙茶醬、沙嗲醬│台湾サテソース

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沙茶醬、沙嗲醬│サテソース

本日は『 沙茶醬、沙嗲醬│サテソース』の紹介です。日本で暮らす人にはなじみが薄いかもしれませんが、中華圏南部、特に広東省や台湾では日本で言う醤油並みに浸透している調味料で、台湾でもさまざまな料理に使われます。普通の火鍋店で使われるタレといえばまずこれで、他にも炒麺や炒飯の味付けなどに使われます。

元はインドネシアはジャワ島で発祥の焼き鳥(料理名がサテ)に使われていたのソースが由来で、その後大陸に渡り広東省の潮汕という地域で改良が加えられ、沙嗲醬と漢字が当てられて非常に流行しました。今では中華圏全土、台湾を含む南部地域でなくてはならない調味料になっています。沙嗲は広東語でサテ、沙茶は台湾語でサテーと発音し、どちらの漢字もサテの当て字です。ただし台湾では沙茶を中国語読みでサチャと発音しても通じます。醬はソースの意味です。

インドネシアやマレーシアのサテソースはピーナッツを使った甘いソースのことを指しますが、台湾ではエビや干したシタヒラメ(ウシノシタ)を使って塩辛く仕上げます。同名の調味料でも地域やメーカーによって味が違うので、サテソースを使った同じ料理でもまったく味が異なることもしばしばです。

日本で一般にサテソースと言ったときは、東南アジア系のピーナッツベースの甘辛いソースを指します。台湾のサテソースとは味が異なるので注意しましょう。

本格的に作ろうとすると数十種類もの材料を混ぜて作らなければならないため、普通の台湾人が家庭で少量を作ることは多くありません。おいしい沙茶醬を自作しては近所に売っていたりする人も時々居るようですが、普通の人はスーパーで売られている「牛頭牌沙茶醬」という著名な缶入りのものを使用しています。

台湾では沙茶醬といえば牛頭牌、牛頭牌といえば沙茶醬というくらいの有名な商品で、さまざまなレシピでも牛頭牌沙茶醬を使うと指定されているほどです。

この牛頭牌沙茶醬が日本のAmazonでも売っていればリンクを紹介しようと思ったのですが、売っていないようです、残念。以下のリンクは別の沙茶醬(台湾味)のリンクです。作るのが面倒くさい方は以下のリンクから購入するか、台湾旅行時にスーパーで探してみてください。

ユウキ食品 沙茶醤 100g
(Amazonリンク、画像なし)

台湾のサテソースでは干したシタビラメ(Point参照)を使っていますが、日本では手に入らないと思うので、鰹節で代用します。作るのに手間はかかりますが、日本料理にはないエスニックで風味豊かな味わいは、食卓に新たな彩を与えてくれることでしょう。

手間といっても、材料はすべて日本でも手に入るので、興味のある方はチャレンジしてください。非常に応用範囲が広く、おいしい調味料です。


 
難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

材料:
鰹節 ……… 100g
干しエビ ……… 50g
エシャロット ……… 50g
ニンニク ……… 50g
唐辛子粉 ……… 大さじ2
乾燥パセリ ……… 大さじ2
ピーナッツ ……… 大さじ2と1/2
五香粉 ……… 大さじ1と1/2
ローリエ ……… 5枚
サラダ油 ……… 500cc

作り方:
1.鰹節は軽く炒って香りを出したあと、フードミキサーで粉にする。干しエビ、ローリエもそれぞれフードミキサーで粉にしておく(混ぜ合わせないこと)。ピーナッツも砕いて粉にしておく。

2.ニンニク、エシャロットは皮を剥きフードミキサーでそれぞれペースト状にする(混ぜ合わせないこと)。 それぞれの容器にはクッキングシートを引き、水気を切っておく。

3.熱した鍋にサラダ油を入れ、180度でニンニク、エシャロットをそれぞれ色が変わるまで炒める。色が変わったらそれぞれ取り出しておく。

4.同じ油に作り方1の鰹節の粉を入れ、3分ほど炒める。更に作り方1の粉にした干しエビを加え再び3分ほど炒める。更に唐辛子粉、乾燥パセリ、作り方1のローリエ粉、ピーナッツ粉を加え加熱しながらよくかき混ぜる。

5.作り方3のニンニク、エシャロットを加えよく混ぜ合わせた後、火を止め材料が沈殿したら完成。
 

Point:
上澄みの油だけではなく、沈殿した材料の部分を油と混ぜて使います。沈殿した粉部分を料理と絡ませて食べます。

台湾では鰹節の代わりに干したシタビラメ(扁魚といいます)を使います。ここでは鰹節で代用していますが、鰹節の代わりに一夜干しした他の魚を使ってもいいと思います。

サラダ油の代わりに他の植物油、例えばコーン油やグレープシードオイルを使うとすこし風味が変わります。ブレンドしてもおいしくできるかと。

ソースに油が含まれているので、そのまま麺やご飯と絡めていためれば『沙茶炒麵』、『沙茶炒飯』という名前の料理になります。野菜を炒めてもおいしいですよ。

相性のいい食材は
 ・麺、ご飯などの炭水化物
 ・火鍋のソースとして
 ・加熱した野菜
 ・熱々のまま食べるもの
などです。

他にも醤油、生姜、白ゴマ、黒ゴマ、きな粉、各種漢方材料などを加えたレシピがあります。

分布している地域毎に少しずつ味が異なります。それぞれベースとなる材料は
 ・台湾:エビと干しシタビラメなど
 ・福建:ピーナッツとニンニクなど
 ・広東:ピーナッツペーストとゴマペースト、豆板醤、各種漢方材料など
 ・東南アジア:ピーナッツとココナッツミルク、生姜、醤油など
 です。特に台湾のものは他の地域のものと味が大きく異なります。

この料理以外で一般的に使われる「扁魚」とはヒラメやカレイなど目が片側によっている魚の総称として使われます。シタビラメはヒラメの仲間ではないのですが、目が片側によっているので扁魚の仲間とされます。日本でもごく一部では干しシタビラメを売っていますが、大体が味醂や醤油で下味が付けられています。火を通す時に焦げるかもしれないので調理時間にご注意を。

この調味料を使った料理のレシピは台湾の年明けにでも紹介したいと思います。




糖醋醬│糖醋ソース

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糖醋醬│糖醋ソース

本日は甘酸っぱい『糖醋醬│糖醋ソース』の作り方です。名前の通り「糖│砂糖」と「醋│酢」をベースに作ります。昨日までの『蒜泥醬』や『五味醬』はどちらかというと海鮮料理と相性のいいソースでしたが、こちらは肉類との相性がよいソースです。以前紹介した『糖醋里肌』や『糖醋蝦球』なども類似の甘酸っぱいソースで食材を炒めたものですね。他にも『糖醋豆腐』という豆腐を炒めた料理もあります。

料理の調味料として使われる以外にも、揚げ物や焼き物のソースとしても使われます。例えば揚げ餃子や春巻きのソースとしても使われます。


このソースにもいろんな作り方があり、いくつか紹介します。非常に簡単に作れますのでぜひ試してみてください。




糖醋ソースA(ゴージャス)


難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
タマネギ ………1/4個
パイナップル ……… 1/4個
ケチャップ ……… 大さじ1
梅酢 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 大さじ1
水 ……… 100cc


作り方:
1.タマネギとパイナップルは皮を剥き細かくみじん切りにする。

2.材料をすべて鍋に入れ火にかけて沸騰させる。1-2分ほど沸騰させてとろみが付いたら完成。



糖醋ソースB(イージー

難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ケチャップ ……… 大さじ2
酢 ……… 大さじ2
砂糖 ……… 大さじ2
塩 ……… 少々


作り方:
1.材料をすべて混ぜ合わせ、火にかけて沸騰させて完成。



糖醋ソースC(スタンダード)

難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ケチャップ ……… 15g
醤油 ……… 小さじ1
酒 ……… 小さじ1/2
胡椒 ……… 少々
塩 ……… 少々
砂糖 ………小さじ1/2
ごま油 ……… 小さじ1/2






作り方:
1.材料をすべてよく混ぜ合わせて完成。



糖醋ソースDイタリアン 

難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ミートソース ……… 大さじ2
パイナップルジュース ……… 大さじ2
酢 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 大さじ1/2

作り方:
1.材料をすべて混ぜ合わせて完成。



Point:
軽く煮詰めることでとろみをつけます。

パイナップルジュースの代わりにリンゴジュース、梅酢の代わりに黒酢やリンゴ酢などを使うと、また風味が変わります。

パイナップルや酢の酸味は油の多い料理と相性がよく、炒め物、揚げ物、焼き物などの料理の佐料として使われます。

この『糖醋醬』を肉と絡めて炒めたあと、片栗粉でとろみをつける『糖醋○○』という料理は中華圏各地にあります。そのうち紹介するかもしれません。

相性のいい食材は
 ・炒めた牛、豚、鶏などの油の多い料理
 ・豆腐、厚揚げなどの大豆加工食品
 ・餃子、ワンタンなどの肉を包んだ料理
 ・エビ、イカなどの魚介類
 ・ベトナム風春巻きや生ハム料理

などです。





五味醬│五味ソース

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五味醬│五味ソース

昨日の『蒜泥醬』に続いて、今日も中華料理用のソースの作り方を紹介します。その名も『五味醬』といい、いろんな味のソースを混ぜ合わせて作る万能ソースです。名前こそ五味ですが、混ぜる材料は5種類に限りません。中華圏では酸・苦・甜(甘い)・辣(辛い)・鹹(塩辛い)の五つの味を五味といい、五行説でいう木・火・土・金・水にそれぞれ対応します。

それぞれ五臓(肝・心・脾・肺・腎)と五腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱)に対応する味付けとされ、特に心臓が火、腎臓が水などの対応は覚えやすいのではないでしょうか?まぁ、興味のある人は自分で語呂合わせでも考えて覚えてください。五行説は古代中国の学問で、陰陽説と合わさって政治や宗教、医療などに絶大な影響を与えました。現代ではオカルトの部分が無きにしも非ずですが、晩御飯の味付けに迷った時に参考にする程度には役立ちます。


中華圏ではこれ五味以外に麻味(ピリピリと痺れる)、鮮味(うま味)などの味の表現があります。

さて五味醬は上記五味すべての味を絶妙にブレンドしたソースで、特に新鮮な海の幸との相性がよく、さまざまな魚介類の料理に使われます。以前『五味蝦仁』という料理を紹介しましたが、他にも生ガキ、イカ、刺身、焼き魚などとの組み合わせが絶品です。

手ごろな材料だけで日本の台所でも簡単に作れますので、少量作っていろいろと味見してみましょう。

4種類の五味ソースの作り方を紹介しますが、これといって固定したレシピはないので、自分でアレンジしてあなただけの五味ソースを作ってみましょう。




五味ソースA(スタンダード)


難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ニンニク ……… 1個
生姜 ……… 3g
ネギ ……… 少々


調味料:

ケチャップ ……… 大さじ1
醤油 ……… 大さじ1
酢 ……… 大さじ1
ごま油 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 大さじ1


作り方:
1.ニンニク、生姜は細かくみじん切りにする。ネギは細かく刻む。

2.すべての調味料とニンニク、生姜、ネギを混ぜ合わせて完成。




五味ソーB(ワサビ)  
難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ニンニク ………4個
生姜 ……… 5g

調味料:
醤油 ……… 大さじ3
ワサビ ……… 大さじ2
ごま油 ……… 小さじ1

作り方:
1.ニンニク、生姜は細かくみじん切りにする。

2.すべての調味料と混ぜて完成。




五味ソースC(ゴージャス)  
難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ニンニク ………2個
生姜 ……… 3g
水 ……… 大さじ3

調味料:
ケチャップ ……… 大さじ1
醤油 ……… 小さじ1
酢 ……… 小さじ1

ごま油 ……… 小さじ1/2
砂糖 ……… 大さじ1
塩 ……… 大さじ1

作り方:
1.ニンニク、生姜は細かくみじん切りにする。

2.すべての調味料と混ぜて完成。



五味ソースD 
難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ニンニク ………4個
生姜 ……… 5g
一味唐辛子粉 ……… 5g
水 ……… 大さじ1

調味料:
ケチャップ ……… 大さじ1
醤油 ……… 大さじ2
酢 ……… 大さじ1/2

ごま油 ……… 大さじ1/2
砂糖 ……… 大さじ1/2

作り方:
1.ニンニク、生姜は細かくみじん切りにする。

2.すべての調味料と混ぜて完成。




Point:
ニンニクや生姜をみじん切りにした食感が苦手な方は、すりおろしたり、そのおろし汁だけ使ってもよいでしょう。

おすすめの食材は
 ・エビ、シャコ、カニなどの甲殻類
 ・生カキ、ハマグリ、ホタテ、サザエなどの
 ・イカ、タコ、ナマコなどの軟体類
 ・白身魚全般。生でも加熱済みのものでも
 ・ 蒸した豚肉(『蒜泥白肉』のソースを五味ソースに代えたものを『五味白肉』と呼びます
などなど。

茹でた後冷やしたラーメンの麺に、千切りにしたキャベツを乗せて、水で濃度を調整した五味ソースをかけると『五味涼麵』という料理になります。そのうち詳しく紹介するかもしれません。





蒜泥醬│中華ニンニクソース

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蒜泥醬│中華ニンニクソース

今日から旧正月までの期間、台湾料理で多用するソースの紹介をしたいと思います。第一弾は『蒜泥醬』。相変わらず当ブログのアクセス上位の人気レシピ『蒜泥白肉』や、類似料理の『蒜泥魚片』などのソースとしても有名で、いろんな食材に合わせられるニンニクベースのソースです。

『蒜泥醬』は淡白な味わいの食材にぴったりで、味付けせずに火を通した肉類との相性は抜群です。蒸した豚肉、ハマグリ、茹でた魚、鶏皮、生のタマネギなどのソースとして使えます。

何はともあれまずは『蒜泥白肉』から作ってみましょう。

この『蒜泥醬』にはいくつものレパートリーがあります。ここでは4種類紹介しますが、これが絶対の固定した作り方ではありません。各自好みでいろんな材料を加えてアレンジしてみましょう。

特に蒜泥醬D(ゴージャス)はびっくりするほど香り高いソースができます。サラダのドレッシングとしても抜群です。作り方を覚えて食べる人を驚かせてやりましょう。




蒜泥醬A(ピリ辛)


難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ニンニク ……… 20g
ネギ ……… 20g
生唐辛子 ……… 10g


調味料:
醤油 ……… 大さじ2
水 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1/2
ごま油 ………大さじ1

作り方:
1.ニンニク、ネギ、生唐辛子は細かくみじん切りにする。

2.すべての調味料と混ぜ合わせて完成。



蒜泥醬B(辛くない)


難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ニンニク ……… 20g

調味料:
醤油 ……… 大さじ2

砂糖 ……… 小さじ1/2
ごま油 ……… さじ1

作り方:
1.ニンニクをすりおろして、調味料と混ぜ合わせて完成。



蒜泥醬C(酸っぱい

難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ニンニク ……… 20g

調味料:
醤油 ……… 大さじ2
……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1/2
ブイヨンスープ ……… 大さじ2

作り方:
1.ニンニクをすりおろして、調味料と混ぜ合わせて完成。



蒜泥醬D(ゴージャス

難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
ニンニク ……… 20g
生姜 ……… 5g
生唐辛子 ……… 1/2本 
ネギ ……… 1/3本

調味料:
塩 ……… 少々
黒酢 ……… 小さじ1
醤油 ……… 大さじ2
酒 ……… 大さじ1
胡椒 ……… 少々
サラダ油 ……… 小さじ1

作り方:
1.材料をすべて細かくみじん切りにする。

2.サラダ油を高温に熱し作り方1でみじん切りにした材料にかけて手早く混ぜ合わせる。

3.その他調味料をすべて加えて完成。




Point:
生唐辛子の代わりに適量の一味唐辛子粉を使ってもできます。

相性のよい食材は
 ・豚肉
 ・豚の耳
 ・白身魚
 ・鶏ササミ
 ・鶏皮
 ・ハマグリ
 ・もやし
 ・タマネギ
 ・麺
などです。

特に冷えた食材との相性がいいので、『醉雞』などの冷性の料理のソースとしても使えます。

サラダドレッシングにも十分使えます。








麻油豬肉片│豚肉と野菜のごま油炒め

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麻油豬肉片│豚肉と野菜のごま油炒め

似たような名前なのに調理方法がぜんぜん違うという料理を紹介します。『麻油豬肉│豚肉と野菜のごま油炒め』という料理なのですが、似たような名前の『麻油雞』が鍋料理なのに対して、こちらは炒め物。理由は筆者にも分かりません。

日本の野菜炒めなどと違い作り方は少々特殊で、先に野菜を茹でて火を通した後に炒める豚肉と絡めるという二段階形式になっております。いろんな野菜を一緒に炒めるとき、ニンジンとキノコなどの火の通りが違うと口の中が気持ち悪くなってしまいますが、この手法は火の通りをそれぞれ調整できます。

豚肉とあわせる野菜は各自で好きなものを使えばいいと思いますが、炒めると水分の出る白菜やキャベツを加えるなら少量の水溶き片栗粉を加えてあんかけ風にしましょう。

コンロが二つあると、片方で野菜をさっと茹で、片方でパパッと炒める…と一瞬で作れます。ご飯が進むことうけあいの料理です。慣れると一瞬で作れます。



難易度:


調理時間:
30分以内

材料1:
豚肉 ……… 250g
ニンニク ……… 10g
ネギ ……… 50g
ごま油 ……… 大さじ2

材料2:
ニンジン ……… 30g
エノキタケ ……… 40g


調味料:
オイスターソース ……… 小さじ1
酒 ……… 大さじ2
塩 ……… 小さじ1/4
砂糖 ……… 少々


作り方:
1.豚肉は厚めにスライスする。 ニンジンは皮を剥いて薄くスライスする。えのきは石づきをとり、ばらしておく。ネギはぶつ切りにする。

2.沸騰したお湯に、エノキをくぐらせ芯まで火を通しておく。ニンジンも茹でてしっかり火を通す。

3.熱した鍋にごま油を加え、ネギを炒めて香りを出す。続いて豚肉を加え、色が変わるまで炒めた後、オイスターソースと酒を加えアルコールが飛ぶまで強火で炒める。

4.茹でた野菜を加え、豚肉と絡めて塩と砂糖で味を整えて完成。

 
Point:
作り方2と作り方3はコンロが二つあれば並行して行えます。

キャベツなどを使うときも、一度茹でて好みの程度まで火を通した後、豚肉と混ぜ合わせて少量の片栗粉で締めます。豚肉に片栗粉をまぶしておいてもOK。好みの問題ですが、片栗粉を加えないと水が出てべしゃっとします。


作り方4の野菜と豚肉は絡めるだけ。野菜に焦げ目がついたりするまでは炒めません。火を通しすぎるとごま油の苦味が出ます。サッと絡めるだけOKです。

台湾ではビーフンや細めの麺と絡めて食べたりします。ニンニクを多めに入れてごま油で麺と絡めるという手法は台湾の伝統的な家庭料理に見られる手法です。日本でなら柔らかめに茹でて水気を切ったソーメンの上にどっかりとこの料理をかけてしまいましょう。意外に合います。




藥膳醉雞│薬膳鶏の冷性酒蒸し

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藥膳醉雞│薬膳鶏の冷酒蒸し

前に『醉雞』という鶏肉の酒蒸し料理を紹介したことがありましたが、本日はそれに漢方薬を加えた薬膳料理を紹介したいと思います。非常に健康的でお酒のつまみとしても最適なので、材料が手に入る方は挑戦してみてください。

台湾の薬膳で使われる漢方材料の種類はそれほど多くなく、せいぜい20数種類程度なのですこしずつ紹介したいと思います。

日本では漢方薬局以外での入手が難しいために紹介を避けていましたが、今日のレシピには「黄蓍│おうぎ」という漢方材料が入っています。レンゲソウと同じ属に属するキバナオウギという植物の根を乾燥させたもので、非常に有用な生薬です。高麗人参が内面の気を増すといわれるのに対して、黄蓍は体表の気を増すとされており、韓国料理の『삼계탕│サムゲタン、参鶏湯』などにも使われます。

さて、この「黄蓍」ですが、これまた表記のゆれが多いので少々注意が必要です。正確には「黄蓍」と書くのですが、漢字が難しいため「黄耆」と書くのが一般的です。中国や韓国では「黄芪」などとも書きますが、日本では「黄耆」の表記を採用しています。類似の生薬に「紅蓍│こうぎ」または「晋蓍│しんぎ」というものがあり、マメ科のイワオウギ属植物の根を乾燥させたもので黄蓍の上位品のような使われ方をします。実際には含まれる成分はそれほど似てはいませんので、効果はまったくの別物だと思っていた方がいいでしょう。このブログでは黄耆、黄蓍どちらの表記も使います。

ところで台湾では日本で言う黄蓍のことは「青蓍」または「青芪」と表記します。台湾で黄蓍と表記していた場合は「黄蓍類」を表し、「青蓍」と「紅蓍」の両方を指すので注意が必要です(しかも台湾で黄蓍と表記されている大部分が紅蓍のことです)。台湾の市場で(日本で言う)黄蓍を購入するときは、青芪と書かれているものが日本の黄蓍に相当します。普通の旅行者が台湾で敢えて黄蓍を購入する機会はそんなに多くはないと思いますが、間違えないようにしましょう。

黄だの青だの紅だのなんだかカラフルな生薬ですが、本場中国の市場では黒蓍や白蓍といった表記もあるので、さらに賑やかです。

まぁ、専門的な話はさておき、健康的でかつお酒のつまみにも最適な薬膳醉雞のレシピいってみましょう。



難易度:
☆☆☆

調理時間:
数日

材料:
鶏腿肉 ……… 2本
大棗 ……… 6個
当帰 ……… 10g
黄蓍 ……… 10g
クコの実 ……… 5g
水 ……… 200cc


調味料:
酒 ……… 400cc
固形ブイヨン ……… 小さじ1/2
塩 ……… 小さじ1/2



作り方:
1.鶏腿肉はよく洗い、軽く塩(分量外)をまぶしてタコ糸できつく縛る。さらにアルミホイルで包み、蒸し器で20分ほど蒸す。

2.蒸した鶏肉をアルミホイルでくるんだまま氷水につけて冷やす。冷えたらアルミホイルを破いて肉を取り出す。

3.大棗、当帰、黄蓍、クコの実は良く洗い、鍋に酒、水と共に入れ、沸騰させる。沸騰したまま3分ほど煮込んだら火を止め、塩、固形ブイヨンを加える。自然に温度が下がるのをまつ。

4.パックやタッパーにスープと鶏肉を入れて、冷蔵庫に1-2日入れておく。取り出して切り分けて完成。


Point:
鶏肉に火が通ったら、骨をきれいにはずしておけばあとあと食べやすいです。

アルコール分を完全に飛ばす必要はありません。少々お酒の匂いがするほうが、おいしく食べられます。

免疫増強や寝汗の防止、冷え性や生理痛などに効果があるはずですが、なによりおいしいのがうれしい料理です。

胸肉などを使ってほぐし、そのままレタスに乗せても旨い料理です。味が物足りない方は少量の塩を準備して食べましょう。

漢方薬が手に入らない方は普通の『醉雞』をどうぞ。手間はかかりますが、実際は冷蔵庫内に放置しておくだけなので意外と簡単です。

醉雞シリーズはさまざまなレシピがあり、筆者もお気に入りなので今後も時々紹介していきたいと思います。





 
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